30億のDNA情報の解析を高速化して生産性の高い研究活動へ --米国最大規模のゲノム研究機関は、増え続けるデータをどう処理しているのか?

コンピューティング、ストレージ、仮想化リソースを統合したハイパーコンバージドシステムを導入している企業にとって、さらなるリソース要求が発生した場合の管理コストは悩ましい問題だ。それを解決するには、複数のハイパーコンバージドシステムを統合管理し、全体のリソースプールを柔軟かつ、効率的に運用できるプライベートなIaaS環境が求められる。世界をリードするゲノム研究機関であるHudsonAlpha研究所が、この課題をどのようにして解決したのか、そのエッセンスを紹介する。

膨大な量のDNA研究データを処理し、
研究員のニーズを満たす

 HudsonAlpha研究所は、米国の著名なゲノム研究機関だ。155エーカーの広大なキャンパスを拠点とし、疾病の原因究明と治療に貢献する数々の発見をしているほか、アグリゲノミクスによる食料や燃料の生産についても多くの成果を上げている。ゲノムシーケンサーなどのバイオテクノロジー機器からは、膨大な量のDNA 研究データが生成される。そのため 同社では、ITインフラにおいても研究員のニーズを満たす処理能力を備えるとともに、機密性の高いデータを容易に管理し、低コストで運用できる堅牢なインフラストラクチャが不可欠だった。

 同研究所では、およそ800人を超える研究員が営利、非営利の両サイドで働いており、月に生成されるゲノム配列データは1PBにも達する。同社のITチームは、膨大なデータを管理し、クエリ可能な状態に維持しながら、異なる特徴を持つ個々のワークロードに対応するためのプロビジョニングに追われていた。

 そこで、コンピューティング、ストレージ、および仮想化リソースを、高密度なプラットフォーム上に緊密に統合するソフトウェア・デファインド・アーキテクチャに着目し、仮想マシン (VM) の自動販売機と称される「HPE Hyper Converged 380」の導入を決定した。この製品は、「HPE ProLiant DL380 Gen9」サーバプラットフォームを基盤とし、VMware vSphereと統合されている。また、仮想サーバの展開アプローチの標準化を可能にし、3種類のワークロード構成(General Virtualization、Cloud System、Virtual Desktop Infrastructure)に対応する。

 しかし同社のインフラ環境は、ワークロードの増加ペースも含め、一般的なエンタープライズシステムでは対応不可能なレベルとなっていた。そのため、ソフトウェア・デファインド・データセンター (SDDC) の構築においても、複数のHPE Hyper Converged 380システムやストレージを、1つのリソースプールとして統合管理、運用できるプライベートなIaaS環境が必要だった。

3台のHPE Hyper Converged 380システムを
HPE Synergyで統合管理

 最終的に同研究所が選んだのは、「HPE Synergyコンポーザブル・インフラストラクチャ」だった。現在、3台のHPE Hyper Converged 380システムと3つの「Synergyコンピューティングモジュール」、そして1つの「HPE Synergy D3940ストレージモジュール」が、HPE Synergy上で稼働している。その結果、4日を要していたリソースの再プロビジョニングを、わずか2時間で完了できるようになり、ストレージコストも大幅に削減できた。なお、システム管理には「HPE OneView」を使用しており、HPEサポートチームが到着する前に、ハードウェアのセットアップが完了できたという。

 HPE Synergyコンポーザブル・インフラストラクチャでは、統合 APIが提供される。これを利用することで、複数のデータセンターにわたって、インフラ全体をコードとして自動化された形でプログラミングすることが可能となる。また、「HPE Vertica Advanced Analytics」をはじめとして、さまざまなアプリケーションをサポートしており、膨大なDNAデータプールの傾向やパターンの特定を容易にする。

 HudsonAlpha研究所の取り組みは、決して「特殊な事例」ではあるまい。膨大なデータを分析する環境と既存の業務システムが併存する大規模なデータセンターを運用する企業では、同研究所と同じ課題が立ちはだかっているはずだ。HPE Synergyソリューションは、ハイパーコンバージドシステムを導入する企業が突き当たる課題を先取りしたものであり、複数系統に分かれている現状のリソース運用管理の負荷を一気に低減することが可能になる。

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