オブジェクト

用語の解説

オブジェクトとは

(object)
オブジェクトとは、操作の対象となっているデータ、または、オブジェクト指向の考え方においてプログラムが扱う対象のことである。
オブジェクトは、いわゆる「物体」や「対象」といった意味であるが、現実の世界に存在する事象や概念を指す場合もあるし、そうした事象や概念をモデルとして再現したものや、さらには現実世界には存在せずにモデル上のみに存在する何物かを指すこともある。 Microsoft Officeのアプリケーションでは、文書に挿入できる図表やワードアートなどがオブジェクトと呼ばれている。 しかしIT用語としてオブジェクトと言った場合には、オブジェクト指向、とりわけオブジェクト指向プログラミングについて言及されていることがほとんどである。 オブジェクト指向プログラミングにおけるオブジェクトとは、データ(属性)と機能(手続き)をひとかたまりにした実体のことである。 オブジェクトは、集合としての実体である「クラス」と、個としての実体である「インスタンス」という形で捉えることができる。 オブジェクト指向プログラミングでは、既存のオブジェクトを再利用したり、新たに作成したオブジェクトを組み合わせて、オブジェクト間でメッセージ(情報)をやり取りすることで処理を実行させる。 オブジェクトを利用して形でプログラムを作成していくことで、プログラマは個々のオブジェクトの内部構造や動作原理の詳細を知らなくても、その機能を利用できる。 同時に、プログラムの再利用が容易になるため、ソフトウェア開発の生産性も飛躍的に向上するといわれている。 なお、オブジェクトやクラス、インスタンスの概念や定義は、オブジェクト指向言語の種類によってニュアンスが異なっていることがあり、必ずしも定説になっているとは限らないため、注意を要する。 パソコン向けのオペレーティングシステム(OS)の世界では、IBMのOS/2でオブジェクトの概念がいち早く導入され、アイコン、フォルダ、データファイル、デバイス、ウィンドウ、プログラムなど、ユーザの操作対象となるものがすべてオブジェクトとして扱われた。 OS/2のGUIは、当時の競合であったWindows 95やMac OSと見かけ上の大きな違いはなかったが、内部的には、オブジェクト指向によってユーザーが容易にカスタマイズできるという特徴を備えていた。

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