Azureが「SAP on Azure」で実現する快適なSAPソリューション

 電通国際情報サービス(以下、ISID) 及び日本マイクロソフト(以下、マイクロソフト)は2017年11月22日、SAPユーザー向けセミナー「SAPユーザーが将来を見据えて、今、取り組むべきことは?~今すぐコストダウン、そしてこれからもコストダウン~」を開催した。既にSAPが公表しているように、SAP Business Suite 7のメインストリームサポート期間が2025年で終了し、これまでオンプレミス環境で運用していた企業は、基幹サーバー換装に伴う事前影響評価や、移行への行程準備などに追われている。そのためパブリッククラウドとしてMicrosoft Azure(以下、Azure)を展開するマイクロソフトや、コンサルティングやSI業務を行うISIDは、カラムストア指向リレーショナルインメモリーデータ処理プラットフォームである「SAP S/4HANA」への移行施策や事例を交えた本セミナーを開催した。記事の内容は2017年11月末のセミナー開催時の情報です

Azureはクラウドビジネスに最適なパブリッククラウド

 最初に登壇した日本マイクロソフト パートナー事業本部 パートナー技術統括本部 プリシンパル・パートナーテクノロジーストラテジスト/テクニカルビジネスマネージャー 板倉真由美氏は「マイクロソフトがSAPユーザーに提供する価値とは?」と題した講演で、「弊社ビジネスの中核にAzureがある」と明言した。同社は2016年度の売り上げのうちクラウド分野からの収益目標50%をほぼ達成するなど、クラウドビジネスに注力している。そのAzureは世界36地域(2017年11月8日現在。42地域まで拡大予定)で提供し、「AWSの2倍、GCPの6倍に及ぶ地域サポートを100カ所以上のDC(データセンター)で実現。米国防総省も採用(専用DCを提供)し、米国政府のネットワークに次ぐ世界第2位の規模を誇るネットワーク上でさまざまな価値を提供している」(板倉氏)。利用数も増加傾向にあり、1カ月あたりの新規サブスクリプション契約数は12万件にも及び、100兆個のAzureストレージオブジェクトが稼働。既にFortune 500に名を連ねる企業の85%がMicrosoftクラウドを利用している。

 日本においても間もなくSAP S/4HANA専用のベアメタルサーバーで運用する「Large Instance」が利用可能となり、「OLTP(オンライントランザクション処理)に利用可能はメモリが最大4TB、OLAP(オンライン分析処理)は最大60TBまでスケールアップ可能」(板倉氏)としている。米国ではLarge Instance用DCの建設が間に合わないほど引く手数多(あまた)で、「DCへの投資はMicrosoftに任せて、ビジネスに集中する」(板倉氏)企業の決断によるものという。Large Instanceの日本投入時期は2017年末から順次行われる予定。その他仮想マシンとして「DSシリーズ、Gシリーズ」に加えて、最大3.8TBのメモリを提供する「Mシリーズ」といったSAP社認定のインスタンスが用意され、広範なワークロードに対応する。さらに米国東部などでは既に利用可能だが、「汎用かつアプリケーション本番環境に最適な『Dv3シリーズ』や、コア数よりも大容量メモリーを必要とするデータベースワークロードに最適化した『Ev3シリーズ』を日本でも提供していく」(板倉氏)予定だ。

 高いSLA(サービス品質保証)や専用線サービスとなるAzure ExpressRouteなど列挙するのが難しいほど多数のサービスを提示し、顧客が望むシナリオに応じた柔軟性を備えるAzureだが、企業にとっては1年または3年分の前払いで予算を明示可能なAzure Reserved VM Instancesの存在は大きい。Dv13インスタンスを例にすると1年で30%、3年では50%のコスト削減となる。マイクロソフトは「最大で82%のコストダウンかつ長期的な投資計画が立てやすくなり、Azureは長期にわたる安定運用を望む顧客に利用しやすいパブリッククラウドだといえる。SAP HANAを含むSAPアプリケーションに最適で拡張性の高いクラウドを提供し続ける」(板倉氏)とビジネスと親和性の高いAzureの特徴をアピールした。

SAPデータの活用を支える「BusinessSPECTRE」シリーズ

 次に登壇した電通国際情報サービス ビジネスソリューション事業部 稲継正樹氏は「垂直立上式DWH構築手法とコーポレートガバナンスを容易に実現するエンタープライズBIの世界」という内容で、SAPデータの活用を支える「BusinessSPECTRE」をアピールした。ISIDはSAPデータ連携製品を2006年から手掛けており、これまでSAPの認定ソフトウェアに認められたBIテンプレートや半定型レポーティングツール「BusinessSPECTRE WebFront」を提供している。既に120社以上(2017年3月時点)の導入実績や、SAP標準BIツールであるBWの代替ツールなどを提供し、SAPソリューションに多くの強みを業界内外に示してきた。


電通国際情報サービス ビジネスソリューション事業部
稲継正樹氏

 BusinessSPECTREはSQL Serverを基盤にSAPのデータを取り出し、ビジネスに活用できる情報を提示するソリューションだが、「SAPのデータは独自言語のABAPを用いる必要があるため、自社ソリューションを構築するのは工数が掛かる。だが、自動データ変換を供えるBusinessSPECTREを使えば、BIに必要なSAPデータ抽出からレポートまで提供できる」(稲継氏)。常に蓄積される業務データは差分データ転送で連携し、開発言語問題はGUIを用いたノンプラグラミング構造で対応可能。さらに管理会計・財務会計、販売・購買・在庫管理といったテンプレートを併用することで、必要なデータを適切に取り出せるという。Webブラウザー経由で参照し、ExcelやPDF形式で出力可能だが、細やかな権限制御が特徴的だ。例えば部署ごとにデータや明細遷移を秘匿すべき場面や、組織変更時に過去の組織階層を引き出すなど、現場に需要に即したシナリオに対応する。ISIDは「従来の導入形式では4カ月ほど掛かる工数は(BusinessSPECTREなら)1カ月程度まで短縮できる。まずは導入して使いながらブラッシュアップしながら企業文化に適業させるソリューション」(稲継氏)だと説明した。

 BusinessSPECTRE WebFrontは多次元分析したデータや管理帳簿などを元に自由分析レポートを作成できるソリューションである。提示するピボットデータをドラッグ&ドロップで組み込むだけで、SSRSの標準機能では「実現できない部分を補う存在」(稲継氏)だ。Azure AD(Active Directory)と連動し、Azure Web Appsで提供しているため、15分程度で展開できるなどSAP ERPの大量な業務データを容易に抽出し、ビジネス分析・戦略に役立てることが可能だ。ISIDのディストリビューション・パートナーであるジールは、BusinessSPECTRE Power BIと組み合わせたソリューションを提供し、「導入直後から経営の可視化を実現する」( ジール アナリティクスソリューションセンター センター長 瀧澤祐樹氏)と自社製品を紹介した。BusinessSPECTREテンプレートとPower BIを連携させて、KPIなどを決定すると自動的に定期レポートを出力し、ビジネス戦略の指針を提示するという。


ジール アナリティクスソリューションセンター センター長
瀧澤祐樹氏

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