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記事集:クラウドのネットワーク監視

【開幕対談】AWS × ZDNet Japan データは会議室ではなく現場でこそ活躍する! データ活用文化を根付かせるIT投資のありかたを考える

ZDNet Japan Ad Special

2020-01-09 11:00

[PR]ZDNet Japanにて開催されたAWSセミナー2019の第4回目講演レポート。

これまでデータは、一部の経営層だけが「経営ボード」などで活用するものだった。しかし、データを求めているのは、製造ラインや店頭、提案の場など業務の最前線、つまり「現場」だ。「現場」がデータを活用し、そこから価値を見いだせるようにするために、ITが果たす役割は何か。ZDNet Japan編集長の國谷武史が、AWSでISV/SaaS ビジネス推進部 部長を務める岡﨑貴紀氏に、データ駆動型ビジネスを実現するITのミッションとデータ活用の本当の価値について聞いた。

デジタル活用の目的を明確にする

 IoT(Internet of Thing)やコネクテッドデバイスなどの普及で、企業が所有するデータ量は爆発的に増加している。クラウド上でデータレイクを構築し、あらゆるデータを一元的に格納している企業も多い。岡﨑氏は「データのトレンドで注目すべきは、データとデータベースの“タイプ”が変わってきたことだ」と指摘する。

 従来はリレーショナルデータベース(RDB)でデータ分析することが主流だった。しかし、現在はさまざまなタイプのデータに対応し、目的用途に合わせたデータベースが登場している。AWSでもリレーショナルデータベースの「Amazon Aurora」「Amazon RDS」「Amazon Redshift」をはじめ、キーバリュー型データベースの「Amazon DynamoDB」、インメモリデータベースの「Amazon ElastiCache for Memcached」「Amazon ElastiCache for Redis」などをリリースしている。

アマゾン ウェブ サービス ジャパン株式会社 ISV/SaaS ビジネス推進部 部長 岡﨑貴紀氏
アマゾン ウェブ サービス ジャパン株式会社
ISV/SaaS ビジネス推進部 部長 岡﨑貴紀氏

 データとデータベースの種類が豊富になる中、ユーザー企業が直面する次なる課題はデータプラットフォームの整備である。國谷は「クラウド上でのデータ活用基盤整備は、ユーザー企業にとってかなりハードルが高いのでは」と水を向けた。

 これに対し岡﨑氏は、「多くの企業では、SaaS(Software as a Service)の利用が浸透してBIツールも現場(ユーザ部門)主導が増えている。こうした要望に対して情報システム部門は、現場がほしいデータを適切な形で提供できる環境を構築することが求められている。」と指摘した。

 岡﨑氏は、「『データソースとデータの整合性』を判断するのは、情報システム部門の“務め”」だと説明する。現場からは、目的や意図を説明することもなく、曖昧に「こんなイメージでとりあえずデータがほしい」と言われることも多いからだ。

 取得できるデータの種類・量が爆発的に増加する中で、「すべてを蓄積する」のはコストがかかる。これはオンプレミスでもクラウドでも同様だ。データ分析の目的を明確にしたうえで、データを「保持するか・捨てるか」の判断は常に心がける必要がある。國谷は、「データ活用事例などの取材をしていると、『データを集めたはいいが、データの整理ができず、どのように活用してよいかわからない』という声を聞く」と語る。

 これに対し岡﨑氏は、「そもそもアプローチが逆で、何を目的にデータを収集するかアウトプットのイメージを持って、データを収集しないと無意味になる。例えば、結果、トレンド、気づきの3つの観点で結果の良し悪しを見るのか、時系列のトレンドで良し悪しを見るのか、異常値を見つけるために見るのかユーザー部門もデータに対する意識を変えていく必要がある」と述べた。

 もう1つ、データプラットフォーム整備のポイントとしては、クラウド環境ならではのサイジングをしないでよいメリットを最大限に活かすことが重要だという。

 オンプレミスの場合にはピーク時を基準にサイジングする必要があるが、クラウドはその必要がない。ピーク時にはインスタンスのスケールを変更するだけだ。岡﨑氏は、「クラウドの『使ったぶんだけ課金』は、データ分析と相性がよい。先ほどと真逆に聞こえると思いますが、データが時系列に蓄積することで分析に使えるデータになることもあるため、分析イメージがつかない場合は、様々なタイプのデータをまずはデータレイク基盤に蓄積してみることも重要です。AWSでは様々なタイプのストレージを用意することで、データ資産を活かす支援もしています。」と説明した。

組織階層に応じた正しいアクセス権を設定する

 続いて國谷は、クラウドにおけるデータガバナンスやコンプライアンスについても言及した。2019年12月、AWSは米国ラスベガスで開催した自社イベント「re:Invent 2019」において、アクセスコントロールの強化など、セキュリティ機能に関する数多くの発表をおこなった。同イベントに参加した國谷は、ユーザー企業はセキュリティやコンプライアンスについてどのような考えを持っているのかを質問した。

 岡﨑氏は「DWH上にあるデータは(元データではない)そもそも分析用に加工されたデータであり、データが消滅しても(コンプライアンス的な)問題はない」と、データセキュリティの課題を整理する。そのうえでユーザーが留意すべきは、「正しいアクセス権の設定だ」と指摘。

 「データ活用の目的が明確でなければ、どのユーザーが、どのデータにアクセスできるのかを設定できない。機密情報に対してどのようにアクセス制限をかけるのか。組織階層に合わせてアクセス権を設定する必要がある」(岡﨑氏)

 データ活用成功のカギを握るのは、情報システム部門よりも、現場の意識によるところが大きい。岡﨑氏は、「各事業部で活用する必要なデータソースがどれかは現場が決めることだ。情報システム部門の役割は、現場から要求されたデータがどこに格納されているのかを公開し、活用しやすい環境をつくること。どこに/何のデータが/正しくインプットされているかを可視化することは重要で、最近はETL(※)を提供するベンダーがメタデータを抜き出してデータの可視化を支援する動きもあり、データ活用に役立っている。」との見解を示した。

データ活用の未来像は…

 國谷は、今後のデータ活用に対するニーズについても質問した。AI(人工知能)やML(機械学習)の活用機運は高まっている。ただし、AIやMLの導入で、自社のビジネスにインパクトを与えている企業は決して多くない。

朝日インタラクティブ株式会社 ZDNet Japan 編集長 國谷武史
朝日インタラクティブ株式会社
ZDNet Japan 編集長 國谷武史

 岡﨑氏は製薬・創薬といった研究開発のプラットフォームにAWSのハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)が活用されていたり、自動車などの設計開発における製品の性能や行程設計の事前の検討をサポートするCAE(Computer Aided Engineering)/HPCアプリケーションでAWSのクラウドサービスが採用されていたりする例を紹介しながら、「こうした分野ではある程度ロジックも明確になってきており、AIやMLに対するニーズも高く、そのメリットも多い」と指摘する。そのうえで、一般的なBtoBのデータ分析の領域では、まずデータを可視化し、そこからどのような知見を得たいのかを明確にすることが最初であり、AIやMLの活用はその次だとの見解を示す。

 もちろん売上予測(Forecast)などは、AIやMLで置き換えることも可能であるが、BtoBの一般的な営業部門のデータ活用では、AIやMLの活用はまだ先の話だという。

 たとえば、SFAで多くの営業担当者がデータ活用に求めるのは、営業が行動する上での優先順位を明確にするためである。「結果」「トレンド」「抜け漏れ」など営業に気づきを与える可視化は重要だが、こうしたデータは、該当部分のデータを可視化し、必要に応じて集計・分析すればよい。営業は機械ではないので、ロジックが読み取れない営業感覚を置き換えるという意味においてAIやMLの活用は、必ずしも必要とされていない。

 さらにデータはシナリオによって様々な角度から切り出せる。言い換えればデータは目的に合わせて恣意的に抽出・加工することが可能だ。データ活用が進めば進むほど、「その分析結果や表やグラフで着目したポイントは本当に正しいのか」を多面的に見分ける力が求められる。岡﨑氏は「目的としている“解”を導き出したデータとして正しいのか分析プロセスを評価することをプロセスに組み込むことも必要だ」と指摘する。

 最後に國谷は、「現在はデータ駆動型ビジネスを構築していくスタート地点にいる。データ活用に対する取り組みが、企業の将来を左右するのは間違いない」との見解を示し、対談を締めくくった。

※ETLとはExtract(抽出)、Transform(変換)、Load(ロード)の略称で、複数のシステムに含まれているデータを抽出し、変換と加工をおこなったうえでデータの集積をおこなうデータウェアハウスへ渡す処理、またはソフトのことを表します。

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