レポート「人事評価制度を活用した人材確保と賃金向上 Vol.2」を発表 -人事評価制度の導入における中小企業への効果を検証-

一般社団法人 日本パブリックアフェアーズ協会 2019年04月16日

From PR TIMES

(リンク »)

 一般社団法人 日本パブリックアフェアーズ協会理事である慶應義塾大学大学院経営管理研究科の岩本隆特任教授は、レポート「人事評価制度を活用した人材確保と賃金向上 Vol.2」を発表しましたので、お知らせいたします。
 本稿は、2018年9月26日に発表済の中小企業が抱える人材確保等の経営課題への打ち手として、人事評価制度に着目し、導入による効果を定量的に分析したレポート「人事評価制度を活用した人材確保と賃金向上」( (リンク ») )に続くレポートであり、人事評価制度の普及、効果的な運用の為に必要な追加提言を行っております。



【サマリー】
中小企業における人事評価制度導入のメリットにおいて下記2項目の調査・分析を実施した。その結果から、中小企業の人手不足問題解消、ひいては国のGDP目標値達成の為、下記提言を行う。
[画像1: (リンク ») ]

《分析内容と解決策》
【1】賃金決定方法の開示の必要性と効果
・同一労働同一賃金の実現に向け、客観的な賃金規定が策定されるために、各企業が労使間で合意をとり、社内で公開することが重要である。
・中小企業への調査の結果、賃金決定方法を開示することで事業効率の向上が確認された。

【2】人事評価制度と昇給/生産性向上の因果関係
人事評価制度の導入は、昇給への影響及び生産性向上実現において、ある一定の効果が検証できた。その為、所得拡大促進税制(以下、賃上げ税制)に大きく関与すると考察される。

《提言》
【1】賃金決定方法の開示を就業規則に明文化する法改正を行う
【2】人事評価制度導入による賃上げ税制のインセンティブを用意



《分析内容と解決策》
【1】人事評価制度導入による賃金決定方法の開示について
1.同一労働・同一賃金の実現と現行の賃金決定の課題
 2019年4月から施行された働き方改革関連法案の1つである「同一労働同一賃金の原則」のガイドラインには、「正社員と非正規雇用労働者間における賃金の決定基準・ルールの相違は客観的・具体的な実態に照らして不合理なものであってはならない」と記載されています。(※1)その為、各企業が職種ごとにどのように賃金を規定しているのかを社内で公開することが重要と考えられます。
 しかしながら、現行の労働基準法89条において、就業規則の絶対記載事項としての賃金規定の記載が義務化されているにもかかわらず(※2)、賃金規定の具体的な賃金の決定方法や計算方法に関する項目については、具体的な記載をする義務がなく、従業員が自身の給与における客観的な理由が得られない状況にあります。客観性を担保した正しい賃金規定の運用実現には、人材を正しく評価する体制づくりとしての人事評価制度が必要であるといえます。
(※1)厚生労働省 同一労働同一賃金ガイドライン (リンク »)
(※2)労働基準法第9章 就業規則(作成及び届出の義務)第89条

2.賃金決定方法の開示における中小企業の成功事例
様々な業種・業態の中小企業が、人事評価制度導入により賃金決定方法の開示した結果、業績の改善・経営課題の解決に成功しています。


事例1|株式会社ユートピア設計ネットワーク
事業内容:個人住宅の設計・施工

<定性的メリット>
・目標を設定することで、部門間のボトルネックに気づき、部門間連携の円滑化に繋がった。
・導入を機に、中間管理職を創設し、権限移譲が加速し、社員間の協力体制や集合知が得やすい環境になった。

<定量的メリット>
[画像2: (リンク ») ]


事例2|プライム・スター株式会社
事業内容:LED照明器具を含む一般照明機器のデザイン・設計・製造・販売及び輸出入

<定性的メリット>
・従業員自ら目標を設定することで、コミットが生まれ、目標への意識が醸成された。
・採用説明会で人事評価制度について、求職者にアピールすることができ、採用力が向上した。

<定量的メリット>
[画像3: (リンク ») ]


【2】人事評価制度と昇給/生産性向上の因果関係
 「所得拡大促進税制(賃上げ税制)」は、賃上げや生産性の向上を促してデフレ脱却を後押しすべく、企業が従業員への給与を増加させた場合に、その増加額の一部を法人税から税額控除します。中小企業においては、1.5%以上の賃上げの要件を満たせば、給与支給総額の前年度比増加額の15%(減税限度額は最大で法人税の20%)の法人税の税額控除が適用されます。(※4)
 人事評価制度の導入によるインセンティブとしてさらなる控除・減税の積み上げを提案すべく、妥当性を検証しました。
(※4)経済産業省中小企業庁 「中小企業向け所得拡大促進税制ご利用ガイドブック」
(リンク »)

1.賃上げと生産性向上の定量分析
 人事評価制度を導入している中小企業75社が2018年1月~12月に実施された査定に関して、査定前と査定後でどの程度給与が上昇しているのかを調査(※5)した結果、全体で1.5%の昇給を確認し、賃上げ税制の要件をクリアしている結果を得ることができました。また、75社中65社が査定前よりも昇給しており、10社は査定前よりも給与がダウンしました。
(※5)「慶應義塾大学大学院経営管理研究科岩本研究室調査」

2.人事評価制度と生産性の相関
 過去にIT導入補助金を利用し、人事評価制度の整備を行った中小企業47社の2016年度と2017年度の2年間の粗利と従業員数、年間の平均労働時間のデータをもとに、粗利に対する労働投入量(従業員数*平均労働時間)との相関を求め、導入前と導入後で生産性(※6)に変化があるかを調査しました。
 その結果、粗利と労働投入量の人事評価制度導入前の相関係数は0.466、人事評価制度導入後の相関係数は0.600でした。人事評価制度導入後の方が同一の労働投入量に対して効率的に粗利を得やすくなったと解釈することができ、より効率的な経営が行われていると考えられます。
[画像4: (リンク ») ]

(※6)公益財団法人日本生産性本部による生産性の定義・種類
(リンク »)
[画像5: (リンク ») ]



《提言》
人事評価制度をより普及させるため、以下2つの施策提言を行います。

[表: (リンク ») ]



[画像6: (リンク ») ]

■執筆者プロフィール
岩本 隆 慶應義塾大学大学院経営管理研究科 特任教授
(リンク »)
東京大学工学部金属工学科卒業。カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)工学・応用科学研究科材料学・材料工学専攻Ph.D.。
 日本モトローラ株式会社、日本ルーセント・テクノロジー株式会社、ノキア・ジャパン株式会社、株式会社ドリームインキュベータを経て、2012年より慶應義塾大学大学院経営管理研究科特任教授。「技術」「戦略」「政策」を融合させた「産業プロデュース論」を専門領域として、様々な分野の新産業創出に携わる。

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