がん研究会とFRONTEOヘルスケア「がんプレシジョン医療」の実現に向けた共同研究を開始

株式会社FRONTEO

From: PR TIMES

2017-01-31 15:00

最先端のゲノム解析技術と人工知能を用い、患者の遺伝子情報に基づいた提案で医師の判断を支援。最適な治療法を提供する総合検査システムの開発を目指す。

公益財団法人がん研究会(東京都江東区有明、理事長 草刈隆郎)、がん研究所(所長 野田哲生)ならびに人工知能エンジン「KIBIT(キビット)」を独自開発した株式会社FRONTEO(本社:東京都港区、代表取締役社長:守本正宏)の子会社で「KIBIT」を活用した医療データ解析ソリューションを提供する株式会社FRONTEOヘルスケア(代表取締役社長:池上成朝)は、最先端のゲノム解析技術と人工知能を用いて「がんプレシジョン医療」を実現するシステムの開発に向けた共同研究を開始しました。本研究を通じて、がん患者1人1人の遺伝子変異などに合わせて最適な治療を提供する「がん個別化医療」の実現を目指します。



がん研究会は、昨年10月にがんプレシジョン医療研究センターを設立しました。最先端のゲノム解析技術を駆使して、がん細胞やがん組織を遺伝子レベルで解析し、次世代のがん診断・治療法の開発を行っています。FRONTEOヘルスケアは、同じく昨年10月に「がん個別化医療AIシステム(以下CPM-AIシステム)」開発の開始を発表しました。

今回の共同研究を通じて、がん研究会とFRONTEOヘルスケアは、ゲノム解析による検査結果に基づいて、人工知能が患者の症状・特性にあわせた治療法に関わる論文を探索し、医師の判断を支援するシステムを開発します。

がん研究会のがんプレシジョン医療研究センターでは、患者のがん関連遺伝子の異常を網羅的に解析するクリニカルシークエンスや、腫瘍組織ではなく血液などから遺伝子の変異を調べるリキッドバイオプシーなど最新の手法を活用し、がんゲノム情報を始めとするがん患者の各種情報を統合・解析できる仕組みを開発します。FRONTEOヘルスケアでは、CPM-AIシステムの1つ、診断支援システムによって、がんの各分野のエキスパートの知見を活用して、論文や医療情報を解析する仕組みを開発し、医師が検査結果を基に治療方針を決定する際に判断の助けとなる提案を行います。

FRONTEOヘルスケアでは、診断支援システムの他に、治療法や薬剤に関する医師からの説明を患者・家族が十分に理解できるよう、人工知能が患者の理解度に合わせた説明を補足するインフォームドコンセント支援システムの開発も行います。診断支援システムとインフォームドコンセント支援システムは2021年末の完成を予定しております。

CPM-AIシステムの開発概要

[画像: (リンク ») ]

特定分野のエキスパートの知見を学んだ人工知能「KIBIT」が論文を絞りこんで提示
現在、がん個別化医療を進めるにあたり問題となっているのは、医療情報・論文が日々増加する中で、患者の遺伝子情報やがん細胞に起きている異常の様子、治療法や副作用の少ない薬剤選びなどの選択肢とその組み合わせが多種多様となっていることです。

こうした中、人工知能の活用によって、患者に適した治療法や薬剤に関する記述がある論文を特定し、短時間で医師に提供できる仕組みづくりが期待されています。FRONTEOヘルスケアのCPM-AIシステムは、あらかじめエキスパートが「良質」と確認した論文と同じ要素を持つものを選び出し、「良質ではない」論文を取り除くことができます。例えば、単剤での治療か混合治療か、遺伝子情報の採取をがん細胞から行うか正常細胞から行うかは、論文を探すうえで重要な要素となる場合がありますが、各観点が必要か不要かをKIBITに学習させることで、目的に沿った論文の抽出が可能になることが確認されています。

このように、特定分野のエキスパートが、最新の医療情報の動向に基づく知見を、KIBITに教師データとして与え、あらかじめ探す対象を選別しておくことにより、不要なデータやノイズを減らすフィルタとしての機能を果たすことができます。CPM-AIシステムが開発された際には、日本全国でがん患者と日々接している医師が、各領域の専門医の知見を活かした使い方が想定されます。

がん研究会では、日本人特有の遺伝子情報への知見が必要な状況や、国内での情報保護の観点から国産で開発された人工知能を含む様々な技術について検討を重ねてきました。その中でKIBITは、学習能力の高さや少量のデータでも短時間で有効な結果が得られ、コスト負担や導入への時間が短いことが評価され、今回の共同研究の開始に至りました。

がん研究会とFRONTEOヘルスケアでは、それぞれの特長と強みを活かした、がん個別化医療の提供と人工知能を活用したシステムの開発・提供を通じて、国内におけるがん死亡率の削減、再発の防止や、医療費の適正化に貢献する仕組みづくりに取り組んでいきます。

【公益財団法人 がん研究会について】URL: (リンク »)
(1)団体名  公益財団法人がん研究会
(2)設立   1908年4月
(3)代表者  理事長 草刈 隆郎
(4)設置目的 体系的がん研究と先進的がん医療の推進を通じて、革新的ながん医療や予防法の開発を行うとと
        もに、人材育成、国際交流、調査研究等の事業によりその普及を図り、がんの克服をもって人類
        の福祉向上に貢献する。
(5)主な組織 がん研究会有明病院、がん研究所、がん化学療法センター、がんプレシジョン医療研究センター

【FRONTEOについて】URL: (リンク »)
株式会社FRONTEOは、独自開発の人工知能エンジン「KIBIT」により、ビッグデータなどの情報解析を支援するデータ解析企業です。国際訴訟などに必要な電子データの証拠保全と調査・分析を行うeディスカバリ(電子証拠開示)や、コンピュータフォレンジック調査を支援する企業として2003年8月に設立。自社開発のデータ解析プラットフォーム「Lit i View(リット・アイ・ビュー)」、アジア言語に対応した「Predictive Coding(プレディクティブ・コーディング)」技術などを駆使し、企業に訴訟対策支援を提供しています。同事業で培われ、発展した独自の人工知能関連技術は、専門家の経験や勘などの「暗黙知」を学び、人の思考の解析から、未来の行動の予測を実現。最近ではヘルスケアやビジネス・インテリジェンス、マーケティングなどの領域に活用し、事業の拡大を進めています。2007年6月26日東証マザーズ、2013年5月16日NASDAQ上場。資本金1,764,965千円(2016年9月30日現在)。2016年7月1日付けで株式会社UBICから現社名に変更しております。

【FRONTEOヘルスケア 会社概要】URL: (リンク »)
名称 :  株式会社FRONTEOヘルスケア
設立 :  2015年4月16日
資本金:  27,000千円(資本準備金10,000千円含まず)
      2017年2月1日より、327,000千円(資本準備金 210,000千円含まず)
代表者:  代表取締役社長:池上 成朝
事業内容: 治験情報解析支援サービス、院内環境改善支援データ解析サービス、
      薬剤監視サービス(ファーマコビジランス)、ヘルスケア情報サービス、
      その他医療分野情報解析事業

プレスリリース提供:PR TIMES (リンク »)
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