凸版印刷、ZETAとAIで錦鯉の養殖を見守り

凸版印刷株式会社

From: PR TIMES

2019-04-23 10:13

ZETAとAIを活用し錦鯉などの養殖環境を最適化できる養殖施設向け見守りサービスを開発、実証実験を開始

 凸版印刷株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:金子眞吾、以下 凸版印刷)は、ZETAアライアンスの一員として、次世代LPWA(低消費電力広域ネットワーク)規格ZETA(ゼタ)※1の普及を推進しており、2018年10月に発表した医療施設見守りサービスをはじめ、ZETAとAIを活用したさまざまな見守りサービスの開発を推進しています。

 このたび、ZETAとAIを活用し錦鯉の養殖状況を可視化できる見守りサービスを開発。2019年5月7日から10月31日まで大日養鯉場株式会社(本店:新潟県小千谷市、代表:間野 太)の協力のもと、新潟県にある複数の養鯉場で実証実験を実施します。



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 本サービスは錦鯉の養殖を行う山間部の池付近に、各種センサー、カメラなどを組み合わせて設置し、水位、酸素量、給餌などの養殖管理に必要なデータの取得とその変化を検知することで、遠隔から育成状況、酸素不足などによる死亡や育成不良などのトラブル予知の把握を実現するものです。センサーで検知した情報はクラウド又はオンプレミス※2上に蓄積され、管理事務所など別の場所に設置されたPCやスマートフォンなどで確認が可能です。人手による定期的な目視管理は錦鯉の品質や生産量安定のため欠かすことができませんが、養鯉場の多くは養殖に適した環境である山間部などの遠隔地に点在しており、作業負担が課題となっていました。ZETAの特長である中継器によるマルチホップ(メッシュアクセス)を活用することにより、LTE(携帯)電波が届かないエリアでも通信環境を延長できるため、山間部などの遠隔地に点在する養鯉場における養殖状況の可視化と常時管理が可能となりました。
 また、水位、酸素量、給餌などのデータと育成結果を紐づけて蓄積し、AIを活用しさまざまな育成パターンの学習を行います。これまで、水産養殖の生産方法は、主に熟練生産者のノウハウやアナログな記録が頼りとなっていましたが、最適な育成パターンをデータ化し可視化することで生産プロセスの標準化を図り品質の安定を実現します。

■ 開発の背景
 近年、養殖業界では高齢人口の増加に伴い熟練労働者の離職や労働力人口の減少による人手不足が顕著となっており、働き方改革への注目が高まっています。品質や生産量安定のために定期的な人手による目視管理は欠かすことができませんが、養殖に適した環境が山間部などの遠隔地に点在しており、その作業負担は課題となっています。特に錦鯉は日本の伝統文化としてアジアや欧州で年々人気が高まっており、国内品評会において非常に高値で取引きされているため、鯉の育成不良や死亡をできる限り抑えるための養殖状況の管理が求められています。
 このたび、凸版印刷は見守りが行き届きにくい山間部などの遠隔地に点在する池などの養殖施設向け見守りサービスを開発。複数のセンサーやカメラなどにより育成状況の把握やトラブル予知を可能にし、養殖場と離れている管理事務所などからもクラウド上又はオンプレミスで情報を管理・確認することで養殖の品質や生産量の安定に寄与する見守りサービスの提供を実現します。

■ 本サービスの特長
・ZETAの特長である中継器によるマルチホップ(メッシュアクセス)を活かしたサービス
 ZETAでは中継器によるマルチホップ(メッシュアクセス)が可能となる為、施設の奥まった箇所や山間部、遠隔地に点在する池など電波が届きにくい場所に対しても、中継機を活用する事で安定的に通信することが可能です。

・エッジ処理によりLPWAを活用した遠隔管理が可能
 数百bpsといった低速度のLPWAでは、サイズが大きい画像のようなデータは送信が困難である為、端末側でデータ加工を行うエッジ処理により、遠隔管理に必要十分な範囲に機能を限定し不必要なデータをサーバへ上げずコストを抑える方法を採用しています。

・生産プロセスの可視化とAIを活用しさまざまな育成パターンを学習
 水温、酸素量、給餌などのデータを蓄積することで、熟練生産者のノウハウやアナログな記録に頼り不透明になりがちな生産プロセスを可視化します。AIを活用しさまざまな育成パターンを学習させることで、本サービスの精度を高め品質の安定に寄与します。

■ 今後の目標
 凸版印刷は本サービスの技術検証を進め、2019年秋からサービスの提供を開始し、2022年度に関連サービスも含め約10億円の売上を目指します。また将来的にはIoTカメラ(ZETA版)※3とも連携し、養殖施設だけでなく、農業施設や公共施設管理などにも用途を拡張し、ZETAとAIを活用した見守りサービスの開発を推進していきます。またRFIDやBLEを活用したソリューションと融合することで、ヒト、モノ、機器、インフラなどあらゆるものを可視化し遠隔や無人で管理するソリューションの提供による省人化、自動化を進め少子高齢化による人手不足や働き方改革への貢献を目指します。

※1 ZETA
ZiFiSenseが開発した、超狭帯域(UNB: Ultra Narrow Band)による多チャンネルでの通信、メッシュネットワークによる広域の分散アクセス、双方向での低消費電力通信が可能といった特長を持つ、IoTに適した最新のLPWA(Low Power WideArea)ネットワーク規格。LPWAの規格のひとつであるZETAは、中継器を多段に経由するマルチホップ形式の通信を行うこで、他のLPWAと比べ、基地局の設置を少なくでき、低コストでの運用が可能な方式として注目されている。

※2 オンプレミス
自社でサーバなどハードウェアを設置・導入し、管理・運用する形態。ZETAはクラウド上に用意されたZETAサーバの活用が前提となる為、オンプレミスを利用する場合は他のネットワーク規格も含めて現場に合ったシステム構成を検討します。

※3 IoTカメラ(ZETA版)
2019年4月18日に株式会社ACCESSと凸版印刷が協業開発を発表したヒト、モノを認識するAI機能を搭載した低消費電力の小型IoTカメラ。低解像度の画像データをエッジ側でAI処理することにより不要なデータをサーバへ上げることによる通信コスト増大を回避できます。電源・通信設備不要のため、本カメラを設置するだけで既存の施設や設備を簡単に低コストでIoT化することが可能です。

■大日養鯉場株式会社について
錦鯉の養殖及び販売を行う新潟県内一の規模の養鯉事業者。
主にアジア、ヨーロッパ等海外の錦鯉流通業者向けに販売しており、海外売上が約8割を占めている。
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以  上

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