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全社横断型のデータ分析基盤の実現したコーセーのデータドリブン戦略とは

ZDNet Japan Ad Special

2020-01-09 12:00

[PR]ZDNet Japanにて開催されたAWSセミナー2019の第4回目講演レポート。

コーセーは、2017年に全社横断型のデータ分析基盤「KOMPAS(KOSÉ Marketing Platform for Advanced Strategy)」をAWS上に構築した。社内のあらゆるデータを1つに集約し、すべての部門が必要な情報を適切に活用できるようにすることが目的だ。基盤構築でこだわったのは、「インハウス開発の風土づくり」である。経営の根幹を支えるITを“外部任せ”にせず、クラウドのメリットを最大限に活用しながら、IT人材の開発スキル向上にも努めた。セッションではコーセーで情報統括部 執行役員を努める小椋敦子氏が、データ駆動型ビジネス実現までの道のりを紹介した。

集計ロジックの差異が分析結果にばらつきを…

 1946年創業のコーセーは、化粧品の製造販売を手掛ける老舗企業だ。2018年度の売上げ実績は3329億円で、6年連続で最高売上げを記録している。「世界で存在感のある企業への進化」を目指す「VISION 2026」を掲げ、創業80周年を迎える2026年までに売上高5000億円を達成する目標を掲げている。

 同社がAWSを利用し始めたのは2012年。その2年後には全社横断型のデータ分析基盤に着手する。その当時に抱えていた課題を、小椋氏は以下のように説明する。

株式会社コーセー 情報統括部 執行役員 小椋 敦子氏
株式会社コーセー
情報統括部 執行役員
小椋 敦子氏

 「社内に複数の情報システムが散在していたため、管理費が増大していました。また、システム老朽化やリソース不足による動作の遅延、メンテナンスコストの増大といった問題も発生していました。しかし、なにより課題だったのは、マーケティングデータ分析のニーズに対応できておらず、データ分析に“ばらつき”が生じてしまっていたことです」(同氏)

 事業拡大に伴い、各部門が独自の分析ツールを導入した結果、社内で異なる分析ツールが乱立し、データが複数のシステムに散在してしまった。その結果、同じ抽出条件でデータを集計して分析しても、集計ロジックが異なるため、違う分析結果が導き出されてしまっていたという。

 情報システムが散在する課題に対しては、プラットフォームを統合することで、解決の糸口を見つけた。さらに、データを統合し、情報の可視化と共有促進を図ることで、各部門が適切にマーケティング分析できるような環境を整えた。また、集計ロジック分散で分析結果に差異が発生する課題には、最新トランザクションデータからの都度集計を実現する環境を整えた。

IT環境は自社で管理する

 コーセーは、データ分析基盤のデータウェアハウスサービスに「Amazon Redshift」を採用した。データの統合とシステム構築で心がけたのは、「内製化」だ。事前に社内でPoCを実施し、基盤構築後に内部で開発・運用できるようにした。小椋氏は、「データ分析基盤構築プロジェクトの後半では、(自分達で開発・運用ができるよう)社員へのスキルトランスファーもプロジェクトの一環としました」と説明する。

 その背景には、小椋氏の「ITは経営を支える根幹であり、インフラ管理やセキュリティ対策など、社内のIT環境は自社内で責任を持つようにすべきだ」との想いがあったからだ。「SaaS(Software as a Service)の活用や、(サービスの)組合せ・連携といった決定は(外部のSIer任せにせず)社内で主導権を握るようにしました。現在は、ITシステムの開発・運用で標準化を進め、徹底的に生産性の向上を目指すようにしています」(小椋氏)

 データ分析基盤「KOMPAS」には出荷実績や在庫情報、EC販売情報、POS情報などをはじめ、販売促進や宣伝情報、CRM情報、品質情報なども随時統合している。小椋氏は、「KOMPASのシステム構成は非常にシンプルです。『全社員が使える』をコンセプトに、全社員が必要なデータを基に簡単に分析操作ができる仕組みを構築しました」と説明する。

 コーセーでは各営業担当者にiPadを配布している。データ分析基盤ができたことで営業担当者は、在庫情報やその店舗の販売実績など最新データをiPadで確認しながら、取引先での営業交渉ができるようになったという。

 データ活用のスタイルとニーズは部門によって異なる。例えば、定型帳票を日次で確認すればよいような部門に対してはIT部門がデータを集計し、PDFファイルにして提供している。一方、複数のデータを横断的に掛け合わせ、繰り返し分析するような場合には、機能が豊富なBIツールが活用できる環境を整備した。

 こうした使い勝手のよさから、ユーザーは徐々に増加している。導入当初は1日の平均利用者数は50人で、ピーク時の同時接続は15セッションだった。しかし、現在では1日に平均400人が利用し、ピーク時のセッションは100セッションに増加したという。

デジタルマーケティング部門とIT部門がタッグを組んで
データ駆動型ビジネスを加速

 さらにコーセーでは2018年4月にデジタルマーケティング事業部を設立し、デジタルマーケティング基盤DMP(Data Management Platform)の仕組みも構築した。その目的は、これまでブランドごとに実施していたマーティング施策をブランド横断的に実施し、顧客に対してダイレクトアプローチをすることだ。具体的にはメール配信やダイレクトメールの発送、SNS配信などを一元的に実行する。DMPにはサイトアクセスログなどの非構造化データのほか、サードパーティデータも取り込んでいく。

 DMPの構築でIT部門は、インフラ整備やセキュリティ対策、データの連携、システムの全体構成の構築といった部分を担当している。小椋氏は、「IT部門とデジタルマーケティング事業部でタッグを組み、マーケティング施策はもちろん、人材育成や技術の取得、戦略策定を推進しています」と説明する。

 コーセーは2019年12月、銀座にデジタルマーケティングを活用したコンセプトショップMaison KOSÉをオープンした。そこでは、肌診断機器やネイルプリンターといった新たなデジタル技術を来店客に体験してもらいながら、フィードバックを得、次のマーケティング施策に活かす。小椋氏は、「オフライン店舗だからこそ、お客様の“生の声”を聞くことができます。そうしたお声を収集しながら(データ分析を実施して)顧客接点の強化を実現し、次のビジネスに活用します。こうしたPoC(Proof of Concept:コンセプト実証)が実施できるのも、統合データ基盤があってこそです」と訴えた。

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