テクノロジー企業成長率ランキング 2016 第15回 「デロイト アジア太平洋地域テクノロジー Fast 500」発表

トーマツ

From: PR TIMES

2016-12-01 15:00

平均売上高成長率は前年を158%ポイント上回る573%で2008年以来の最高水準

-平均売上高成長率は前年を158%ポイント上回る573%で2008年以来の最高水準
-1位に輝いたのは中国の電子商取引企業Chengdu Wolaila
-日本企業は2013年以来4年ぶりに上位10位内にランクイン




デロイト トウシュ トーマツ リミテッド(DTTL)は2016年12月1日、TMT(テクノロジー・メディア・通信)業界の企業を対象にした直近3決算期の収益(売上高)に基づく成長率のランキング、第15回 「デロイト アジア太平洋地域テクノロジー Fast 500」を発表した。トップに輝いたのは25,239%の成長率を記録した中国の電子商取引企業のChengdu Wolailaだった。

中国に本社を置くChengdu Wolailaは、インターネット ポータルサイト「Sposter」を通じて電子商取引と24時間対応の速達サービスを提供している企業である。Sposterは世界最大のスマート宅配ボックス運営サイトであり、中国各地に設置されたPINコード方式の「スマートボックス」のネットワークを利用して荷物の集配を行っている。登録利用者数は3,000万人を数え、1日の平均配達個数は100万個にのぼる。また顧客との日々のやり取りの中からデータを収集し、消費行動を分析した上で、食品、衣料、住宅、医療、年金といった日常的なニーズに応える付加価値サービスの提案を行っている。

Chengdu Wolailaの最高経営責任者James Bu氏は自社の競争力について次のように述べた。「デロイトのアジア太平洋地域テクノロジー Fast 500を受賞し大変光栄です。当社は大規模な運営部隊を擁し、他社とは一線を画したカスタマー エクスペリエンスを提供することを非常に重視しています。ですから、このアプローチがデロイトに着目されたことを大変嬉しく思います。当社はカスタマー エクスペリエンスの革新を非常に重視しており、だからこそ、お客さまから報告のあった技術的問題に素早く対応することが可能です。また革新を続けていくためにオフラインの広告事業にも進出し、昨年は同事業からの収益が全体の3分の2を占めました」。

「デロイト アジア太平洋地域テクノロジーFast500選出企業を見ると、ビジネスモデルを作り変え、消費者の生活をシンプルにする革新的なソリューションを通じて、新しいテクノロジーがいかに我々の暮らし方や働き方を形作っているかが分かります」と、アジア太平洋地域テクノロジーFast500を主催するデロイト アジア太平洋地域 TMTリーダーの楠 俊史は話す。「Chengdu Wolailaは従来の価値基準を覆すアプローチがいかにしてチャンスを生み出すかを示す良い例です。同社は迅速で確かなサービスを通じてカスタマー エクスペリエンスを高めることで顧客の需要を味方に付け、テクノロジーが中国にもたらしたチャンスを活かしています」。


<地域別傾向>

選出企業を地域別に見ると、引き続き中国企業の存在が目立ち、上位10社には6社が、上位500社には150社がランクインした。

「中国は依然として新興経済国であり、参入できるニッチ市場が豊富に存在するため、新興企業にとって、より高い成長を実現することは比較的容易と言えます。また、これらの企業は中国顧客のニーズをよりよく理解し、その要望に迅速に対応し、現地事情に合わせてカスタマイズされたソリューションを創出することに力を注いでいます」とデロイト中国TMTマネージングパートナーのPo Houは話した。

また今年はオーストラリアのテクノロジー企業の堅調さが目立ち、上位500社に88社が名を連ねた(2015年の80社から増加)。オーストラリアは年々国別の順位を伸ばしつつある。台湾企業は2015年の86社から2016年には57社に減少した。

日本企業は今年35社が上位500社にランクインし、上位10社の中にも1社がランクインした。8位につけたZUUは、各分野の専門家が執筆した銀行、証券、株、不動産、保険、税金に関する幅広いニュースやコラムを掲載する金融関連情報サイトである。デロイト アジア太平洋地域及び日本 TMTリーダー 楠 俊史は「日本で成功を収めているテクノロジー企業は、フィンテック、自然言語処理(NLP)、人工知能(AI)といった、注目を集めている領域にフォーカスする傾向にあります」と分析する。


<事業領域別傾向>

地域別では中国勢が受賞企業の最多を占める一方で、このランキングからは、アジア太平洋地域における事業領域別の成長率をも知ることができる。前年に続き最多となったのはソフトウエア企業であり、上位500社中199社となる40%を占めた。

事業領域別の順位は前年から入れ替わり、今年は上位500社のうち19%をメディア領域が占め、ハードウエアを抜いて第2位に浮上した。メディア領域は上位10社中にも4社が名を連ね、第3位には、ソーシャルメディア・アカウントのデータから分析したユーザーの関心に基づいて、個別に外部コンテンツをとりまとめる「Toutiao」(中国語で「ヘッドライン」の意味)アプリを開発した中国のBytedanceがランクインした。

「コンテンツに対する消費者の目はますます肥えてきており、消費者は自分の好みに合ったコンテンツだけを提供するプロバイダーを選択しつつあります。成功しているテクノロジーFast500企業はデータを活用し、こうした顧客の需要を満たすコンテンツを生み出しています。Toutiaoのようなアプリは、コンテンツ収集サイトが知的なコンテンツエコシステムを通じて、消費者の生活を整理する上で果たしうる役割を分かりやすく示しています」とデロイト中国 TMTマネージングパートナー Po Houは話す。

ハードウエア領域は全体の16%を占め、5年連続で構成比を下げた。


<収益(売上高)成長の傾向>

上位500社の2016年の平均収益(売上高)成長率は573%となり、415%を記録した前年を158%ポイント上回り、2008年以来最も高い水準となった。ランキング上位10社の平均収益(売上高)成長率は9,932%だった。

デロイト アジア太平洋地域 TMTリーダー 楠 俊史は次のように話した。「アジア太平洋地域テクノロジーFast500ランキングが発表されるたびに、域内の企業が急速なイノベーションを続けているアジア太平洋地域のTMT(テクノロジー・メディア・通信)業界を頼もしく感じます。特にこの地域ではモバイル、電子商取引、およびソーシャル・メディア分野が発達していることにより、継続的に既存テクノロジーを覆して未来を形作っていける環境が十分に整っています」。


<2016年アジア太平洋地域テクノロジーFast500ランキング上位10社>

1位 Chengdu Wolaila / 中国 / ソフトウエア / 成長率: 25,239%

2位 Puhui Financial Information Service (Shanghai) / 中国 / ソフトウエア / 成長率:14,047%

3位 Bytedance / 中国 / メディア / 成長率:13,085%

4位 Cashrewards / オーストラリア / メディア / 成長率:12,469%

5位 Property Exchange Australia / オーストラリア / ソフトウエア / 成長率: 7,116%

6位 Yi Ren Heng Ye Technology Development / 中国 / ソフトウエア / 成長率: 6,578%

7位 Interactive Group Technology / 中国 / ソフトウエア / 成長率:5,883%

8位 ZUU / 日本 / メディア / 成長率: 5,196%

9位 Wuhan Qimi Network Technology /中国 / メディア / 成長率: 5,128%

10位 Chengdu Wolaila / ニュージーランド / ソフトウエア / 成長率: 4,574%

全500社のランキングは、 (リンク ») (英語)をご覧ください。


<2016年 「デロイト アジア太平洋地域テクノロジー Fast500」を受賞した日本企業35社>

日本企業は株式会社ZUU(成長率5,196%)が8位を受賞し、2013年以来4年ぶり上位10位内へのランクインとなった。また、株式会社PKSHA Technology(成長率2,607%)が18位、株式会社トレタ(成長率1,854%)が22位とそれぞれ上位にランクインした。Fast500ランキングを受賞した日本企業は全部で35社となった。

8位 株式会社ZUU (未) / 成長率:5,196%
  資産運用に関する総合プラットフォームの開発と提供

18位 株式会社PKSHA Technology(未) / 成長率:2,607%
  機械学習/深層学習技術、自然言語処理を用いたアルゴリズムソリューションを提供

22位 株式会社トレタ (未) / 成長率:1,854%
  飲食店向け予約顧客台帳サービスアプリケーションを提供

118位 株式会社ジーニー (未) / 成長率:459%
  アドテクノロジー事業

119位 株式会社ジーエヌアイグループ / 成長率:454%
  中国で新薬探索から製造販売までを行う日本の製薬会社

148位 株式会社アストロ数理ホールディングス (未) / 成長率:348%
  業務システムの企画・開発・運用および自社ERPパッケージ提供

185位 弁護士ドットコム株式会社 / 成長率:283%
  法律相談サイト「弁護士ドットコム」の運営、クラウド契約サービス「クラウドサイン」を提供

195位 株式会社マイネット / 成長率:270%
  スマートフォン向けゲームサービス事業

217位 株式会社チームスピリット(未) / 成長率:235%
  Workforce Success Platform 「TeamSpirit」の提供

225位 オーマイグラス株式会社(未) / 成長率:226%
  国内最大級ECサイトと店舗のオムニチャネルによるメガネ販売事業

234位 株式会社メタップス / 成長率:217%
  ビッグデータと人工知能(AI)を駆使して経済やお金の再発明を目指すテクノロジーカンパニー

260位 株式会社レントラックス / 成長率:197%
  アフィリエイトサービスプロバイダ

278位 株式会社Speee (未) / 成長率:183%
  Webマーケティング事業、インターネットメディア事業、医療事業

290位 株式会社デザインワン・ジャパン / 成長率:174%
  オールジャンル口コミ店舗検索サイト「エキテン」の運営

291位 ダブル・スコープ株式会社 / 成長率:174%
  リチウムイオン電池用絶縁膜(セパレーター)の製造販売

296位 株式会社セレス / 成長率:170%
  スマートフォンメディア事業

313位 株式会社じげん / 成長率:161%
  ライフメディアプラットフォーム事業

321位 株式会社アイリッジ / 成長率:157%
  スマホ向けO2Oソリューションの提供、アプリ開発、マーケティング支援

340位 株式会社SHIFT / 成長率:151%
  ソフトウエアの品質保証、テスト事業

344位 株式会社アトラエ / 成長率:148%
  成功報酬型求人メディアGreen、およびその他サービスの運営

374位 株式会社クロス・マーケティンググループ / 成長率:136%
  リサーチ事業、ITソリューション事業、プロモーション事業等

390位 株式会社バンク・オブ・イノベーション (未) / 成長率:132%
  スマートフォン向けゲームアプリの開発・運営

396位 ペットゴー株式会社 (未) / 成長率:129%
  ペットコマース&サービス事業、ペットデータ事業、動物病院事業

405位 株式会社豆蔵ホールディングス / 成長率:127%
  最先端の技術力と開発手法でシステムのコンサルから実現までを支援

409位 株式会社テラスカイ / 成長率:126%
  クラウドに特化したシステム開発、サービスの提供

432位 株式会社クリエイターズマッチ (未) / 成長率:116%
  日本最大級のインターネット広告制作プラットフォームを展開

447位 株式会社フィックスターズ / 成長率:108%
  高度なソフトウエア技術による高速化ソリューションの提供

451位 株式会社リニカル / 成長率:106%
  製薬会社から新薬開発業務をグローバルで受託するビジネスを展開

455位 株式会社マーケットエンタープライズ / 成長率:105%
  ネット型リユース業

465位 株式会社アイスタイル / 成長率:100%
  美容系総合ポータルサイトの企画・運営、関連広告サービスの提供

477位 WASHハウス株式会社 (未) / 成長率:95%
  遠隔監視によりクリーン運営・管理されるコインランドリーの展開

480位 ソーシャルワイヤー株式会社 / 成長率:93%
  @Press・@クリッピング・CROSSCOOP・TRANSMARTの運営

486位 株式会社ホープ / 成長率:91%
  アプリ「マチイロ」の運営、地域と行政をつなぐ総合サービス会社

490位 株式会社U-NEXT / 成長率:90%
  VOD(映像配信)事業、MVNO(仮想移動体通信事業者)・光インターネット回線事業

496位 ナイル株式会社 (未) / 成長率:85%
  アプリ発見サービス「Appliv」の運営およびWebコンサルティング事業  


*(未) は未上場企業、それ以外は上場企業を示す(2016年9月末時点)。


【デロイト アジア太平洋地域テクノロジー Fast500とは】
テクノロジーFast500は、デロイト トウシュ トーマツ リミテッドが、TMT(テクノロジー・メディア・テレコミュニケーション)業界の急成長企業を、世界3極(アジア太平洋地域、北米地域、EMEA地域)の地域レベルで顕彰するプログラムです。2016年で15回目を迎えた「デロイト アジア太平洋地域テクノロジー Fast500」は2002年に開始、日本は初年度から参加しています。ランキング基準は、直近3決算期(北米地域、EMEA地域は直近4決算期)の収益(売上高)に基づく成長率としており、現在はオーストラリア、中国、インド、日本、韓国、マレーシア、ニュージーランド、シンガポール、台湾から、上場、未上場を含む様々な規模の企業が参加しています。ランキング対象となる事業領域は、(1)半導体や部品・コンピュータ、周辺機器等を含むハードウエア、(2)アプリや各種管理運用システムを含むソフトウエア、(3)インターネットやクラウドサービスを含む通信、(4)広告やマーケティング、Eコマースを含むメディア、(5)バイオや製薬を含むライフサイエンス、(6)再生技術やエネルギー貯蔵、機器を含むクリーンテック、以上の6領域としています。


【本プログラムで開示されている情報について】
この情報は、集計に当たり正確を期しておりますが、企業からの回答をそのまま集計し反映したものであり、有限責任監査法人トーマツやデロイト トウシュ トーマツ リミテッドは、明示または黙示を問わず、これらの情報の正確性などについて何らかの意見を表明したり、または内容を保証したりするものではありません。


【参考情報】
「アジア太平洋地域テクノロジー Fast 500」の詳細  (リンク »)
「北米地域テクノロジー Fast 500」の詳細  (リンク »)
「EMEA地域テクノロジー Fast 500」の詳細  (リンク »)

本ニュースリリースは、12月1日に香港で配信された内容を日本版として和訳し、一部加筆修正しています。

プレスリリース提供:PR TIMES (リンク »)
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