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ブルックナーとマーラーは、後期ロマン派を代表する作曲家で、彼らの作品は、オーケストラの主要なレパートリーとなっています。ブルックナーは1824年にオーストリア・リンツ郊外で生まれ、96年に亡くなりましたが、交響曲第9番の4楽章を、亡くなる当日まで作曲していました。一方、マーラーは1860年にボヘミア・カリシュトで生まれ、1911年、交響曲第10番の作曲途中で亡くなりました。
ブルックナーの交響曲は、複数の「稿」があるものが多くあります。その生涯は、改訂の連続でした。たとえば交響曲第2番は、1872年に初稿が完成し、翌年ウィーン・フィルで初演されたのは1873年稿です。そして、再演に向けて改訂された1877年稿があり、1892年には初稿の出版に際し、細部を改訂しました。「異稿、異版が多いのは、自らの作品に対して真摯かつ真剣に対峙し続けた作曲家だった、ということを示している」と中村孝義・大阪音大名誉教授は話します。
マーラーは生前、作曲家としてより指揮者として著名でした。ユダヤ人でありながらウィーン宮廷歌劇場総監督に上り詰めました。作曲は指揮活動がない夏休みに集中的に行いました。ドイツ文学者の許光俊氏は「彼は、誰かに強いられたり、注文されたりしたわけでもなく、自分が書きたいような曲を書いた」と評しています。
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