ユーティリティコンピューティング

用語の解説

ユーティリティコンピューティングとは

(utility computing)
ユーティリティコンピューティングとは、コンピューターの処理能力や記憶容量といったコンピューティング資源を、必要なときに必要なだけ買い足して用いることを可能にする方式のことである。
特に、他のコンピューターが持つ余剰能力を、電気・ガス・水道などの公共資源(ユーティリティ)のように供給するサービスモデルのことを指す。 一般に、企業の基幹系システムなどで構築されるコンピューターシステムは、処理能力の最大値が想定されて構築されている。 そのため用意されるシステムは高性能で高価となり、普段の利用は際してはコンピューター資源の大半が遊んでいるという事態が珍しくない。 あるいは逆に、想定外にアクセスが急増すると最大能力でも対応できずにシステムがダウンしてしまうといった事態も生じかねない。 また、システムの性能を向上したい場合には機器を買い足したり、丸ごと買い換えたりする必要が生じる。 ユーティリティコンピューティングによるサービスでは、公共サービスをモデルとして、豊富なコンピューティング資源を備え持つ施設を儲け、その資源をネットワークを通じて企業などに供給するというサービス形態が構想されている。 これによって、従来の「電気を得るために発電機を買う」ようなシステム運用の形態を「電線を引いて必要量だけ利用する」形態へと変えて、使用したぶんだけ料金を支払うという環境が実現する。 ユーティリティコンピューティングによるサービスは、今はまだ基盤となる技術の開発や標準仕様の策定が待たれる段階にあり、公共サービスのような汎用性の実現には至っていない。 しかし一部の大企業などでは、サーバーやストレージを集約して仮想化し、それら資源を必要としている部門に対して必要なだけ提供するというシステムが実用化されており、これはコンセプトとしてはユーティリティコンピューティングの実現であるといえる。

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