クラウドが支える「ものづくりの現場」のデータ活用、そのエッセンスを実例で理解する

ZDNet Japan Ad Special 2018年11月30日 16時00分

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[PR]製造業ではIoTとデータ活用という組み合わせが注目されているが、関連ソリューションを提供する企業が登壇したセッションでは、「ものづくりの現場」でのデータ活用のノウハウやヒントが披露された。

ZDNet JapanおよびAWS Partner Networkの主催で、クラウドの中心的存在である「アマゾン ウェブ サービス(AWS)」をテーマにした全6回のオフラインセミナーが開催された。2018年10月25日に実施の第3回のテーマは「データ活用」。製造業ではIoTとデータ活用という組み合わせが注目されているが、関連ソリューションを提供する企業が登壇したセッションでは、「ものづくりの現場」でのデータ活用のノウハウやヒントが披露された。ここではその内容をレポートする。

ブレインズテクノロジー:製造業での機械学習は今後も高い成長が続く

ブレインズテクノロジー
取締役/技術責任者(CTO)
中澤宣貴氏
ブレインズテクノロジー
取締役/技術責任者(CTO)
中澤宣貴氏

 ブレインズテクノロジーのセッションでは、取締役/技術責任者(CTO)の中澤宣貴氏が登壇。「IoTにおける機械学習を活用した異常検知の適用シーン」と題して、IoT分野で機械学習が価値を提供するシーンや機械学習活用のポイントを紹介した。

 同社は、オープン技術で革新的なサービス・技術を創り上げて企業活動の生産性を劇的に向上させることをミッションに掲げ、AI分野の技術を軸にした企業内全文検索エンジン「Neuron」や、機械学習を活用したセンサーデータマイニング・マシンログに基づく故障分析・予測システム「Impulse」を提供している。

 中澤氏はまず、異常検知は「古くから統計や機械学習の応用先として研究されてきたテーマで、期待されるパターンやデータセットと一致しないアイテム、イベント、観測を識別すること」であり、機械学習の遠隔モニタリング系の応用は異常検知に属して「IoT応用の中でも花形」だと紹介。製造業における機械学習のトレンドについて「予知保全や品質最適化、プロセス可視化/自動化の適用事例が多く、今後も高い成長が見込まれる」と解説した。

 「現場で機械学習を適用する場合、デバイス選択やクラウド活用、分析の技術やノウハウの不足などさまざまな課題に直面します。これらを解消するのがImpulseです。200種類以上のPLCともシームレスに接続し、アルゴリズム、モデルの自動選択で、だれでも簡単に機械学習を活用した分析が始められます」(中澤氏)

今あるデータと仮説でPoCすることから始める

 中澤氏はImpulseの利用シーンとして、システムリソース・ログデータ分析による「サイレント障害検知」、センサーデータ分析による「故障予兆検知・不良品検出」、端末操作ログ分析による「不正ユーザー振舞い検知」を紹介。製造業のさまざまな課題に対応できることを強調した。

 事例としては、プラントの異常予兆検知を行うJFEエンジニアリング、工場内に設置されたボイラーの異常検知に活用する明電舎、設備センサーデータによる予兆検知を行う大手電気・ガス事業者などを取り上げた。また、品質管理とプロセス改善の事例としては、製品完了検査における不良品検出に役立てている大手製造業や、組み立て工程における製造条件分析を行っている大手製造業などがあるという。いずれもAWSを基盤にすることで、安定したリアルタイム処理を実現していることが特徴だ。

 最後に中澤氏は、「AI活用は仮説&検証のトライ&エラーを回していくことが重要です。分析してみると、新たな発見があることが多い。まずは、今あるデータと仮説でPoCすることから始めることをおすすめします」と述べ、クラウドと特化型AIによってスモールスタートが容易になっていることをアピールした。

Impulseの利用で簡単に機械学習を活用した分析が始められる Impulseの利用で簡単に機械学習を活用した分析が始められる
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シーメンス:Industrie 4.0が必要なのは競争力強化のため

シーメンス
デジタルファクトリー事業本部
クラウドアプリケーショソリューション部
部長
角田裕也氏
シーメンス
デジタルファクトリー事業本部
クラウドアプリケーショソリューション部
部長
角田裕也氏

 シーメンスのセッションでは、デジタルファクトリー事業本部クラウドアプリケーショソリューション部 部長の角田裕也氏が登壇。「デジタライゼーション実現~モノ、プラント、システム、そしてマシンをつなぐ製造現場革命」と題して、ドイツにおけるIndustrie 4.0の動向やそれらを支えるソリューションとして「MindSphere(マインドスフィア)」を紹介した。

 シーメンスが本拠を置くドイツは、Industrie 4.0としてIoTやAIなどのデジタル技術を製造業に適用する取り組みが国を挙げて進められている。角田氏はその背景として「市場に対して、より早く、顧客の好みに合った製品を、コストミニマムで提供することが強く求められています。これらを実現するには、包括的な取り組みで最先端のテクノロジーと製造バリューチェーンの融合を推進する必要があります」と解説した。

 シーメンスは2000年頃からバーチャルとリアルを融合するためのポートフォリオを拡充し、こうした取り組みを支援してきた。そして、製造業でのIoT環境の構築にフォーカスしたクラウドベースのオープンIoTオペレーティングシステムがMindSphereだ。AWSのクラウドインフラを活用できるOSとしての「MindSphere」、そのうえで動くアプリケーションとなる「MindSphere Application」、製造装置をはじめとする既存のさまざまな機器やデバイスと接続するためのコネクタ「Mindconnect」で構成される。

IoTへの取り組みを強力に支援、日本でも多くの採用実績

 MindSphereの特徴について、角田氏は次のように説明する。

 「機器やデバイスとの接続にはオープンスタンダードなプロトコルを活用します。シーメンスやサードパーティ製品でプラグ&プレイ接続が可能となっていますし、データは暗号化された通信で保護します。アプリケーションはシーメンスやパートナー、自社開発のものを利用でき、料金もわかりやすい定額課金モデルです」(角田氏)

 実績も豊富で、生産設備のモニタリングに活用している飲料品製造メーカー、モーターの稼働監視を行い運転状況を見える化している鉄鋼メーカー、バゲッジシステムの予知保全を行っている国際空港などがある。

 国内での導入実績としては、石川県を本拠に各種制御盤の設計製作・ソフト開発を行っているアイデンの事例を紹介した。同社では、国内に2箇所の営業所と、日本とベトナムに製造拠点を2拠点展開している。分散した拠点のさまざまな機器をMindSphereを使って接続し、統合的な状態監視と稼働監視を実現している。

 角田氏は、機械メーカーやエンドユーザーでの実績を示しつつ「MindSphereはビジネスバリューを向上させます」とアピールし、講演を締めくくった。

ABEJA:これまでに100社を超える企業のAI実装を実現

ABEJA
ABEJA Platform Annotation事業責任者
寺本拓磨氏
ABEJA
ABEJA Platform Annotation事業責任者
寺本拓磨氏

 ABEJAのセッションでは、ABEJA Platform Annotation事業責任者の寺本拓磨氏が登壇。「製造業でこれから集めるべきデータとは。実ビジネスへのAI適用とその正攻法」と題して、製造業でAIを活用していくためのノウハウを、データに焦点を当てて解説した。寺本氏が責任者を務めるAnnotation(アノテーション)事業は、機械学習/深層学習のモデルに学習させるための教師データ作成ツール・データ作成委託サービスを手がける。

 ABEJAは、AIの中でも特にディープラーニングに注力し、さまざまなビジネスの創出を実現しているベンチャー企業だ。AIの開発・運用を一貫して実装するためのPaaS、プラットフォーム「ABEJA Platform」と、ABEJA Platformを利用して小売業や製造業などの業種ごとに最適化したSaaSの「ABEJA Insight」2つの主軸サービスをAWSを活用して提供し、これまでに100社を超える企業のAI実装を実現してきた。

 寺本氏はまず、AIビジネスは先進国を中心に多額の投資が行われ、世界的に活況を呈していると説明。例えば、米国は5,000億円、中国は4,500億円規模の政府予算を投じ、民間レベルでも米国で7兆円以上、中国で6,000億円以上の投資額に及ぶ。日本は政府投資が770億円、民間投資が6,000億円以上とやや出遅れ感があるものの、積極的な姿勢に変わりはない。

データ視点を切り口に新しいビジネスを構築する

 その背景には「AIビジネスは、いち早く結果を出した企業、新技術をどのビジネスにフィットするのかを早期につかみとった企業が勝利する」という原則があるためだ。とはいえ、寺本氏は「投資が加速し、多くの活用事例が登場しましたが、まだまだ産業別の事例が出そろったわけではありません。あらゆる企業が機械学習/深層学習のビジネスへの応用を模索しています。なかには“PoC地獄”に苦しんでいる企業もあります」と指摘する。

 そんななかカギになるのが「データ視点を切り口にいかにビジネスを構築できるか」だという。寺本氏は、小売向けサービスABEJA Insight for Retailを採用したアパレル企業の例を挙げながら「AIビジネスの正攻法」を3つ紹介した。

 それは「新規に取得するデータから新しい情報を抽出すること」「人間には作成が難しいデータを考案し、熟練が必要な希少価値の高いデータ作成業務に着目すること」「既存データや他のプロジェクト、他の企業とのデータの組み合わせからビジネスを考えること」だ。寺本は、それぞれについて具体的なビジネスを作るためのノウハウとエッセンスを紹介し、「学習モデルとデータは密接な関係にあります。これら3つを軸にAIビジネスを成功に導いてください」とアドバイスした。

ABEJA Platformはさまざまなビジネスの創出を支援 ABEJA Platformはさまざまなビジネスの創出を支援
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