Identity マスターへの道 第三回:外部ユーザーとの新しいコラボレーションの行い方

2020-10-16 11:00

[PR]このコラムでは、セキュリティについてこれから学びたいと思う方々、アプリ開発者や、ウェブサービスを開発する方々に向けて、これから要となるアイデンティティのベーシックな情報を提供していきます。

 マイクロソフトコーポレーション アイデンティティ部門 Azure AD Strategic Scale allianceチーム プログラムマネージャーの佐藤沙里那です。このコラムでは、セキュリティについてこれから学びたいと思う方々、アプリ開発者や、ウェブサービスを開発する方々に向けて、これから要となるアイデンティティのベーシックな情報を提供していきます。

 私自身アイデンティティ領域に初めて携わる、いわば新米PM です。新参者として初めて知るアイデンティティのトレンドや必須知識、Azure AD の機能がたくさんあるので、2週間1度に出るこのコラムで惜しみなく読者の皆さまに共有してまいります。

最新の外部ユーザーとのやり取り。どんな場面で活用するの?

 さて、前回の記事の中で、外部ユーザーとの連携の方法について学びました。前回に引き続き、今回の記事では外部ユーザーとの連携の方法について活用イメージを膨らましながら学んでいきたいと思います。Azure AD のようなIDaaS(Identity as a Service)を活用したスムーズなやりとりは、通常どのように行われたりするのでしょうか。また、コロナ禍の影響により在宅で仕事をする場面が増えるようになってから社内外を問わず、対面でやりとりをすることが少なくなりました。こういった外部ユーザーの連携を使えば、離れていてもうまくコミュニケーションをとりながら仕事をすることができるのでしょうか。

 今回は社内外問わず離れている人とのやりとりに欠かせないコラボレーションツールであMicrosoft Teams (以降、Teams)のマーケティングを担当している、日本マイクロソフトの春日井良隆さんに、前回学んだ外部ユーザー連携の有効的な使い方について教えていただきたいと思います。春日井さん、よろしくおねがいします!

離れていてもリアルタイムで共同作業が実現できる、Microsoft Teams

ーーそもそも、Teams ってどんなことができるのでしょうか。

春日井さん:リモートワークや在宅勤務の普及により、チャットでの会話やビデオ会議、これらに付随してファイル共有をそれぞれ別のツールを使いこなしている方々もたくさんいると思うけど、実はTeamsを使うだけで、これらを全て行えてしまうよ。しかも、Teamsを使って電話をかけることもできるんだ。

ーーチャットやビデオ会議のイメージは確かにありましたが、ファイル共有などもTeams上で行えるのですね!

春日井さん:そうだね。それだけではなく、Teamsの中でExcelやPowerPointといったOfficeのファイルを開いて、共同編集をすることができる。もちろんOfficeだけではなく、マイクロソフトの製品ではない外部のアプリケーションも簡単にTeams上で使うことができるんだ。つまり、Teamsが起動していれば、ExcelやPowerPoint、あるいは、GitHubやJiraを立ち上げるまでもなく、Teams上でほとんどの仕事を、対面でなくても、オンラインで同僚や社外の人と共同作業することができるんだよ。

ーーいまや自社開発のシステムよりも、SaaSなどを使う企業が大多数なので、外部のアプリケーションもTeams上で操作できるのはとても便利ですね! 電話やチャットだけではなく、ファイルの共同編集などを離れていても行うことができるのは、このご時世とってもありがたいです。

 前回の記事で、私たちは他社のユーザーとのファイル共有や社内アプリケーションに招待する方法にについて学びました。Microsoft Teamsは社内だけではなく、社外の人たちとも一緒に仕事をしたいときに使う場面があるのではないかと思います。先ほど春日井さんから教えてもらったような使い方を他社のユーザーとの仕事の際にも活用することができるのでしょうか。

春日井さん:もちろんできるよ。ただ、その一方でセキュリティやコンプライアンスを守ることも、とても大切なんだ。テレビ会議中に知らない人が入ってきたり、機密性の高いチャットの情報が漏れたりしたら、大変なことになるからね。そうなると、情報システムの管理者は、誰がどのリソースやアプリにアクセスができるかを制御しなればならない。そこでAzure ADのIDやアクセス管理の機能を利用することで、ゲストアクセスの承認やアプリケーションのコントロールができるようになる。

ーーここでIDの活用場面が出てくるんですね! 確かに、社外の人とファイルの共有や共同編集を行う際には、ファイルにアクセスできるユーザーが適切に管理されていると、ユーザーとしては安心して使うことができますよね。

春日井さん:「セキュアなIDが管理できるAzure ADだからこそ、社外とのコラボレーションも安心・安全な環境で実現することができるよ。

ーーTeamsの利便性の裏側にあるセキュアなID管理の仕組みが大切なのですね。

チャットやビデオ会議だけではない!アプリケーションや業務ツールを使ったコラボレーション

ーー先ほどの春日井さんからのレクチャーにもあったように、Teamsは単なるチャットをするためやビデオ会議を行うためだけのツールではないということは十分に理解をしました。Teamsをどんな場面で活用したらより有効に使いこなすことができるのでしょうか。

春日井さん:例えば、何かのプロジェクトのために集まったメンバーとの間では、プロジェクトの進ちょくを全員で把握することが出てくるだろうし、予算を管理することもあったりするよね。だからTeamsでは、Officeファイルを開いたり、マイクロソフトのPlannerやPower BIを組み込んだり、さっき言ったGitHub やJiraのような外部アプリを使用できるようにしているよ。日本の事業者もがんばっていて、例えば、HR Tech系では、Unipos botやCommunitioがTeamsで使えるようになっているよ。

ーーそうか! Teamsで外部アプリの使用もできるということは、再びAzure ADの出番がやってきますね!

春日井さん:その通り。外部アプリにAzure ADを使ったシングルサインオン(SSO)実装していれば、いちいち外部アプリとのIDとパスワードでログインすることなく、普段使っているメインのIDで使うことができる。さらに、Azure ADと連携をしているからこそ、管理者側でユーザー側にアクセスさせたくない機能にはアクセスできないような仕組みもしっかりとそろっているよ。

ーーなるほど。先ほどの話にもあったように、Teams上で外部アプリを使ったやりとりもできて非常に利便性が高い一方で、セキュリティはしっかりと守られていなければならないんですね。だからこそ、Azure AD を使ったID マネジメントがきちんと行われていることで、安心してユーザーはTeams 上で仕事をすることができます。こういったアプリケーションを活用したコラボレーションは、他社のユーザーを招待して活用することもできるのでしょうか。

春日井さん:もちろん、できるよ。多数の関係者とやりとりをしながら実現するイベントや、提案書の作成などは、ビデオ会議やチャットを駆使しながら、タスク管理や資料の共有、共同編集をすることで、リモートでもストレスなく進められるけど、ここに外部ユーザーに入ってもらうことができる。関係者が増えると使うツールもさまzまだと思うけど、先ほど説明したように、Teamsは外部アプリを使うことができるよね。そのメリットがここで活きてくるんだ!

ーー多くの仕事は社内だけで完結することは難しいので、他社の人たちとも、Teamsの機能を活用してやりとりできることによって、とっても効率的に仕事が進みそうです。

外部ユーザーとの連携の方法を学んだいまだからこそ知りたい、コラボレーションツールの有効な活用シナリオ!

ーーこれは最近、個人的にも悩んでいることなのですが、私は異動をしてすぐにリモートワーク主体の状況になってしまったこともあり、私のチームメンバーとは一度も顔を合わせたことはなく、ほとんどのやりとりはオンラインのみなのです。少なくとも数カ月先までは、チームメンバーと直接集まって会話をする機会を作れそうにありません。対面せずにやりとりをしているメンバーとの仕事に、もっと工夫ができたらな、と思い悩む日々です。

 きっとこんな風に悩んでいる人は、世の中にたくさんいると思います。Teamsを熟知している春日井さん、今この状況下だからこそお勧めしたい、コラボレーションツールの上手な使い方を教えてください!

春日井さん:今回はTeamsに連携しているアプリの中でも簡単に始められるような活用シナリオを用意してみたよ。ニューノーマルな働き方が求められるいま、ぜひ試しに使ってみてほしい。

おすすめアプリとユースケースその1: Communitioで貢献度の見える化!

春日井さん:リモートワークが加速化する中で、顔を見て話したりちょっとした会話をしたりすることも少なくなっている。もともと定量的でない評価や感謝というのは見えづらいという課題もある。だからこそ、日々の「ありがとう」や一つ一つの「貢献」を見える化してみるのはどうだろう。導入のハードルも低いし、いま対面でやりとりできないからこそ、ちょっとした他者からの「ありがとう」はとっても心にしみると思うよ。
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おすすめアプリとユースケースその2:Planner (マイクロソフト製品)

春日井さん:密にやりとりをしていても、やっぱりあいまいになってしまうのがスケジュール管理やタスク管理だ。見えない相手とのやりとりの中でも、スケジュールを共有し、タスクを整理することで、責任範囲を明確にできる。ついつい、Excelを使ってしまうユーザーも多いだろうが、実はPlannerというSaaSサービスがマイクロソフトにはあるので、この機会にぜひ使って欲しい。
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おすすめアプリとユースケースその3:Microsoft Teamsの絵文字やステッカー、挙手機能

春日井さん:ビデオ会議を行う機会がとっても増えたよね。参加者はビデオをオンにしたりして、積極的に反応を示して欲しいというニーズもよく耳にする。絵文字やステッカーはビジネスでは不謹慎だと感じる人も多いと思うが、うまく活用するとギクシャクした関係や硬い雰囲気を和らげることができるので、状況に応じて使ってみてはどうだろうか。ビデオ会議で発言したいときは挙手機能を使ってみよう。

ーー春日井さん、さまざまなユースケースをご紹介いただいてありがとうございます! 離れているからこそ、普段はなかなか伝えられていない『ありがとう』を見える形で伝える方法や、新しいアイスブレイクの形があるのですね。リモートワークや在宅勤務が増えてきた今だからこそ、離れている相手とのコミュニケーションやスケジュールの管理に工夫を凝らして、新しい時代の仕事のやりかたを見つけていきたいです。

まとめ

 今回は、前回学んだ外部ユーザーとの連携の方法を活かすコラボレーションツールについて理解を深めていきました。Teamsでは、チャットやビデオ会議、Officeファイルの共同編集や、外部アプリの活用など、幅広い仕事を行うことができるということが分かりました。安心してユーザーがTeams を活用するために、Azure ADを使ってセキュリティやコンプライアンスを守ることもとても大切だということや、外部アプリの活用の際にはAzure ADのSSO連携の実装により、いちいち外部アプリ側のID/パスワードの手間をなくし、効率的に仕事を行うことができるという点も、今回新しい学びでした。

 IDの存在は、言われないとなかなか気づくことができませんが、多岐にわたるコラボレーションの裏側も、IDの技術が必要不可欠なのです。進化していくコラボレーションツールを支えるID機能にも注目していきたいと思います。今日はTeams を軸に、マーケティング担当の春日井さんに色々とレクチャーしていただきました。

 最後にはすぐに活用できるシナリオなど、今回の記事ではほんの一部を教えてもらいましたが、こちらのサイトで、Teamsのマニュアルやウェビナー、また連携できる外部アプリケーションの紹介をしてくれています!ぜひ、いろいろな機能を活用してみてくださいね。

Profile

Microsoft Corporation Identity Division
Strategic alliance team Program Manager
佐藤沙里那氏
Microsoft Corporation Identity Division
Strategic alliance team Program Manager
佐藤沙里那氏

経歴:
2016年日本マイクロソフト株式会社に新卒入社。
法人営業部の流通・小売、商社、飲料業界チームに配属後担当営業として活動。
その後現在の部門に異動をし、SaaS アプリケーション業界での更なるAzure AD 技術活用の推進をする。

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