途上国の農家を支援 農作物取引アプリ

国連WFP

From: PR TIMES

2017-06-16 12:00

国連WFPは、途上国の小規模農家とバイヤーが仮想空間で農作物を取引し決済できる、「バーチャル・ファーマーズ・マーケット(仮想農作物市場)」の携帯アプリを立ち上げました。どこの市場では農作物にどの程度の価値があるのかといった情報をリアルタイムで提供することで、農家がよい条件で農作物を売ることができるようになります。現在、ザンビアで試験事業中のこの試みには大きな期待が寄せられています。



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アフリカの携帯ブーム
今やアフリカでは5億人以上の人が携帯電話サービスを利用しています。2020年にはその数は7億2,500万人にのぼるであろうと予想されています。

一方で、村落部に暮らす数百万人もの小規模農家は、地元や国内の農産物市場へのアクセスを得るのに骨を折っています。市場へのアクセスが容易になれば飢餓や貧困から抜け出すことが可能になるかもしれない-そこで生まれた大胆で新しいイノベーションプロジェクトが、国連WFPの「バーチャル・ファーマーズ・マーケット(仮想農作物市場)」。昨今のデジタルコミュニケーションの進化を利用し、小規模農家の市場アクセス改善と生計の向上につなげようというものです。

アプリを用いたソリューション
バーチャル・ファーマーズ・マーケットは、小規模農家と市場をつなげる国連WFPの旗艦プログラム、「前進のための食糧購入(Purchase for Progress、略称P4P)」に基づいています。P4Pとは、国連WFPが途上国の小規模農家から余っている作物を適正な価格で「買って支援」する仕組みです。(買い取った食糧は別の場所で支援食糧として配ります。)この取り組みから、国連WFPは質の高い農作物を買い付ける購売者としての信頼と評価を得ており、この「バーチャルファーマーズマーケット」アプリを用いて、農家の人々・商人・他のバイヤーと相互にやり取りできるような仮想ネットワークを創り出しています。

このアプリによって、持続可能で公平な市場が生まれます。どこの市場では農作物にどの程度の価値があるのかといった情報をリアルタイムで提供することで、小規模農家の交渉力や得られる利益が増します。さらに、相互協力や知識の共有も可能となり、農家は市場にアクセスできるようになったことで生産性が向上します。

こうして創り出された農作物市場では、参加メンバーの適正評価や顔を合わせた会合を経て、農作物の売買から電子決済までを行うことができるようになります。こうした枠組みは農家の人々により大きな農作物市場を提供するばかりか、農家仲間とのつながりを生み出しています。

バーチャル・ファーマーズ・マーケットの仕組みを持続可能にするために、購入者に対しての取引手数料は少額に留め、売る側の小規模農家の手数料は無料となっています。

「三方よし」
既成概念を破るような技術の発展は世界の隅々まで影響を及ぼしており、小規模農家は農作物の収量増加や新市場へのアクセス、利幅の改善など、この上ない好機を享受できるようになりました。バーチャル・ファーマーズ・マーケットは、エアビーアンドビー(AirBnB)やウーバー、アリババなどの好業績のオンラインビジネスと同じく、「三方よし」のエスクロー決済を採用しています。この仕組みにより柔軟な対応が可能となり、農家、バイヤー、草の根起業家の三者がともに力をつけ、立場の弱いコミュニティが飢餓や貧困から脱出できるようになるのです。

ザンビアでの試験事業
2016年7月、国連WFPは革新的なプロジェクトを支援する「イノベーション・アクセレレータ」という枠組みを通じて、ザンビアの村落部3県の農家と共にバーチャル・ファーマーズ・マーケットの原型作りならびに試験事業を行う立ち上げ資金を提供しました。こうして、2017年5月にバーチャル・ファーマーズ・マーケットのアプリ、「マアノ(Maano)」が公開されました。マアノとは、現地の言葉で情報や知能という意味です。現時点で約2,500名ものザンビアの農家の人々が、それぞれのコミュニティを代表すべく集まった50名の「マアノ大使」の下、試験事業に参加しています。100社ほどの国内外のバイヤーが、マアノを通した農作物購入の研修を受けました。

国連WFPは、2017年の農作物市場の季節である5月から10月にかけて、マアノアプリの試行と実施を予定しています。第一段階の試行期間完了後、国連WFPはこの有望な取り組みにさらに磨きをかけ、ザンビアや他の国へ規模を拡大していきます。このビジネスモデルは、開始3~5年後に損益分岐点を迎え、持続できるように設計されています。それまでは新しいパートナーや新規の投資を得ることにより、ザンビア国内での拡大や他の国での試験事業、知識管理の効率化、アプリの開発の継続とプラットフォームのメンテナンスを行っていきます。

プレスリリース提供:PR TIMES (リンク »)
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