クロスプラットフォームのアプリケーション開発フレームワークQtを開発するThe Qt Company 組み込み機器向けの機能・スピード・パフォーマンスを大幅に強化 『Qt 5.8』をリリース開始

The Qt Company oy

From: PR TIMES

2017-01-30 11:00

クロスプラットフォームのアプリケーション開発フレームワークQtの開発元であるThe Qt Company oy(本社:フィンランド、日本支社:東京都中央区、日本支社代表:Dan Koo)は、Qtのアップデート版「Qt 5.8」を1月23日(月)からリリース開始しました。



Qtはユーザーニーズに応え、ユーザーの製品価値を生み出し、ユーザー体験を創造するフレームワークです。
The Qt Companyは日頃から、クロスプラットフォームのQt ライブラリやツールの改善に取り組んでおり、製品開発の効率化やあらゆるデバイス、OS に対応する製品開発をサポートしてきました。
Qt 5.8ではマルチプロセス対応向けの新機能やステートマシン開発ツールへの統合、主にIoT向けにパフォーマンスの改善やメモリ消費量の削減に取り組みました。

■Qt Lite
Qt Liteは、Qt フレームワークをカスタマイズするためのツールを用い、スピードとパフォーマンスを向上させ、これまで以上にQtによる作業が容易になりました。
新しいシステム設定ではIoTや組み込み機器向けに、最低限必要なQtの機能を選択して利用することができます。
最大で60%のメモリフットプリントを削減することで、パフォーマンスの改善やアプリケーションのブート時間の短縮に繋がります。
Qt LiteによりQtを搭載できるデバイスの幅が広がりました。ウェアラブルをはじめ低スペックのIoT機器にもQtを使用できます。

主な機能:
•起動時間の短縮化。
•メモリフットプリントの削減。
•設定のためのシステムを刷新。
•GUIの設定ツール。
•柔軟な開発者向けのワークフロー。
•OpenGL依存の制限を解除。
•サポート可能なハードウェアを拡大。
Qt LiteはQtをカスタマイズするための機能を提供し、ユーザーによる用途に合わせた、コンパクトでパフォーマンスの高いQtの構築が可能です。

■Wayland を使用し、複数プロセスのUI を統合
近年の UI 開発では1つのプロセスですべてのUI を動かすのではなく、複数のプロセスに UI を分散する
設計が多くなっています。これによりアプリケーションの安定性や堅牢性、セキュリティが向上すると同時
に、複数のチームやサードパーティーを含めた全体のアプリケーション開発の効率も大幅に向上させること
ができます。

最近のアプローチは、開発や保守、プロトコルの拡張が簡単なWayland を使うことです。Wayland はウィ
ンドウマネージメントの業界標準的な立ち位置にあり、誰もが利用可能で誰もが拡張可能な共通のプロトコ
ルを提供しています。Wayland ではコンポジタが個々のクライアントのコンテンツをアレンジしてスクリー
ンに出力する役割を担います。

この役割により、機能単位やアプリケーションの構成に対応し、スクリーンのエリアを分割することができ、
堅牢性を保ちながらコンテンツの拡大を実現するソフトウェアプラットフォームの構築が可能となります。
また、プロセス分割のメリットとして、複数のチームに分かれた並行開発が可能なこと、テストやデバッグ
の対象となるコードの分割、削減もあげられます。

Qt 5.8 ではQt Wayland Compositor API が正式対応になりました。これにより、Qt の機能を用いて独自の
Wayland コンポジタを作成でき、コンポジタを作成するために必要なすべてのツールも提供されます。また、
C++での作成にも対応しているのは勿論のこと、強力かつシンプルなQML により、コンポジタのUI/UX を
記載することが可能です。

Qt Wayland Compositor API を採用するメリット
•マルチスクリーン対応のデバイスの開発が簡単に実現。
•高度に抽象化されたAPI を提供することで、コード量の削減やテスト、デバッグの工数の削減が可能。
•独自のWayland の拡張をサポートし、クライアントとコンポジタの通信を自由にカスタマイズ可能。
(例)クライアントにナイトモードへの移行を伝える拡張プロトコルを簡単に記載することが可能。
•XDG shell、WL shell、IVI application などのシェルエクステンションがビルトインされており、様々な
エクステンションを採用しているクライアントに対応することが可能。

■その他の追加機能
1.Qt Serialbus がQt 5.8 に正式対応となりました。これによりQt のAPI にてデバイスのバスプロトコル
や通信に対応することが可能になります。

2.Qt テクノロジープレビューとして追加された音読み上げ機能を利用してアクセシビリティやユーザー体
験を向上させることができます。

3.Qt Network Authorization という新しいモジュールもテクノロジープレビューとして追加され、アプリケ
ーションやデバイスをクラウドに接続してサードパーティーのウェブサービスと連携させることが容易になりました。

4.システムを設計するための形式的なアプローチであるステートマシンにより意図しないシステムの動作を減らすことができ、ワークフローの検証も可能です。
State Machine XML(通称SCXML)はステートマシンを記述するための標準フォーマットで、Qt 5.8で追加されたQt SCXMLというモジュールによりQt Creator、Qt QuickやQMLでステートマシンを生成するためにSCXMLを使用することが可能になり、Qt Quickにはステート、サブステート、トランジションや様々なプロパティを変更するためのビジュアルエディタも追加されています。

The Qt Companyの最高技術責任者(CTO)兼Qtプロジェクトチーフメンテナーのラース・ノールは、Qt 5.8のリリースについて「Qt 5.8は大幅な改善と多数の機能を提供し、以前のQtを超える素晴らしいものに出来上がっています」とコメントしています。

【The Qt Company概要紹介】
■会社概要
会社名:The Qt Company oy
日本支社:東京都中央区京橋2−12−9京橋55−1
設立:平成28年7月(日本支社設立)
事業内容:クロスプラットフォームアプリケーション・UIフレームワーク「Qt」の開発・ライセンス提供
URL: (リンク »)

■The Qt Companyについて
The Qt Companyは、フィンランドに本社を置き、クロスプラットフォームのアプリケーションフレームワーク「Qt」を開発、製品化及び商用とオープンソースライセンスの提供を行っています。
1990年代初期にノルウェーで誕生し、Qtを約20年間に渡り開発しています。現在は、中国、フィンランド、ドイツ、日本、韓国、ノルウェー、ロシア、米国で事業が展開されています。
2016年7月、日本国内におけるセールス&マーケティング及びテクニカルサポートを提供する日本支社を設立しました。日本市場は近年、自動車、家電、ロボット、オートメーションの有力企業がQtを標準化し発展を遂げており、今後、日本市場における事業展開に注力していきます。

■Qtについて

[画像: (リンク ») ]


Qtはマルチデスクトップ、組み込み型、モバイルのオペレーティングシステムに対するサポートを行い、開発者はアプリケーションやデバイス開発において、1つのフレームワークで複数のプラットフォームをターゲットにすることができます。
世界中で約100万人の開発者がQtを利用しており、車載システム、産業オートメーションデバイスおよび、その他主要なビジネスアプリケーションメーカー等、グローバルに展開する70以上の業界で利用されています。

プレスリリース提供:PR TIMES (リンク »)
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