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ZDNet Japn Summit 2019 講演レポート

アバナード
顧客体験と同様に「働く人々の体験」がビジネスの結果につながる

 アバナードのディレクターを務める庄 昌子氏は、2019年10月17日に開催された「ZDNet Japan Summit 2019」で「すべてのビジネスの結果はワークプレースから始まる!」と題して講演。ワークプレースでの素晴らしい体験がビジネスの結果に結びつくという事実を語った。働く人々それぞれが最大の能力を発揮するために、いかにしてワークプレースを改善すればよいのかについて、最新のグローバル事例を交えて紹介した。


アバナード ディレクター
Modern Workplace Value Realizationオファリングリード
庄 昌子氏

ワークプレース体験(WX)がビジネスに貢献する

 アバナードは、アクセンチュアとマイクロソフトの合弁会社として2000年に創業し、現在は27カ国で事業を展開。日本法人は2005年に設立され、およそ15年の歴史を数える。Microsoft Azureへのシステム移行、Office365やWindowsの導入といったマイクロソフトソリューションにおいて豊富な実績をあげ続けるリーディングカンパニーでありながら、ビジネス戦略に踏み込んだコンサルティング部門も持つユニークな存在だ。

 同社がデジタル化を実現するために欠かせないと考える「モダン・ワークプレース」の領域で、「ワークプレースプラットフォーム最新化」「ワークプレースの体験・価値実現」というソリューションを提供しており、庄氏は後者を担当する。

 「企業はITなどに投資をしてライセンスフィーを払っていますが、現場でそれが本当に価値を持って活用されているでしょうか。働く皆さんのために、我々は価値ある活用のお手伝いしています」(庄氏)

 社内にデザインチームも有しており、システムだけを提供するのではなく、働く人の立場で使いやすいデザインへの考慮もなされているという。

 庄氏がまず強調したのは「すべてのビジネスの結果は、ワークプレースで働く人々から始まる」ということだ。

 「マサチューセッツ工科大学の情報システム研究センターとの共同リサーチでは、高い従業員体験を提供する企業では、顧客満足度は2倍、イノベーションは2倍、利益は26%増であることが明らかになっています。私たちは、エクスペリエンスがビジネスに貢献するという裏付けのもとに、推進しているのです」(庄氏)

 「体験」「エクスペリエンス」と聞くと、実体が判然としない印象を受けるが、事実として企業全体に継続的な価値をもたらすアプローチと言える。

働く人々が感じる価値の実現がビジネスの結果に

 さらに、庄氏は「ワークプレース体験(WX)は、既存オペレーションの考え方や意思決定の流れを変えるもの」だと説明。WXは施設だけでなく、人事、法務、ファイナンスなど、さまざまな部門を包括するという。一体誰がリードし、目指す姿を定義するのか。また、誰が予算や人材を確保し、インセンティブも考えるのか。

 「いろいろな部署を巻き込んでいく取り組みであり、単純にテクノロジーの導入だけでは実現できないことです」(庄氏)

 そういった取り組みの中で忘れてはならない視点がある。中心にいるべきは、その環境で働く人々だということだ。働く人々が感じる価値を実現することがビジネスの結果につながる。

 続けて庄氏は、「アジャイルなプロセスで実現する価値創造」「コラボレーションが可能にするイノベーション」「顧客体験改善につながるWX向上」という3つのビジネスシナリオを事例によって紹介。

 まず、「アジャイルなプロセスで実現する価値創造」について、統合UIで月次報告プロセスを合理化した事例を取り上げた。M&Aにより急成長した企業で、部門ごとに手作業で月次財務レポートを作成していたが、バックエンドに統合UIとワークフローを導入したところ、作業効率が劇的に改善されたという。個別最適を実現できている場合でも、全体では改善の余地があることが多いそうだ。

 これにより全体を通してスピード感のあるプロセスとなり、将来の予測が可能になり、ビジネスとしてのアジリティ(俊敏性)が高まっただけでなく、ビジネスとの対話を促すツールとしても機能するようになったという。「報告書を定期的に出すことが目的なのではなく、本来はビジネスとの対話が目的になるべきなのです」と庄氏は解説する。

 慣例としての報告やプロセスが非効率なまま続いていないか、あるいは、複数のシステムや仕組みを使い続ける負荷が、結局働く人々の上にのしかかっていないかという“働く人々の視点”が必要だと指摘。

図:WXの中心にいるべきはその環境で働く人々 図:WXの中心にいるべきはその環境で働く人々
※クリックすると拡大画像が見られます

“働く人々の視点”から課題を考えることが重要

 「コラボレーションが可能にするイノベーション」で取り上げたのは、医療チームをバーチャルにつないで、がん患者へのよりよいケアを可能にした事例だ。数千の拠点を持つ医療サービス機関が、10万人の従業員と3万人の提携パートナーによる「Tumor Board(症例検討会)」活用を促進するため、バーチャル環境を立ち上げた。

 医療従事者たちは忙しいため時間を合わせて集まることは困難だが、ネットを介したバーチャル環境のコラボレーションであれば参加しやすい。バーチャル環境を立ち上げたところ、従来の4倍もの患者が恩恵を受けられるようになった。蓄積された症例画像などを、さまざまなデバイスで確認できることも大きなメリットとしてあげられる。この取り組みは、医療業界内でも注目されているという。

 この事例から学べるのは、セキュアなバーチャル環境でオープンなコラボレーションを実現すると、リアルの現場でのサービス向上につながるということだ。さらに、プロセスそのものが有益な情報として記録され、後の活用につなげられる。

 「『場所が離れている』『外部である』という理由で、活用できていない人材やアイデアはないか」を確認することは重要だ。これも、“働く人々の視点”から考えるべき課題と言える。

 「顧客体験改善につながるWX向上」では従業員エンゲージメント向上が、顧客体験の改善につながった事例を紹介した。グローバルにフランチャイズを展開するレストランチェーンでは100%を超える離職率の高さに悩まされていたが、個人のデバイスを活用し(BYOD)、スケジュールやコミュニケーションを従業員自らコントロールできるようにすると離職率が改善し、店舗での顧客へのサービスにも好影響を与えたという。

共通ビジョンを見える化する“エクササイズ”

 これら3つの事例は「Microsoft Teams」をベースとした活用事例だが、共創ワークショップの実施から2週間程度でデモ作成まで到達した。いずれも海外の事例ではあるが、日本のアバナードでも同様のサービスを日本人が提供できる体制になっているという。

 重要なのは、いかに“働く人々の視点”を引き出すかということだ。そこで、視点を引き出すための共創ワークショップのファシリテーションはアバナードが担う。そのやり方はユニークだ。

 ホワイトボードと付箋を使った「優先順位付け」「アフィニティマッピング」などにより、参加者全員が積極的に広い視点でのディスカッションできるようにしている。また、「ストーリーボード作成」では、どういうデモが作られるのか、その場で手書きして可視化し、アイデアを検証する。

 共創ワークショップの短い期間でも効果的なのが「カバーストーリーエクササイズ」。将来、成功して雑誌のカバーに取り上げられた場合に、どんな風に外部から見られたいかを考え、将来の理想像の共通ビジョンを見える化する。

 また、枠にとらわれない共創プロセスとして、Legoを使ったLEGO® SERIOUS PLAY® ワークショップを通したビジョン定義・チームビルディングや、LEGO for Scrum によるアジャイルな考え方とアプローチの体験なども行っている。

 「企業の風土やニーズにあわせて、本当に働く人にとって良いことは何かを考えるお手伝いをしています」と庄氏。企業によって目指す働き方や、ゴールまでの道のりは違うので、万能の答えはないと感じているという。「すべてに当てはまるベストプラクティス」を当てはめようとするスタンスを否定する。

 最後に「『働かせ方改革』にならないために当社のソリューションを利用し、ビジネスの成長に役立ててほしいと思います」と締めくくった。

[PR]企画・制作 朝日インタラクティブ株式会社 営業部  掲載内容有効期限:2020年3月31日
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