ベリタス「Vision 2017」レポート:データ管理ソリューションの最前線

ベリタステクノロジーズは、2017年12月1日、「Veritas Vision Solution Day」を東京で開催した。米国で開催された「Vision 2017」で紹介された同社の最新技術を紹介するとともに、日本で協業するパートナー企業の最新ソリューションを紹介することで、データ管理に関するノウハウを一挙に体験することができるイベントとなった。

デジタル変革に欠かせないデータの管理と把握

 デジタル変革の実践は、もはや企業にとって避けて通れない過程だ。その際に重要なのは、データである。ベリタスは、そのデータに関して今回のVision Solution Dayで、「MDP:変革後のデータ保護」 「MCA:マルチクラウドへの対応」 「RMC:情報ガバナンスとコンプライアンス対応」 「SDS:ソフトウェア・デファインド・ストレージ」の4つテーマとして掲げた。

 膨大に発生するデータをいかに保護し活用していくのか。多くの企業が採用しているクラウドをどのように活用するのか。データを効率的、かつ、コストパフォーマンスを考えて活用するためにSDSをどう適用するのか。データ保護、ガバナンス、コンプライアンスをどのように実現すればよいのか。今回のイベントでは、こうした課題に対して、「データ」を中心において解決策となるソリューションの数々が紹介された。

 なかでも、昨今注目が集まっているHCI(ハイパーコンバージド・インフラストラクチャ)に関しては、MDP(データ保護)関連として、ハードウェア視点でHCIを語る「インフラ運用の課題を解決する富士通の『かんたん』なHCIソリューション」、中堅規模企業の集約的データバックアップを紹介する「クラウドでも HCI でもこれだけで OK! 最新 Backup Exec 20」、HCIを含む大規模システムバックアップを解説する「バックアップデータを活かす最新のデータ保護ソリューションとビジョン」の3つのセッションが行われた。

 またSDS関連では、HCIをファイルストレージプラットフォームとしての活用を語る「スケールアウトNASを実現するVeritas Accessのデザインとアーキテクチャ」、クラウド連携するオブジェクトストレージへの適用について語る「安くて大容量なだけじゃない!ベリタスが提案する次世代オブジェクトストレージ」が行われた。

 本稿では、この中から2つのセッションを取り上げ、ダイジェストでレポートする。

インフラ運用の課題を解決するHCI「PRIMEFLEX」


富士通株式会社
データセンタープラットフォーム事業本部
コンバージドインフラストラクチャ開発統括部
統括部長
船木淳氏

 富士通は、「インフラ運用の課題を解決する『かんたんな』HCIソリューション」と題して、データセンタープラットフォーム事業本部 コンバージドインフラストラクチャ開発統括部 統括部長の船木淳氏が講演した。

 ベリタスと富士通とは、20年に及ぶパートナーシップを構築している。国内にとどまらず、グローバル・ストラテジック・パートナーとして、親和性の追求、一体型ソリューションの追求、安定したサポート品質という3つのポイントを実現してきた。今回の講演の内容は、この両社のパートナーシップがベースとなっている。

 今回、富士通がアピールしたHCI「PRIMEFLEX」は、富士通が事前設計を行った、日本の工場品質の製品であることが特長となっている。企業は従来のサーバー導入に比べ、大幅に短い期間で稼働させるため、これまで費やしていたサーバーセッティングにかける時間がなくなり、情報システム部門は業務構築のための作業に集中することができる。

 このPRIMEFLEXを、「働き方改革の推進」「労働人口の減少」「標的型攻撃の増加」という3つの課題を解決する切り札として活用していこうというのが富士通の提案である。

 現在、日本企業は大きな課題を抱えている。労働人口が減少していることもあって、働き方改革は避けることができない。そこで人を中心としたテレワーク導入を検討する企業が増えているが、その実践には、インフラの見直しが必要となる。社内以外の場所で働いても、情報漏洩を防ぎ、働く人がストレスなく働くことができる、社内と同様のシステムを利用できるインフラが必要だ。

 こうしたテレワークのインフラに最適なのがVDI(バーチャル・デスクトップ・インフラストラクチャ)だ。VDIは、場所に依存せず、会社にいる時と同じシステムを、セキュリティを担保した状態で利用できる。そしてVDIの実践に最適なのがHCIだ。

 富士通社内でも2013年に仮想デスクトップのトライアル運用を始めたことを皮切りに、2017年度末までに全社8万人の社員が仮想デスクトップ環境で仕事をする環境作りを進めている。このうち、5000人の社員の基盤にHCIが使われている。そして従来システムと比較し、ブートストーム時の性能改善約30%、導入コスト削減20%を実現している。

 PRIMEFLEXの導入事例として挙げられたのが、ある地方自治体がネットワーク強靭化対応のVDIシステムの基盤として採用した例だ。容易にシステム拡張ができる点が高く評価されたという。また、VDIだけではなく、仮想化基盤の実証システムとしてPRIMEFLEXが導入されたケースもある。この事例では、PRIMEFLEXが国産のHCIであり、スピード導入が実現できる点が導入の要因となった。

 高い評価を受けているのが、富士通独自の運用管理ツールISM(ServerView Infrastructure Manager)だ。自動化によって運用負荷を削減し、さらに管理コンソールの統合によって使い慣れたVMware vCenterの画面操作で一元管理できる。処理を自動化することで、作業を効率化するとともにミスを削減。さらに増設についても、ストレージの知識がなくてもVMwareの管理者都合で増設することが可能で、結線と構築用テンプレート情報設定は、ISM自動構築ツールにおかませで大丈夫だ。

 また、バックアップの際には、NetBackupが最適だと富士通ではアピールする。スケールアウト構成で、HCIのシステム拡張にも適応し、運用負荷削減にも大きな役割を果たす。

 セキュリティについては、ファームウェアのアップデートにはISM、データ保護にNetBackupを活用してテープメディア、クラウドにデータを保存しておくことで、ランサムウェアなどの攻撃を受けない場所にデータを保存することを呼びかける。さらに、クラウドへのデータ転送については、NetBackupのウィザードによる簡単設定を活用し、新たなソフトを導入することなく、データ転送を行える点もアピール点だと説明した。

図:NetBackupでクラウドへバックアップ 図:NetBackupでクラウドへバックアップ
※クリックすると拡大画像が見られます

ホワイトペーパー

提供:ベリタステクノロジーズ合同会社
[PR]企画・制作 朝日インタラクティブ株式会社 営業部  掲載内容有効期限:2018年4月8日
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