なぜ「クラウドへの移行」が必要なのか、実例で示す「根拠」と「成果」

ZDNet Japan Ad Special 2018年11月26日 11時00分

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[PR] ZDNet Japan/AWS Partner Network主催セミナーより。ウシオ電機による基調講演とAWSのユーザー企業であるグリーの講演の内容をお届けする。

 ZDNet JapanおよびAWS Partner Networkの主催で、クラウドの中心的存在である「アマゾン ウェブ サービス(AWS)」をテーマにした全6回のオフラインセミナーが開催された。第1回は「マイグレーション」をテーマに2018年9月25日に行われたが、ここではウシオ電機による基調講演とAWSのユーザー企業であるグリーの講演の内容をお届けする。AWSへの移行の背景にはどういった戦略があり、その結果どのような効果をもたらしたのかなど興味深い内容が紹介された。

特別講演:「守りのIT」で得られた原資を「攻めのIT」へ

ウシオ電機
IT戦略部門
部門長
須山正隆氏
ウシオ電機
IT戦略部門
部門長
須山正隆氏

 基調講演に登壇したのは、ウシオ電機のIT戦略部門 部門長の須山正隆氏だ。須山氏は「攻めのITと守りのITの実現に向けたクラウド移行の必要性」と題して、同社がどのようにしてSAP環境のAWS移行を完遂したのかを紹介した。

 ウシオ電機は、グループ会社56社、従業員5,847名、連結売上高1,734億円の光の専門メーカーだ。産業用を中心に、付加価値の高い光源および自社光源を組み込んだ装置を開発製造し、グローバルに販売。エレクトロニクスや映像分野に加え、メディカルやライフサイエンス分野にも進出している。

 「『光源から光の装置へ、そして光のトータルソリューションへ』をテーマに事業や製品領域を拡大しており、主な製品には半導体製造で用いられる紫外線ランプ、プリント配線基板用露光装置、シネマ映写機用ランプなどがあります。ITについては、既存事業の収益性を維持・改善する一方、新たな成長機会を追求するため、守りのITと攻めのITの取り組みを並行して行っています」(須山氏)

 いまやクラウドは、ビジネス環境変化に対応するための経営戦略を支える重要なインフラだ。ウシオ電機でもそうした認識のもと、AWSを評価してクラウドを活用したさまざまな施策を実施してきた。

 「攻めのITとしては、製造現場のシステム刷新やIoTプラットフォーム導入による競争力強化、データ活用による生産性・品質向上と新たな価値創出、そしてグループウェア刷新による新たなコラボレーション創出とイノベーティブな組織への変革に取り組んできました。また守りのITとしては、ウシオ電機のSAPのAWS移行、それに国内グループ会社のSAPのAWS移行、さらには生産管理・資材調達の自動化などの様々な業務効率化に取り組んできました」(同氏)

 さらに今年は、オンプレミスシステムのAWS移行にも取り組み、守りのITのコスト構造の見直しで得られた原資を攻めのITへの戦略的投資に振り向け、さらには人手による非効率な業務の生産性向上によって事業を推進する社員の戦略的施策へのシフトを推進している。こうした攻めと守りのITをバランスよく実施することがポイントだと須山氏は解説した。

SAPのクラウド移行で運用コストの大幅削減とパフォーマンスの改善

 SAPは、ウシオ電機のビジネスの基幹業務を支えるシステムだ。購買管理、生産計画、在庫管理、倉庫管理、販売管理、プロジェクト管理といったコンポーネントでサプライチェーン全体をカバー。このほか財務会計、管理会計などでも活用している。

 「クラウド化によってサーバ更改からの脱却とセキュリティの強化を図り、リソースを最適化してコスト削減とパフォーマンス改善を目指しました。また、AWSに合わせた最適化をすることで、運用の自動化・効率化、DRサイト構築による事業継続の強化も図りました」(同氏)

 SAPのAWSの移行の結果、運用コストは大幅に削減。インフラリソースの最適化によってパフォーマンスが改善し、バッチ処理は約40%削減、オンライン処理は約30%削減された。運用の効率化・自動化によってIT部門メンバーが高付加価値業務にシフトできるといった効果も得られたという。

 SAP移行と並行して実施した、製造現場のシステム刷新、IoTプラットフォーム構築、そしてデータ分析基盤構築による生産性・品質向上でも大きな成果を上げた。同社では、製造実績や品質検査データ、そして各設備の稼働実績データとプロセスデータを収集・蓄積し、工程間のデータや品質情報を紐づけて分析し、アクションにつなげるプラットフォームをAWS上に構築。これにより、PDCAサイクルを素早く、継続的に回すことができるようになり、課題の早期発見・早期解決を実現できるようになったという。

 最後に、須山氏は「クラウドによって、ビジネス環境の変化や業務改善のスピードに合わせて最適化されたインフラリソースをスピーディに低コストで手に入れることができます。柔軟にかつ容易にシステムのスケールを変更することも可能です。所有から利用へのシフトとともに、ハードウェア、ストレージ、ネットワークをソフトウェアとして扱うことで、さらなるクラウドの恩恵を受けることができます」とAWS導入の成果を強調した。

グリー:1年間で約4,000台をクラウドへ移行

グリー
開発本部
インフラストラクチャ部
シニアマネージャ
大久保将氏
グリー
開発本部
インフラストラクチャ部
シニアマネージャ
大久保将氏

 グリーの講演では、開発本部インフラストラクチャ部 シニアマネージャの大久保将氏が登壇。「グリーにおけるAWS移行の必然性」と題して、同社が実施したAWS移行の成果と移行の際のポイントを紹介した。

 世界初のモバイルソーシャルゲーム「釣り★スタ」を2007年に公開して以降、さまざまなゲームを開発、運営しているグリー。モバイルゲーム事業以外にも、バーチャルYouTuberに特化したライブエンターテインメント事業、「LIMIA」「MINE」などのメディア事業、アドテクノロジーやアドバタイジングクラウド、マーケティングクラウドを提供する広告事業などを展開する。

 そんなグリーでは、顧客サービスに利用する商用環境を1年間で約4,000台、AWSクラウドへの移行を成し遂げた。

 「移行の背景にあったのは、経営方針/事業方針の転換、サーバの老朽化、コスト削減などです。また、メンテナンスコストの上昇や、採算性の測定における納得感、クラウド事業者の値下げ傾向なども考慮しました。マネージメント課題・反対意見はありながらも、時代傾向に合わせて、大規模なクラウド移行を決行しました」(大久保氏)

 クラウドへの全面移行は大きな成果を生んだ。コスト削減効果は、平均39.1%のサーバ費用削減、月間3,000万円以上/年間3.8億円以上にも及ぶ。このほか、在庫リソース・調達リードタイムからの解放、レガシーシステムからの脱却(旧OS、旧実行環境の排除)などにより、運用コスト、管理コストが大幅に減少し、従業員のモチベーションも大きく向上した。

成功のポイントは意思決定、組織編制、事前準備

 大久保氏は、移行にあたってはその影響を「可用性」「柔軟性」「安全性」「拡張性」「組織と人の変化」「運用面の変化」の6つの観点から検討したと紹介した。

 可用性では、EC2の99.95%のサービスコミットメントについて「オンプレでもシステムは冗長化されており、許容範囲だった」と説明。また、柔軟性は「AWSは調達のリードタイム短く、また多種のインスタンスタイプが存在しており、その時々に合ったサーバ構成を取ることができ、一層のサーバ費用削減を進められるようになった」と評価した。

 安全性については「柔軟に設定でき、環境ごとの裁量である程度のセキュリティレベルを設定できること」「環境が分かれているために被害を限定的に留めることができること」「DBの管理が堅牢なこと」を評価。拡張性については「EBSとS3により、ストレージの要件が大幅に安価に緩和した」「バックアップファイルやログをS3に置き、容易に拡張できるようになった」とした。

 大きな効果としては、まず組織と人の変化について「GUIでの操作が増えたため、多くの人がインフラ作業を行えるようになった」ことを挙げた。さらに運用面の変化としては「マネージドサービスが 適応できる部分では作業がほぼなくなった」「サーバ料金が月額から従量制となり、さらなるコスト削減ができた」「スナップショットからの復旧が可能になり運用が楽になった」と説明した。

 「成功のポイントは、意思決定、組織編制、事前準備の3つにあったと思っています。計画書レビュー後はCTO直轄で進行しました。ステークホルダーが限定され、各プロジェクトがAWS移行に専念できました。組織は、縦型組織でプロジェクトマネージメントし、横串組織で高度技術課題に対応。事前の準備としては、歴史あるオンプレ環境同等の運用ツールを準備したこと、運用文化に合うモニタリングシステムを開発したことがポイントです」(同氏)

 最後に大久保氏は「今後は、残存サーバの移行やマルチクラウド対応、さらなるコスト削減に取り組んでいきます」と話し、講演を締めくくった。

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