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ライバルがタッグを組んで生まれたVMwareマネージドサービス

オンプレミスのVMware製品による仮想化環境をクラウドに簡単移行。
より安く、セキュアに使える「Azure VMware Solution」

仮想化の領域でライバル関係にあったマイクロソフトとヴイエムウェアがタッグを組んだ。目的は「企業がVMware製品で築いたオンプレミス資産のパブリッククラウドへのスムーズな移行を支援すること」、この協業によって生まれたソリューションが「Azure VMware Solution」だ。両社の専任チームのメンバーに、同ソリューション提供の狙いと活用メリットを聞いた。

クラウド活用を考える企業の前に立ちはだかる
ハードルとは?

 サーバ仮想化やクライアント仮想化の分野で長らくライバル関係にあったマイクロソフトとヴイエムウェアが強力なタッグを組んだ。それによって2020年に誕生したソリューションがAzure VMware Solution(以下、AVS)だ。これは「Microsoft Azure」で提供されるVMware製品による仮想化環境のマネージドサービスであり、企業がオンプレミスにVMware vSphereで構築した仮想化環境を、改修なしでパブリッククラウド(Azure)に移行することが可能となる。

 ライバル関係にあった両社が、なぜAVSの提供で手を結んだのか? マイクロソフト コーポレーションのグローバル組織「Global Black Belt」に所属し、日本でAVS専任のスペシャリストとして活動する前島鷹賢氏は次のように話す。

マイクロソフト コーポレーション
Global Black Belt - Asia
Adv. Migration Specialist
前島鷹賢氏
マイクロソフト コーポレーション
Global Black Belt - Asia
Adv. Migration Specialist
前島鷹賢氏

 「仮想化領域における両社の協業など、以前は考えられないことでした。しかし今日、両社が協力しなければ解決できない課題に、多くのお客様が悩まれているのです」

 その課題とは、「オンプレミスの既存資産を生かしたパブリッククラウドの活用」だ。

 「お客様でデジタル変革(DX)の機運が高まる中、パブリッククラウドをビジネスやDXでどう活用するかが大きなテーマとして浮上し、マイクロソフトに対しても『パブリッククラウドならではの柔軟性や拡張性を活用したい』というご相談を多数いただくようになりました。ただし、その前に解決しなければならない大きな課題があります。お客様がオンプレミスに築いたシステム資産を生かしながらパブリッククラウドに移行するという高いハードルを超えなければならないのです」(前島氏)

マイクロソフトとヴイエムウェアが連携し、
パブリッククラウドへのスムーズな移行を支援

 そうしたシステム資産の代表例の1つが、vSphereなどのVMware製品で構築したプライベートクラウド環境である。

 「オンプレミスにVMware製品で構築したプライベートクラウドをお持ちのお客様が、『ハードウェアが保守期限を迎える』『ソフトウェアのサポート期限が切れる』『自社データセンターの規模を縮小したい』といった事情により、期限が限られた中でパブリッククラウドへの移行を検討されるケースが増えています。時間がないのでシステムをクラウドネイティブに作り替える余裕はありませんし、時間があったとしても、いきなりクラウドネイティブの世界に移るのはコストや技術、経験の面で課題が多く、どうすればよいかと悩まれているお客様が沢山いらっしゃるのです」(前島氏)

ヴイエムウェア株式会社
クラウドサービス事業部
クラウドセールススペシャリストAzure VMware Solution(AVS)
八田和憲氏
ヴイエムウェア株式会社
クラウドサービス事業部
クラウドセールススペシャリストAzure VMware Solution(AVS)
八田和憲氏

 このような声がヴイエムウェアにも届いていたと、同社でAVS専任スペシャリストを務める八田和憲氏は説明する。

 「今日、多くのお客様がオンプレミスの当社製品上でWindows Serverなどマイクロソフトのソリューションを活用してプライベートクラウドを構築し、安定して運用されています。ただし一方で、前島さんが話したような事情から、あるいは差し迫った問題があるわけではないものの、『時代のニーズにより適合したシステム環境を使いたい』『DX推進のためにデータ活用などで最新の技術を使いたい』といった事情からパブリッククラウドへの移行を考えるお客様が増えています」(八田氏)

 そこで課題となるのが、オンプレミスのVMware製品による仮想化環境をどれだけシンプルに、なおかつ早くパブリッククラウドに移行できるかということだ。具体的には、次のようなことがハードルとなる。

  • オンプレミスのVMware製品による仮想化環境をそのまま移行できるのか、簡単に持っていけるのか?
  • オンプレミスのVMware製品による仮想化環境で組んだネットワーク構成やIPアドレスを変更せずに移せるのか?
  • 移行に際してダウンタイムは発生するのか?
  • これまでの運用で培ったスキルセットやツール群、運用手法はそのまま生かせるのか?

 マイクロソフトとヴイエムウェアが力を合わせることで、企業がこれらのハードルを越える手助けをしよう、さらにはハードルそのものを取り除こうと誕生したのがAVSだというわけだ。

ヴイエムウェア株式会社
クラウドサービス事業部
クラウドソリューションアーキテクト
バスカ・シン氏
ヴイエムウェア株式会社
クラウドサービス事業部
クラウドソリューションアーキテクト
バスカ・シン氏

 「AVSはマイクロソフトが自ら提供するファーストパーティのソリューションですが、ヴイエムウェア側でもグローバルでAVS専任チームを立ち上げています。この専任チームにより、日本をはじめ世界中のお客様からいただくご要望に対して、ヴイエムウェアからもAVSを通じてお応えできるという点が、この協業の大きな意義だと考えています」(八田氏)

 また、ヴイエムウェアでAVS専任のクラウドソリューションアーキテクトとして活動するバスカ・シン氏は、技術面におけるAVSのメリットを強調する。

 「AVSはAzureのネイティブサービスの1つで、シンプルかつセキュアな設計でつくられています。お客様はVMware HCXなどのアプリケーション移行ツールを使って本番環境を稼働させたままダウンタイムなしでオンプレミスのVMware製品による仮想化環境をスムーズにAVSに移行できます。さらに、ネットワークレイヤーからAVSとAzureの各サービスをシームレスに統合できます。この点はDXでパブリッククラウドの活用を検討されているお客様にとって大きなメリットとなるはずです」(バスカ氏)

日本ユニシスがVMware製品による
プライベートクラウドをAVSに移行

 AVSは2020年12月に日本(Azure東日本リージョン)での提供が始まり、今年7月に国内でのさらなる普及促進に向けて体制を強化。前島氏に加えて河口信治氏がGlobal Black BeltにAVS専任スペシャリストとして加わった。「日本でも専任者が2名となり、お客様やパートナー様にAVSの魅力や活用法などをより広く活発にご提案する体制が整いました」と河口氏は説明する。

マイクロソフト コーポレーション
Global Black Belt - Asia
Adv. Migration Specialist
河口信治氏
マイクロソフト コーポレーション
Global Black Belt - Asia
Adv. Migration Specialist
河口信治氏

 また、早期よりAVSの活用を検討してきた企業の中には、大規模な移行を成功させたところも出てきた。その1社が日本ユニシスだ。

 同社はVMware製品によるプライベートクラウドを多数運用してきたが、ハードウェアが更新時期を迎えたのを機に、それらの環境のより効率的な運用に向けた検討を開始。さまざまな要件を精査する中で、オンプレミスに持つのをやめ、パブリッククラウドへ移行する案が持ち上がる。

 「ただし、これまで培ったVMware製品に関するスキルセットや運用スクリプト、運用管理の仕組みといった資産は今後も活用したい、それらを全て捨てて一足飛びにパブリッククラウドに移るのは現実的ではないことから、これらの要件を全て満たすソリューションとしてAVSを選択されました」(前島氏)

 AVSに用意されたアプリケーション移行ツールのHCXはさまざまな機能を提供しており、オンプレミスのシステムをダウンタイムなしでパブリッククラウドに移行したり、IPアドレスを変えずに移行したりなど、オンプレミスとパブリッククラウドをハイブリッドで使うことが可能となる。日本ユニシスは、このHCXなどを活用してスムーズな移行を実現したという。

 オンプレミスに残す場合とAVSに移行した場合とのコスト比較も行った。これに関するポイントは、利用料金やライセンス料金だけでなく、過去の実績を基にしてハードウェアやソフトウェアの運用にかかる人件費まで含めて比較した点だ。その結果、AVSに移行するほうがトータルでコストを下げられると判断した。

 また、既存のシステムや運用を変更なしで移行する一方、パブリッククラウドならではの仕組みの活用も推進。例えば、既存のバックアップ運用に替えて、Azureのバックアップサービス「Azure Backup」を新たに導入し、運用負荷の軽減を実現している。

さまざまな業界が関心。
ISMAP認証を受け、官公庁での活用機運も高まる

 このほかにも現在、業種業界を問わず、オンプレミスでVMware製品による仮想化環境を利用するさまざまな企業からAVSの活用について相談が寄せられている。先頃、AVSを含むAzureの全サービスが「政府情報システムのためのセキュリティ評価制度(ISMAP)」の認証を受けたこともあり、「今後はAzureを利用する官公庁のお客様がさらに増加し、その中でAVSの活用を検討されるケースが増えると予想しています」と前島氏は話す。

ソフトウェアのライセンス優遇、
セキュリティパッチの延長提供など、
AVSならではの優遇プランがさらに拡充

 「VMware製品をパブリックラウドで使うならAVS以外に考えられない!」と企業をうならせる優遇プログラムも用意されている。その1つがライセンス優遇プランだ。

 VMware製品をオンプレミスで利用する企業の中には、ゲストOSやアプリケーションとしてWindows ServerやSQL Serverを使っているところが多いだろう。AVSでは、これらのマイクロソフト製品に関する優遇プログラムが用意されており、他のクラウドベンダーが提供するVMwareマネージドサービスと比較して、より安価に利用することができる。Windows ServerとSQL Serverのソフトウェア アシュアランスを所有している企業は、AVSを使うことで、パブリッククラウドによるコスト効果をさらに高められるということだ。

 またもう1つ、大きな優遇プランが用意されている。マイクロソフトは、自社のソフトウェア製品について「拡張セキュリティ更新プログラム(ESU)」を提供している。これはサポートが終了したソフトウェアを事情があって使い続けなければならない企業に対して、緊急または重要なセキュリティパッチを毎月提供するというものだ。例えば、SQL Server 2008やWindows Server 2008はすでにサポートが終了しているが、ESUを利用することでサポート終了日から最大3年間セキュリティパッチの提供を受けることができる。

 このESUは有償プログラムだが、AVSを含むAzure上でSQL Server 2008やWindows Server 2008を利用する企業は無償で利用することができる。オンプレミスからAVSへは改修なしで移行できるため、これらのソフトウェアを使っているシステムを取り急ぎAVSに移行すれば、より安全に延命できるというわけだ。

 加えて先頃、これらの優遇プランがさらに拡充された。

 まず、AVSを含むAzureユーザーに関しては、Windows Server 2008、SQL Server 2008向けESUの提供期間が次のように1年間延長された。

  • Windows Server 2008 / 2008 R2:AzureでのESU提供期間を2024年1月まで延長
  • SQL Server 2008 / 2008 R2:AzureでのESU提供期間を2023年7月まで延長

 両ソフトを使ったシステムをより長く安全に使いたいという企業がAVSへの移行をためらう理由はないだろう。

 さらに朗報がある。間もなくサポートが終了するWindows Server 2012とSQL Server 2012についても、Azure上で利用する場合は最大3年間のESUが無償提供されることがアナウンスされた。

サポート終了予定日 ESU適用によるサポート終了予定日
Windows Server 2012 / 2012 R2 2023/10/10 2026/10/10
SQL Server 2012 / 2012 R2 2022/07/12 2025/07/12

 「既存システムの改修が難しいというお客様は、移行の容易なAVSに一旦移行していただけば、これらのプログラムを利用してシステムを安全に延命し、余裕を持って次のシステムの検討を進めていただけるようになります」(前島氏)

AVSへの移行支援サイトも
コンテンツを拡充

 AVSへの移行を支援するコンテンツも随時拡充を進めている。

 マイクロソフトは、オンプレミスからパブリッククラウドへの移行を検討している企業に向けて、それを支援する情報を集約したポータルサイト「Azure インフラ」内でAVSに関するコンテンツを各種提供している。

 「このポータルサイトでは、AVSの基本を学んだり、試しにAVSを使ってみたり、AVSに関する技術的な理解を深めるためにパートナー様のワークショップに参加したりなど、お客様のご検討の流れに沿って必要なコンテンツをご案内しています。マイクロソフトが提供しているトライアルキャンペーンを利用してAVSに触れることもできますので、ぜひご活用いただきたいですね」(河口氏)

 なお、ヴイエムウェアからも、AVSを無償で体験できるハンズオンラボのほか、パブリッククラウドへの移行を検討する際、既存のオンプレミス環境に負荷をかけることなく稼働状況を確認するツールなどを使ったアセスメントサービスを提供している。

 このように、移行を支援する優遇プランやコンテンツが充実し、より活用しやすくなったAVS。前島氏は、「今後も機能の強化や提供されるリージョンの拡大など、お客様に安心してご利用いただける仕組みを拡充していきますので、ぜひご期待ください」とさらなる拡充を約束する。

 かつてのライバルが手を組んだことで実現したAVS。パブリッククラウドにおけるVMware製品の活用を検討する多くの企業にとって決定打となるに違いない。

提供:日本マイクロソフト株式会社
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