デジタル変革の時代、光源プロダクト世界トップシェアのウシオ電機が展望する「新たな勝ちパターン」とは

ZDNet Japan Ad Special 2018年11月26日 12時00分

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[PR] 「攻めのIT経営」へとシフトしていくには、どうすればいいか、成功へのヒントをウシオ電機の事例から考察する。

ITは企業にとって、「攻め」「守り」両方の面を持つ。しかし、IT部門の人材や予算といったリソースには限度があり、これらのリソースはしばしば既存システムの保守という「守り」に費やされがちだ。その結果、「攻め」すなわち自社の今後の競争力に寄与する取り組みが難しくなってしまうという悩みがある。こうした状況から、「攻めのIT経営」へとシフトしていくには、どうすればいいか、成功へのヒントをウシオ電機の事例から考察する。

コストやスピードにはクラウドが大きく寄与する

 ウシオ電機は、グループ会社56社、従業員5,847名、連結売上高1,734億円の光の専門メーカーだ。産業用を中心に、付加価値の高い光源および自社光源を組み込んだ装置を開発製造し、グローバルに販売。エレクトロニクスや映像分野に加え、メディカルやライフサイエンス分野にも進出している。『光源から光の装置へ、そして光のトータルソリューションへ』をテーマに事業や製品領域を拡大しており、主な製品には半導体製造で用いられる紫外線ランプ、プリント配線基板用露光装置、シネマ映写機用ランプなどがある。1964年の創業以来、世界トップシェアの製品を生み出し続けてきた。

 同社のIT戦略立案・推進を担うのが、IT戦略部門だ。社長直轄の組織として、既存システムの運用保守から、ITを活用した様々な取り組みまで、つまり「守り」と「攻め」の両面を担っている。IT戦略部門ではウシオグループのネットワークインフラやグループウェアやグループ間のデータ連携システムなども担当しており、さらにグループ会社の基幹系システム導入や製造現場でのシステム導入のサポートも行っているとのこと。

ウシオ電機
IT戦略部門 部門長
須山正隆氏
ウシオ電機
IT戦略部門 部門長
須山正隆氏

 IT戦略部門の部門長である須山正隆氏は、ウシオ電機で現在の職務に就いて約3年、それまで多くの企業へのITコンサルティング業務を手掛けてきた経験を活かし、「攻め」と「守り」のIT戦略に向けた取り組みを進めてきた。

 「ビジネス環境の変化に対応するためにはスピードが求められます。さらに、勝ち残っていくためには高いサービスレベルも求められます。そして、コストも重要な要素の一つです。コスト構造の見直しや業務の効率化・自動化を推進する『守り』によって戦略的投資の余力を生み出し、企業の競争力強化や新たな価値創出を推進する『攻め』にスピード感をもって取り組んでいます。これらを同時にバランスよく実現することが重要であり、その実現にはクラウドが大きく寄与します。クラウドの活用によって、ビジネス環境の変化や業務改善のスピードに合わせて、最適化されたインフラリソースをスピーディに低コストで提供することができます。さらに、柔軟かつ容易にシステムのスケールを変更することもできます」(須山氏)

SAPの稼働実績が豊富だったこともAWSを選定した理由

 「守り」の戦略であるコスト構造の見直しでは、基幹系システムのクラウド移行が大きな柱だ。ウシオ電機の基幹系システムはSAP ERPで、ウシオ電機およびグループ会社の一部で利用している。IT戦略部門では、そのSAPの稼働環境を2017年5月にオンプレミス環境からクラウドに移行させた。

 「弊社では、5年単位でのインフラ更改のコスト負担や作業負担から脱却するため、以前からクラウド化を検討していました。また、月次や日次の夜間バッチ処理の負荷が高くパフォーマンス面での課題があり、それに合わせてサイジングすると高額な設備投資が必要になりますし、運用コストもかさみます。そこで、近年SAPの稼働を保証するクラウドサービスが増えてきたこともあり、2017年にインフラ保守契約の終了を迎えるタイミングでクラウドサービスへ移行しようと決断しました。クラウドに移行することでコスト削減、調達期間の短縮、インフラリソースの最適化とレスポンスの安定化、運用管理の効率化と自動化、インフラセキュリティの強化を実現し、さらにBCP強化を図ることにしました」(須山氏)

 基幹系システムの移行先となるクラウドについては、SAPに対応するグローバルなクラウドプロバイダーの中から検討した。コスト面でのメリットだけでなく、拡張性・柔軟性・可用性の高さ、セキュリティ関連サービス・マネージドサービス・サポート体制の充実度、当時のSAPの稼働実績の豊富さ、そしてIoT・AI関連サービスなど将来的な魅力も考慮し、アマゾン ウェブ サービス(AWS)を選定したという。

 多種多様な光機能を応用した製品やサービスを提供してきたグローバル企業の基幹系システムだけに、移行には綿密な計画、緻密な検証が不可欠だ。例えば、SAPと連携している周辺システムは非常に多く、その確認には十分な工数を掛けたという。

 「アプリケーション改修は発生しませんでしたが、SAPと連携する周辺システムが多く、移行時はインターフェースの検証に多くの工数を費やしました。既存システムの運用保守ベンダーにも協力していただき、漏れのないテストケースを作成し、稼働判定チェックリストを緻密に準備し、安全に移行できる移行計画を立て移行リハーサルを行って本番移行に臨む、こういった準備をしっかりと行うことで無事に基幹系システムの移行が完了しました。また、事前のサイジングで現行システムの稼働状況をしっかりと把握した上で最適なリソースを確保しました」(須山氏)

オンプレミス環境での様々な課題をクラウド移行で解決 オンプレミス環境での様々な課題をクラウド移行で解決
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クラウド移行と同時にBCP強化と運用自動化を実現

 ウシオ電機では今回のAWSへの移行で、基幹系システムのBCP(事業継続計画)も強化した。プライマリサイトを東京リージョンに置き、首都圏における大規模災害に備えて、緊急事態に遭遇した場合にはシンガポールリージョンに切り替えるというDRサイトを構築した。バックアップは AMI(Amazon Machine Image)、EBS(Elastic Block Store)Snapshot を利用して運用管理ツールによって自動実行し、さらにリージョン間でのコピーを日次実行し複数の世代管理を行うという形態だ。いざというときに備えるためには、定期的なマニュアルの見直しと復旧訓練が必要と須山氏は言う。

 「災害復旧における重要な指標として、RPO(Recovery Point Objective)とRTO(Recovery Time Objective)があります。弊社では、災害が発生した場合に、過去のどの時点までのデータを保障して復旧させるか(RPO)、復旧までに掛かる時間はどれだけか(RTO)の目標値を設定し、災害復旧マニュアルを作成し、しっかりとリハーサルを実施しました。AWSの仕様が変更になることも考えられるため、定期的なマニュアルの見直しと復旧訓練が必要です」(須山氏)

 AWSへの移行と同時に取り組んだことは他にもある。バックアップ、リカバリ、リストア、システム監視などに関わる運用の見直しと自動化だ。クラウド移行と同時に実行したことで大きな投資対効果を得られたと須山氏は言う。

 「従来と比べて大幅な運用コスト削減を実現できたのは、AWSのリザーブドインスタンスの活用による効果も大きいですが、既存のシステム運用の見直しと運用の自動化を積極的に行ったことが大きく寄与しています」(須山氏)

 さらに、単に運用コストが削減しただけでなく、システムのパフォーマンスも向上したと須山氏は言う。

 「運用コストが削減した上に、インフラリソースの最適化によってパフォーマンスが向上し、バッチ処理は約40%削減、オンライン処理は約30%削減されました。そのため、以前は就業開始時間にまでずれ込むことのあった夜間のバッチ処理が短縮され、処理が間に合わないという不安や間に合わなかった時のフォロー対応が無くなったという効果もありますね」(須山氏)

クラウドのメリットを享受し「守り」のITから「攻め」のITへ

 ウシオ電機では、基幹系システムであるSAPのAWS移行が無事に完了したことを受け、他のオンプレミスシステムのAWS移行を進めている。

 「オンプレミスシステムのAWS移行を進めるにあたり、現行のシステム要件・構成を精査し、AWSへの移行可否や移行した場合のメリット・デメリットを整理し、最適な運用環境であるかどうかを総合的に判断した上で移行対象のシステムを決定しました」(須山氏)

 クラウドによって、ビジネス環境の変化や業務改善のスピードに合わせて最適化されたインフラリソースをスピーディかつ低コストで手に入れることができると須山氏は言う。

 「クラウドでは、インフラリソースの調達期間も大幅に短縮されます。システムの非機能要件に応じた性能と台数の仮想サーバを管理コンソールから容易に選択できますし、OSの選択肢、ストレージの選択肢、購入オプションの選択肢も豊富にあり、効率よく構築できます。開発・検証環境の確保や削除も自在にできるようになり、オンプレミスとはスピード感が違います。さらにマネージドサービスを利用することで、システム運用の負担とリスクが大幅に削減できます」(須山氏) 須山氏はクラウドのさらなるメリットを挙げる。

 「こうしたインフラを用意する際に、インフラ担当エンジニアだけでなく、アプリケーション担当エンジニアが担当できるようになったこともクラウドの大きな利点です。ソフトウェア・デファインド技術によってすべてソフトウェアとして扱えるようになり、APIを活用することでインフラ運用保守もコード化が可能です。非機能要件もオンプレミスシステムと違って後から容易に調整できます」(須山氏)

 様々なシステムのAWS移行に取り組み、「守り」のITのコスト構造の見直しや運用の効率化で得られた原資や人的リソースを「攻め」のITへの戦略的投資に振り向けることができるようになった。

SAPのAWS移行による効果 SAPのAWS移行による効果
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「攻め」と「守り」のITをバランスよく実現する

 「守り」のITのコスト構造の見直しで得られた原資をもとに推進している取り組みの一つが、データ活用だ。基幹系のSAPはもちろん、工場内の製造実績や検査結果、設備の稼働実績やプロセスデータなどをクラウドへ一元的に収集・蓄積・分析する仕組みが構築されている。国内の主力生産拠点だけでなく、海外生産拠点にも展開を進めているという。

 「データが一元的に管理され、各工程のデータの紐付けができるようになれば、トレーサビリティ確保が実現でき、工程内不良の原因調査や影響範囲の見極めが容易になりますし、品質安定化に向けた分析や対策立案に役立つ情報の確保も容易です。製造現場ではこのシステムを活用しトレーサビリティ確保や品質安定化だけでなく、ロスコスト削減、生産リードタイム短縮、設備管理の高度化など様々な改善活動に取り組んでいます。また、クリーンルームに配置したセンサーから環境に関わるデータを収集し、品質管理を徹底するとともに、工場内の電力センサーデータと紐づけて電力の最適化・削減にも取り組んでいます」(須山氏)

 ウシオ電機では新たなシステム基盤にクラウドを利用しており、迅速かつ低コストに構築でき、運用コストもオンプレミスより大幅に抑えられている。つまり、「攻め」のITのためのスピード感や柔軟性をもたらしたと言えるだろう。

 ウシオ電機では今年度、新たな取り組みとしてRPA導入を進めている。すでに一部の業務がRPAに置き換わっており、ソフトウェアのロボットに業務を委ねることで創出できる余力時間を使って、付加価値の高い仕事への人員シフトを進めていく計画だという。

 「社長直轄部門ならではの立場として事業部門との協力体制を築き、業務改善を念頭に置きつつRPA導入を進めています。新しい取り組みには、コストと人的リソースが必要です。その確保のためにも、基幹系などのシステムをAWSに移行させ、余力を捻出してきました。『攻めと守りのITをバランスよく実現する』というのが我々の戦略です」(須山氏)

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