「すべてを自動化する」ことが企業のデジタル変革を支える--Ansible Automates Tokyo 2018レポート

レッドハットは4月24日、東京都内で「Ansible Automates Tokyo 2018」を開催した。今回で2回目となるイベントには、前回を大幅に上回る400名の聴衆が参加。Ansibleの最新情報や活用事例に耳を傾けた。レッドハットと日本ヒューレット・パッカードのセッション内容をレポートする。

クラウドに対応した管理と自動化のための「Ansible」

 ビジネスのデジタル化が進み、迅速なビジネス展開が求められるようになった。そんななか、DevOpsやInfrastructure as Codeというキーワードとともに大きな関心を集めているのが、IT環境の構築や構成変更と運用作業の自動化だ。

レッドハット
プロダクト・ソリューション本部 本部長
岡下 浩明氏
レッドハット
プロダクト・ソリューション本部
本部長 岡下 浩明氏

 イベント開催に先立ち挨拶に立ったレッドハットの岡下浩明氏は、最近の企業ITのニーズについて「DevOps、コンテナ、自動化、俊敏性が強く求められるようになりました。IDCの調査によると、自動化やインフラの俊敏性を求めているお客様の割合は約8割に達するという状況です。」と説明した。

 そうしたITの自動化を実現するツールとして高い支持を集めているのがAnsibleだ。Ansibleは、サーバからネットワーク機器、クラウドまであらゆる環境をエージェントレスで管理でき、使いやすい操作体系を持つことが特徴だ。このAnsibleをレッドハットが掲げるオープンハイブリッド戦略を実現する重要なコンポーネントと位置付けている。

 岡下氏は「オープンハイブリッドクラウドは、プライベートクラウドを実現する「Red Hat OpenStack Platform」とクラウドネイティブアプリケーション基盤を実現する「Red Hat OpenShift Container Platform」で構成され、「Red Hat Ansible Automation」は、これらの環境をオンプレミスからパブリックまで複数のクラウドにまたがった、あらゆるITオペレーションの自動化を実現する。まさに、オープンハイブリッドクラウド戦略を実現する要だ」とアピールした。

ネットワーク運用の自動化にも大きく貢献

 続いて登壇したのは、米Red HatでAnsible Network Automationテクニカルマーケティングマネージャーを務めるSean Cavanaugh氏だ。Cavanaugh氏は、ネットワーク管理の自動化の観点から、Ansibleの機能や特徴を解説した。

 Cavanaugh氏はまず、従来のネットワーク運用の課題として、未だに紙ベースでコマンドラインによるマニュアル運用が中心で、属人化・サイロ化が進んでいると指摘した。これを解決するためのソリューションも、レガシー文化に基づいたリスク回避型の独自ソリューションが多かったという。

米Red Hat
Ansible Network Automationテクニカルマーケティングマネージャー
Sean Cavanaugh氏
米Red Hat
Ansible Network Automation
テクニカルマーケティングマネージャー
Sean Cavanaugh氏

 「そんなあり方を変えているのがAnsibleなどの自動化ツールです。コミュニティ文化に根ざしたリスク認識型のオープンなソリューションで、Infrastructure as CodeやDevOpsの方法論を実践することができます。また、Ansibleはネットワーク向けに570以上のModuleを提供しており、40のプラットフォームに対応していることが、多くのお客様で利用されている1つの理由になっています」(Cavanaugh氏)

 Ansibleでネットワーク運用を自動化することで「YAMLとしてのインフラ(Infrastructure as YAML)」「構成管理」「継続的な安定状態の確保」というメリットが得られる。さらに、AnsibleをGUIとAPIで管理するための企業全体で使うための「Ansible Tower」を使うことで、インフラの構成管理やアプリケーションのデプロイだけでなく、ネットワークの自動化やREST APIを通した他システムとの連携したインフラ全体の管理も可能だという。また、ロールベースの権限管理や実行履歴管理、通知機能など組織全体で自動化を導入する際に必要となる機能を提供している。

 「まずはネットワークの状態を確認するような簡単な作業へAnsibleを利用しはじめ、ネットワークの設定のバックアップ取る、3rd パーティ製のソフトウェアとの連携まで、構築・管理・拡張、というフェーズで取り組むようなことをお客様に推奨しています」(Cavanaugh氏)

 実際、海外での導入事例として、イギリス陸軍や、金融会社のCapital One、ヘルスケアIT企業のSurescriptsなどが、モバイルアプリのデプロイや構成管理、DevOpsの推進などに役立てていることを紹介。そのうえで「Ansibleは、ネットワーク管理を自動化し、エンタープライズ領域でのデジタルトランスフォーメーションに大きく貢献できます」と訴えた。

Ansible導入の悩みに応える「自動化支援サービス」

提供:レッドハット株式会社 | 日本ヒューレット・パッカード株式会社
[PR]企画・制作 朝日インタラクティブ株式会社 営業部  掲載内容有効期限:2018年9月30日
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