デジタルハイビジョン

用語の解説

デジタルハイビジョンとは

(Digital Hi-Vision)
デジタルハイビジョンとは、テレビ放送において高品位な映像を実現する「ハイビジョン」技術のうち、放送波にデジタル信号を用いて放送を行うテレビ放送のことである。
デジタルハイビジョンという言葉は、アナログ信号で放送波を扱う方式であるアナログハイビジョンに対する表現であるといえる。 アナログハイビジョンは、日本放送協会(NHK)によって世界に先駆けて開発され、1989年に衛星放送と共に提供が開始されたが、後にハイビジョン放送のデジタル化が進んだ。 2007年9月にアナログハイビジョン放送として唯一残っていたNHKのBSハイビジョン放送の提供終了をもって、全てデジタルハイビジョンに置き換わっている。 デジタルハイビジョンは、2000年12月に提供が開始されたBSデジタル放送や、2003年12月に提供が開始された地上デジタル放送(地デジ)などによって、全国的に視聴可能となった。 CSデジタル放送の一部のチャンネルでもデジタルハイビジョンによる放送が提供されている。 ちなみに、ハイビジョンは、一般的にはHDTVや高精細テレビなどといった呼び方の方が一般的であり、ハイビジョンという名称はNHKが提唱した商品名のようなものである。 しかし、国内では、アナログハイビジョンの時代から、HDTVの通称として「ハイビジョン」の呼び名が浸透している。 日本のデジタルハイビジョンでは、通信方式として、NHKによって開発されたISDB(Integrated Services Digital Broadcasting)の規格が用いられている。 ISDBでは、映像コーデックとしてMPEG-2 Video、音声コーデックとしてMPEG-2 AAC、データの符号化にはBML(Broadcast Markup Language)、暗号化方式としてはMULTI-2が採用されている。 また、衛星デジタル放送のための規格としてはISDB-S、地上デジタル放送の規格としてはISDB-Tとなっている。 ちなみに、携帯電話を対象としたワンセグ(1セグメント放送)では、地上デジタル放送と同じくISDB-Tの規格が採用されている。 日本だけでなく欧米でも、HDTVはそれぞれ実現されているが、使用している方式はそれぞれ異なる。 なお、最近の薄型テレビやDVDレコーダー、家庭用ゲーム機、ビデオカメラなどのデジタルハイビジョン対応AV機器の多くに、HDMI端子が搭載されている。 HDMIは、デジタル信号をデジタルのまま表示したり保存したりできるため、ハイビジョン映像を見るためには都合が良い。 デジタル方式の画像は、アナログ放送と異なりコピーしても劣化しない。 そのため、デジタルテレビ放送では著作権保護のために、デジタルハイビジョン対応AV機器には1回のみのコピーを認めるコピーワンスが採用されていた。 2008年7月からは、コピーワンスに替わり、新たにダビング10の運用が始まっている。 ダビング10では、コピー9回、ムーブ1回まで可能となっている。

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