エバネセント通信

用語の解説

エバネセント通信とは

(エバネセントツウシン,evanescent communication,)
エバネセント通信とは、通信技術のひとつで、建築物の鉄骨に電流を流し、周囲に発生した電磁場を用いて無線通信を行う方式のことである。
屋内における次世代無線LAN技術として実現が期待されている。 エバネセント通信では、金属などの導体に電流を流した際に発生する「エバネセント波」と呼ばれる電磁場を通信媒体に用いる。 (「エバネセント」とは「しみ出す」というほどの意味である)。 鉄筋を通じて建物のすみずみまで電流が流れ、そこから空気を通じて建物内の全空間に電磁波がいきわたる。 このため建物の中はくまなく安定した無線通信を受けることができる。 一般的な無線LANのように、建物の隅では電波が届かないといったこともなく、壁などに電波が遮られて通信困難になってしまうということもない。 エバネセント波は、発生源の鉄骨から離れるに従って指数関数的に衰えていくという特徴を持っている。 建物の外側で電磁波を傍受される危険もきわめて少ないといえる。 建物の鉄骨には、エキサイタと呼ばれる装置を用いて高周波電流が流される。 それによって生じたエバネセント波は、専用の無線機で受信される。 エキサイタは比較的単純な装置なので、取り付けも簡単で安価であるというメリットもある。 日本では、2001年末ごろから日立製作所と株式会社ココモ・エムビー・コミュニケーションズ、昭和電線電纜株式会社、の3社がエバネセント通信の共同開発に取り組んでいる。 建物内に500kHzから54MHz(HF・VHF)の周波数帯を利用してエバネセント波を生成することによって、50Mbps程度の安定した通信速度で、広範囲・低コストの通信が行うことができるとしている。

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