9X Problem

吉田健一(Kenichi Yoshida) 2008-04-13 23:10:42

 先日、エンタープライズ2.0の名づけの親、Andrew McAfee教授のビデオを見る機会があった。そこで「9X(ナインエックス) Problem」という面白い話があったので紹介しよう。本人による原文はこちら

■サイボウズからDesknet'sへの乗り換えは困難か?

 リアルコム社内ではグループウェアとしてGoogle Apps Premier Editionを利用しているが、一部ワークフロー等はサイボウズを利用していた。先月その部分がサイボウズからDesknet'sに変わった。どちらも日本を代表するウェブ型グループウェアであるが、サイボウズでは機能が不足していたため、機能面で優れているDesknetsを入れた。

 ところが、社内に抵抗がある。「新しいツールに移るのは面倒くさい」「今のままでよいのではないか」といった声があがっている。

 機能はDesknet'sの方が明らかに優れているのだ。それなのに、なぜここまで抵抗があるのか。それは「9X Problem」があるからである。

■9倍使いやすいこと

 McAfeeの同僚John Gourvilleの研究によれば、平均的消費者は新しい技術の良い点を3倍小さく評価し、既存の技術の良い点を3倍大きく評価する。よって新技術を受け入れるためには9倍以上の便利になっていないと難しい。これが9x Problemである。

 9倍という数字が正しいかどうかは別にして、感覚的に納得できる話である。社内におけるDesknet'sに対する抵抗はまさにこの9x Problemに起因していると言ってよいだろう。

 これまで新しいテクノロジーが次々と世に送り出されてきたが、定着せずに終わった例は多い。それはイノベーションが9倍より小さかったからなのかもしれない。

 Blog、Wiki、SNSなどのエンタープライズ2.0のITツールもまた、E-mailやグループウェアといった既存の技術に対して9x Problemを抱えている。こうした新しいITツールが真に普及するためには、既存のツールに対して9倍以上便利になる必要がある。ブームに流されず、本当に9倍の利便性向上があるかどうか、考えてみるべきであろう。

 興味がある方は今週開催されるEnterprise2.0 SummitでMacafeeのビデオ公演があるので、よけれえば参加してみたらいかがだろうか?


吉田健一@リアルコム

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