CNTトランジスタ

用語の解説

CNTトランジスタとは

(カーボンナノチューブトランジスタ,carbon nano tube transistor,)
CNTトランジスタとは、非常に微細な六角形の金網が筒状になった形の「カーボンナノチューブ」と呼ばれる素材を用いたトランジスタのことである。
ナノ(1nm=10億分の1m)という非常に小さな管状の分子構造をしており、高強度の樹脂、燃料電池、薄型ディスプレーなどに用いられる次世代の材料として注目を集めている。 1991年に飯島澄男が発見した。 現在、コンピューターチップにおいて、一般的に使用されているシリコン素材のシリコンベース・トランジスタと比べると、約500分の1という超小型サイズを実現することができるため、コンピュータ・チップのさらなる小型化や高速化を推進することが可能と見られている。 また、カーボン・ナノチューブは、構造とサイズによって、金属性になったり、半導性の電子的性質を帯びたりするという特徴を持ち、トランジスターとしては、半導性ナノチューブを用いる。 しかし、カーボン・ナノチューブをトランジスタとして使用する際に、金属性と半導性のナノチューブが混在することにより、束状の形態になるという問題があった。 これにより、金属性ナノチューブの性質が半導性ナノチューブを上回り、チップ素材としての実用性が限られていた。 その後、半導性ナノチューブの高密度配列を作成するために、「建設的破壊(Constructive Destruction)」と呼ばれる技術を用いて、電気の衝撃波によって金属性ナノチューブを破壊し、トランジスターの製造に必要な半導性ナノチューブのみを残すやり方が開発された。 なお、カーボンナノチューブをトランジスタに採用することで、導電性の指標となる「相互コンダクタンス値」では、シリコン製のトランジスタの性能を2倍以上上回る数値を実現している。 またこの技術は、チップ・メーカーが10数年後に直面すると言われているシリコン素子における小型化の物理的限界の到達時に、シリコンの代わってコンピューター・チップの素材に用いられると期待されている。

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