PC/AT互換機

用語の解説

PC/AT互換機とは

(ピーシーエーティーゴカンキ,PC/AT compatible machine,)
PC/AT互換機とは、IBMが開発したパーソナルコンピュータであるIBM PC/ATとアーキテクチャの互換性を持ったコンピュータの総称である。
PC/AT互換機が構成上基づいているPC/ATは、1984年に発表された。 当時、Appleが先進的な個人やホビーユーザーを主な対象としていたのに対して、IBMは、PC/ATによって企業向けの需要を掘り起こしていた。 PC/ATは、ビジネス用途のパソコンの元祖であるとも言うことができる。 当時、IBMは、主に大型汎用コンピュータ(メインフレーム)を手がけていたが、パソコンの市場の展望を見据え、短期に参入することを決めていた。 そこで、ハードウェアの基本的なアーキテクチャを公開した上、主要な部品を外部調達できる仕組みを作り上げた。 IBMがマシンのアーキテクチャを公開したことで、その公開された仕様を元に多数のベンダーが自由に参入できる市場が形成された。 そして、IBM仕様のパソコンを、IBM以外の会社が製造するという、いわゆる互換機メーカーが登場した。 また、モジュールごとに特定のコンポーネントを製造するメーカーも多数登場した。 IBMが仕様公開を行ったことは、今日のオープン技術の先駆けとしても位置づけることができる。 なお、PC/ATの開発の際、IBMはハードウェアを公開するだけでなく、アプリケーションを扱う上で必要となる基本ソフトウェア(オペレーティングシステム)を自社開発ではなく他社から調達することに踏み切っている。 このとき採用されたPC-DOS、いわゆるDOSは、後のMicrosoftが発展を進めるための決定的な要因となったということができる。 PC/AT互換機は、徐々に仕様の拡張が行われ、現在では当初のものとかなり変わってきている。 その意味で、現在のパソコンは、PC/AT互換機の延長線上にはあるが、単なる延長ではなく、むしろ発展系と言える存在である。 例えば、バス規格は当初ISAバス(ATバス)であったが、後にPCIバスとなっている。 キーボードやマウス用のインターフェースも、パラレルインターフェースやシリアルインターフェースから、現在ではほぼUSBに置き換えられている。 PC/AT互換機はオープン化され、その仕様は、業界団体の規格化や提案、強力なベンダーの提案に端を発する事実上の標準(デファクトスタンダード)などによって進化していく流れが形成されている。

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