編集部からのお知らせ
解説集:台頭するロボット市場のいま
解説集:データ活用で考えるデータの選び方

人工蛍石結晶採用レンズの発売から50周年

キヤノン株式会社

From: PR TIMES

2019-11-07 13:00

キヤノンが、人工蛍石結晶を採用したカメラ用交換レンズ「FL-F300mm F5.6」を1969年に世界で初めて一般消費者向けに発売し、2019年で発売50周年を迎えます。人工蛍石は、カメラ用交換レンズのみならず、放送用レンズや天体望遠鏡レンズなど、幅広い光学製品で活用されています。



[画像1: (リンク ») ]



蛍石は、高温で熱したとき、夏の夜に舞う蛍のように美しく発光することから名付けられたフッ化カルシウム(CaF2)の結晶です。蛍石を光学ガラスと組み合わせることで色収差の補正を理想に近い形で行えるようになることは古くから知られていましたが、天然に産出される結晶体は小さく、写真用レンズとしての実用は不可能とされてきました。

[画像2: (リンク ») ]

キヤノンは、通常の光学ガラスでは得られなかった鮮やかで繊細な描写を実現するために、蛍石の有効性にいち早く着目し、1966年8月、蛍石採用の高性能レンズ開発を目指して「キヤノンF計画」を始動し、高性能レンズの研究開発に取り組んできました。

天然石を原料にして人工蛍石結晶を合成する技術は1950年ごろに発明され、すでに光学材料用途の道が開かれていたものの、蛍石に代表されるフッ化物結晶は、真空環境下で1000℃以上の高温で結晶を育成しなければならず、高純度の大型結晶の量産化には装置や製造プロセスなど、多くの課題を解決しなければなりませんでした。

キヤノンの研究者たちは、「蛍石そのものを自らの手で開発し、高性能レンズを開発する」という熱い思いの下、1967年3月に初めて電気炉内で蛍石の人工結晶を取り出すことに成功し、1968年2月には人工蛍石結晶の製造技術を確立しました。さらに、それまでの光学ガラスのような研磨ができないデリケートな素材に、通常の4倍の時間をかけて研磨する特殊加工技術を開発し、1969年5月にキヤノン初となる人工蛍石を採用したカメラ用交換レンズ「FL-F300mm F5.6」を発売しました。以降、現在に至るまで人工蛍石はキヤノンの高性能レンズを設計する一つの手段として用いられています。

また、キヤノンは、1974年12月、培った人工蛍石結晶の量産技術を事業化するべく、オプトロン(現キヤノンオプトロン)を設立しました。キヤノンオプトロンは、人工蛍石結晶の量産化で培った高温真空技術や温度制御技術に磨きをかけながら、さまざまな光学用結晶材料を開発し、2006年7月に米国のスミソニアン天文台に直径40cm近い大型の人工蛍石結晶を含む大小12枚のレンズを納品し、100億光年かなたからの信号観測に活用されるなど、銀河の謎解明へ貢献しています。

キヤノンは、これからも光学技術を中心に映像技術に磨きをかけ、幅広いユーザーの期待に応える技術や製品を提供していきます。また、魅力的で信頼性の高い製品づくりに挑戦し続けることで、光学技術発展の一翼を担い、社会へ貢献していきます。


<蛍石の特性について>

光は水や透明なものにぶつかると、屈折する性質があります。レンズはその性質を利用して透過する光に焦点を結ばせます。ところが屈折する度合いは、色によって異なり、たとえば波長の短い青色は波長の長い赤色よりも急角度に屈折します。そのため同じ光源から発せられた光も、レンズの中で色ごとに分かれてしまい、それぞれの焦点位置が異なってしまいます。これにより、「色収差」と呼ばれる色のにじみが発生します。

[画像3: (リンク ») ]

色収差は、凸レンズと凹レンズでは反対向きに発生するため、分散の小さい凸レンズと分散の大きい凹レンズを組み合わせて光線の進行方向を一つにそろえて、収差を相殺し、2つの波長(赤・青色光など)の焦点を一致させることで補正します。しかし、色収差を補正するために組み合わせたレンズでも、焦点付近を見ると、赤と青の波長の中間である、緑の焦点にずれが生じます。このわずかな残存色収差を、二次色収差または二次スペクトルと呼びます。この色収差の抑制に効果を発揮するのが「蛍石」です。


[画像4: (リンク ») ]



蛍石レンズは光学ガラスと比較して、「屈折率が著しく低い」、「低分散および異常部分分散特性をもつ」、「赤外・紫外部での透過性がよい」などの特徴を備えています。通常の光学ガラスにはないこの特徴を生かして蛍石の凸レンズを作り、色消しをすれば二次スペクトルは極めて小さくなるため、赤・緑・青の焦点がほぼすべて合致し、光の焦点は一点に集まり、色収差の大幅な抑制を実現することができます。

焦点距離が長いことにより二次スペクトルの影響を大きく受ける超望遠レンズでは、この蛍石の性能が大いに発揮されるため、「EF400mm F2.8L IS III USM」「EF600mm F4L IS III USM」(いずれも2018年12月発売)などの最新レンズにおいて、キヤノンは蛍石を採用しています。蛍石を採用した超望遠レンズシリーズは描写の繊細さ、コントラストの高さに、世界中のフォトグラファーから高い支持を集めています。

<蛍石を採用するEFレンズについて>

 蛍石レンズを採用したEFレンズは、これまでに28機種を発売し、現在、11機種を生産しています(2019年11月7日時点)。

[画像5: (リンク ») ]

[画像6: (リンク ») ]



[表1: (リンク ») ]



[表2: (リンク ») ]



[表3: (リンク ») ]


※生産終了



<ご参考>


2019年11 月13 日(水)から15 日(金)までの3日間、幕張メッセ(千葉市美浜区)で開催される国内最大の放送・映像制作機器の展示会「2019年国際放送機器展(Inter BEE 2019)」のキヤノンブースにおいて、人工蛍石結晶を展示します。

[画像7: (リンク ») ]


プレスリリース提供:PR TIMES (リンク »)
本プレスリリースは発表元企業よりご投稿いただいた情報を掲載しております。
お問い合わせにつきましては発表元企業までお願いいたします。

【企業の皆様へ】企業情報を掲載・登録するには?

御社の企業情報・プレスリリース・イベント情報・製品情報などを登録するには、企業情報センターサービスへのお申し込みをいただく必要がございます。詳しくは以下のページをご覧ください。

Special PR

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNet Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]