第2フェーズに入るIoT クラウドとの組み合わせが重要になるエッジコンピューティングとは何か?

ZDNet Japan Ad Special 2018年12月10日 13時00分

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

[PR]世界各地で数多くの概念実証(PoC)が展開されてきたIoTは、これから本格導入フェーズに入ろうとしている。そこでは従来のエンドポイントとクラウドではなく、エッジコンピューティングの組み合わせが注目されている。

世界各地で数多くの概念実証(PoC)が展開されてきたIoTは、これから本格導入フェーズに入ろうとしている。そこでは従来のエンドポイントとクラウドではなく、エッジコンピューティングの組み合わせが注目されている。

 IoT(モノのインターネット)の世界は、ネットワークに接続されたエンドポイントデバイスとそのデータを活用して、問題や課題の解決、あるいは新しいサービスやビジネスモデルを開発、提供することにより、価値を創出していくものだ。これまで世界各地で数多くの概念実証(PoC)が展開され、これから本格導入フェーズに入っていく。そこで現在、注目されているのがエッジコンピューティングである。

クラウドとエッジのコンビネーションが鍵になる

 HCLテクノロジーズでエンジニアリング R&Dサービス コーポレート・ヴァイスプレジデント IoTビジネスヘッドを務めるSukamal Banerjee氏は、IoTの意義について、IT(Information Technology:情報技術)とOT(Operation Technology:制御技術)が連携するエンドユーザーコンピューティングを実現させることにあると話す。

HCLテクノロジーズ エンジニアリング R&Dサービス コーポレート・ヴァイスプレジデント IoTビジネスヘッドのSukamal Banerjee氏
HCLテクノロジーズ エンジニアリング
R&Dサービス コーポレート・ヴァイスプレジデント
IoTビジネスヘッドの
Sukamal Banerjee氏

 同氏によれば、世界各地で取り組まれているIoT事例の多くは、OT側で始まりながらもITへ展開することによって、その目的を実現していくアプローチがとられている。当初は、エンドポイントデバイスが生成するデータをネットワーク経由でクラウドのデータセンターに集約し、アナリティクスなどを通じて活用していくというアーキテクチャが主流になると見られた。しかし、PoCなどが重ねられた結果、現在ではデータを一気にクラウドへ集めるのではなく、エッジを組み合わせる分散型アーキテクチャが適しているとの認識が広まり始めている。

 「当初のIoTではクラウドが主要なけん引役になると期待されたが、テクノロジを最適な形で実装していく過程において、クラウドとエッジのバランスを取る必要性があるとの考え方に進化している」(Banerjee氏)

 IoTの世界におけるエッジとは、実際にはユースケースによってその定義が異なってくる。例えば、既にある工場の生産ラインの制御システムにセンサとネットワーク接続を付加するようなシーンでは、エッジ側である程度のデータ処理を行い、必要に応じてクラウド側にもデータ処理を展開していく形だ。一方、自律運転車の制御といったエンドポイント側でデータの超高速処理を必要とするケースでは、エンドポイントデバイス自体が、ほぼエッジの役割を担うことになる。

 「エンドポイントとエッジ、クラウドという基本的な原理は同じだが、データをどのようにアグリゲーションしていくのかといったようなアーキテクチャはユースケースのシナリオによって大きく異なる。デバイスの所在や情報、そして既に接続済み(コネクトテッド)か新たに接続を開始するのか、といった実装を踏まえて採用するアーキテクチャやエッジの役割を考慮する必要がある」(Banerjee氏)

HCLが提唱するエッジのアーキテクチャ

 エッジの実装アプローチは、その目的に応じてさまざまだが、HCLテクノロジーズでは「デバイス」「通信」「情報」「機能」の4つのレイヤと、これらをつなぐ「セキュリティ」「プロセス」の2つのイネーブルレイヤから構成されるエッジアーキテクチャを提唱している。4つのレイヤがエッジに求められるコンピューティングの基本的な役割を担い、2つのイネーブルレイヤがエッジにまつわるリスクへの対応とマネジメントを担う。

 当然ながらエッジを安定かつ安全に運用するには、セキュリティをはじめとする各種のリスクを考慮しなければならない。接続をしていない状態なら物理的なリスクがあり、接続している状態ならサイバー攻撃のようなサイバーのリスクにさらされるため、エッジの環境に応じたアプローチを講じる必要がある。

 「例えば、モバイルデバイスでは国境をも超える移動に伴って接続形態が変化する。コネックテッドカーのようなケースなら、デバイス間の近接通信や携帯電話網を介したクラウドへの接続といったように複雑性を伴う」(Banerjee氏)

 HCLテクノロジーズの提唱するアーキテクチャでは、例えば、デバイスレイヤにおけるゲートウェイ、通信レイヤにおけるプロトコル、情報レイヤにおけるデータ、機能レイヤにおけるアプリケーションに対して、セキュリティレイヤから脅威の侵入防御や暗号化といった保護を提供し、その状況の監視や制御、管理などをプロセスレイヤで実施していく。

 Banerjee氏によれば、具体的な実装はエッジのユースケースや環境、プロセスに応じて講じることになる。ポイントは、リスクに1つの方法で対応するのではなく、多段的な方法を講じる点だ。例えば、デバイスレイヤにおけるハッキング対策が万一突破されても、情報レイヤにおけるデータの暗号化あるいは機能レイヤにおけるアプリケーションの不正実行を阻止するといった複数の異なる対策を組み合わせてセキュリティリスクを低減させる。

 加えて、地域や業界ごとに異なる規制やコンプライアンス、ルールも考慮しなければならない。例えば、欧州では「一般データ保護規則」における個人情報やプライバシーデータへの配慮が必要であり、医療業界であれば非常にセンシティブな健康データの保管といったレベルにまで対応することが求められる。ここでは企業がIoTを通じて実現するビジネスモデルやサービス、プロダクトと、それに伴う規制やコンプライアンス、ルールに対応したアプローチをしていく。

日本はIoTを主導できる環境が整っている

 先述のようにIoTは、これまでのPoCを踏まえていよいよ本格実装のフェーズに入っていくが、Banerjee氏によれば、世界的に見て日本は、既にIoTに必要なテクノロジや企業が蓄積する知見が豊富にあり、「さまざまなユースケースをすぐに具現化していける水準であり、世界をリードしていける可能性を秘めた非常に有望な市場だ」という。

 IoTの取り組みを検討している企業にとって、今後はエンタープライズアーキテクチャに基づくITシステムにIoTのシステムをどう取り入れ、対応していくかが焦点になるだろう。クラウドやソフトウェアによるITリソースの仮想化や集約と統合的な運用管理への取り組みを進める中で、エッジを含む新たな仕組みを実装するには、やはり経験の豊富なパートナーの力を活用したいところだ。

 HCLテクノロジーズは、ワールドエコノミックフォーラムのIoT/サイバーセキュリティ部会への参画を通じたIoTの安全な利用を実現していくための環境づくりをはじめ、グローバルでさまざまな企業におけるIoTの取り組みを支援してきた経験を有する。そして、エッジなどIoTに求められるパフォーマンスや管理性、セキュリティに対応可能なプロダクト、サービス、コンサルティングメニューをそろえる。

キャプション

 「エッジコンピューティングは非常にエキサイティングな分野であり、ITとOTの統合を実現するパラダイムシフトを迎えている。新しいことは素晴らしい価値をもたらし、それがエキサイティングであれば、誰しもが受け入れるだろう。もちろん不安もあるが、データがもたらす新しい世界の実現に向けて、われわれも最大限サポートしていく所存だ」(Banerjee氏)

ZDNet Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

この記事を読んだ方に

連載

CIO
ITアナリストが知る日本企業の「ITの盲点」
シェアリングエコノミーの衝撃
デジタル“失敗学”
コンサルティング現場のカラクリ
Rethink Internet:インターネット再考
インシデントをもたらすヒューマンエラー
トランザクションの今昔物語
エリック松永のデジタルIQ道場
研究現場から見たAI
Fintechの正体
米ZDNet編集長Larryの独り言
大木豊成「仕事で使うアップルのトリセツ」
山本雅史「ハードから読み解くITトレンド放談」
田中克己「展望2020年のIT企業」
松岡功「一言もの申す」
松岡功「今週の明言」
内山悟志「IT部門はどこに向かうのか」
林 雅之「デジタル未来からの手紙」
谷川耕一「エンプラITならこれは知っとけ」
大河原克行「エンプラ徒然」
内製化とユーザー体験の関係
「プロジェクトマネジメント」の解き方
ITは「ひみつ道具」の夢を見る
セキュリティ
エンドポイントセキュリティの4つの「基礎」
企業セキュリティの歩き方
サイバーセキュリティ未来考
ネットワークセキュリティの要諦
セキュリティの論点
スペシャル
エンタープライズAIの隆盛
インシュアテックで変わる保険業界
顧客は勝手に育たない--MAツール導入の心得
「ひとり情シス」の本当のところ
ざっくり解決!SNS担当者お悩み相談室
生産性向上に効くビジネスITツール最前線
ざっくりわかるSNSマーケティング入門
課題解決のためのUI/UX
誰もが開発者になる時代 ~業務システム開発の現場を行く~
「Windows 10」法人導入の手引き
ソフトウェア開発パラダイムの進化
エンタープライズトレンド
10の事情
座談会@ZDNet
Dr.津田のクラウドトップガン対談
Gartner Symposium
IBM World of Watson
de:code
Sapphire Now
VMworld
Microsoft WPC
Microsoft Connect()
HPE Discover
Oracle OpenWorld
Dell Technologies World
AWS re:Invent
AWS Summit
PTC LiveWorx
吉田行男「より賢く活用するためのOSS最新動向」
古賀政純「Dockerがもたらすビジネス変革」
中国ビジネス四方山話
ベトナムでビジネス
日本株展望
企業決算
このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]