国内初の薬事承認を取得した大腸の浸潤がん診断用AI技術 AIを搭載した内視鏡画像診断支援ソフトウェア「EndoBRAIN-Plus」を発売 大腸内視鏡検査中、リアルタイムに浸潤がんの診断をサポート

オリンパス株式会社

From: PR TIMES

2021-01-27 17:46

オリンパス株式会社(取締役 代表執行役 社長兼CEO:竹内康雄)は、大腸の超拡大内視鏡※1画像をAIで解析し、検査中にリアルタイムで腫瘍や浸潤がん※2を高精度に判別することで医師の診断を補助する内視鏡画像診断支援ソフトウェア「EndoBRAIN-Plus(エンドブレインプラス)」を2021年2月5日から国内で発売します。本製品は大腸における浸潤がんの診断において国内で初めて薬事承認を取得したAI製品です。病変の腫瘍や浸潤がんの可能性を検査中リアルタイムで示すことで、大腸がんの治療方法の選択における医師の診断をサポートします。



本ソフトウェアは、昭和大学横浜市北部病院、国立大学法人東海国立大学機構名古屋大学、サイバネットシステム株式会社により、AMED※3支援のもと研究開発されました。臨床性能試験を経て、サイバネットシステム株式会社が2020年7月15日に医薬品医療機器等法の製造販売承認を取得し、当社は同社から国内における独占販売権を取得しました。
既に発売しているソフトウェア「EndoBRAIN-EYE」※4、「EndoBRAIN」※5との組み合わせにより、大腸内視鏡検査における病変の検出から治療対象となる病変の判別、治療方法の選択までの一連の工程をAIが支援し、内視鏡検査に携わる医療従事者の負担軽減を目指します。

※1 最大520 倍の光学拡大機能により、リアルタイムに細胞レベルでの生体内観察が可能な内視鏡
※2 大腸壁における癌の浸潤の深さ(深達度)が粘膜下層より深く浸潤するもの、または粘膜と粘膜下層にとどまるもののうち、外科的切除が推奨されるもの
※3 国立研究開発法人日本医療研究開発機構
※4 大腸内視鏡検査中に病変が映っているかを解析することで、医師による病変の検出を補助する内視鏡画像診断支援プログラム
※5 腫瘍・非腫瘍の可能性を数値で示すことで、医師によるポリープの判別を補助する内視鏡画像診断支援ソフトウェア

▪発売の概要

[表: (リンク ») ]



▪主な特長
1. 大腸病変の非腫瘍・腺腫※6・浸潤がんの判別を自動で行い、リアルタイムでの診断支援を実現
2. 超拡大内視鏡との組合せにより高精度に医師の診断をサポート
3. 「EndoBRAIN-EYE」「EndoBRAIN」との併用により、AIが大腸内視鏡診断を包括的に支援
※6 粘膜内癌を含む
[画像1: (リンク ») ]

製造販売元はサイバネットシステム(株)です。

▪開発の背景
大腸がんは、国内がん死亡数第2位・罹患数第1位と、近年増加傾向にあります。大腸内視鏡で腫瘍性ポリープ※7を切除することで、大腸がんによる死亡を大幅(53-68%)に減らせることが報告されており※8、内視鏡検査による早期発見、早期治療の重要性が高まっています。
医師は大腸内視鏡検査において、病変を見落とさずに検出し、検出した病変が腫瘍か非腫瘍かを的確に判別し、前がん病変とされる腫瘍性病変を確実に切除する必要があります。腫瘍性病変には、良性腫瘍の「腺腫」と悪性腫瘍の「がん」の両方が含まれます。さらに、がんは浸潤度によって、内視鏡手術で治療可能なものと外科的手術が必要なものに分けられます。これらのさまざまな浸潤度のがんの判別は患者さんの治療方針の決定につながるため重要ですが、見極めが難しく内視鏡診断上の課題となっています。
今回発売する「EndoBRAIN-Plus」は、大腸内視鏡検査中に当社製の超拡大内視鏡を用いて撮影した病変をAIがリアルタイムで解析し、病変の「非腫瘍・腺腫・浸潤がん」いずれかの可能性を数値で示すことで、大腸がんの治療方法の選択における医師の診断をサポートします。

※7 がんや前がん病変(がんになる可能性のある病変)であり、切除する必要のあるポリープ
※8 参考文献:Zauber et al. N Engl J Med 2012, Nishihara et al. N Engl J Med 2014

▪主な特長の詳細
1. 大腸病変の非腫瘍・腺腫・浸潤がんの判別を自動で行い、リアルタイムでの診断支援を実現
超拡大内視鏡Endocytoで撮影された大腸内視鏡画像をAIが解析し、判別結果(非腫瘍・腺腫・浸潤がんの可能性)を数値で表示します。判別結果は通常検査で行われる内視鏡操作と連動して自動で表示されるため、特別な操作を必要とせず最適なタイミングで支援を受けることができます。判別結果はリアルタイムに表示されるため、検査中に病理診断を予測して浸潤がんを診断支援することで、内視鏡手術または外科手術のどちらの適応になるかの判断をサポートします。

[画像2: (リンク ») ]


2. 超拡大内視鏡との組合せにより高精度に医師の診断をサポート
本製品は染色した大腸粘膜を超拡大内視鏡で観察することで得られる細胞核などの情報をAIが解析し高精度での診断支援を行います。超拡大内視鏡で得られる画像は、病理診断と類似した画像であり、病理診断に匹敵する診断精度が報告されています※9。通常の内視鏡観察は、病変にレンズを接触させず一定の距離を保ちながら診断を行います。一方、超拡大内視鏡観察は病変にレンズを接触させて観察するのが特長です。接触観察により、AIの解析精度のばらつきの要因である対象病変との距離、観察倍率などの観察条件を常に一定にすることで安定した診断支援が可能となり、性能評価試験では、浸潤がんの判別において感度※1091.8%, 特異度※1197.3%という高い診断精度が得られました。

※9参考文献: Kudo S et al. Endoscopy 2011
※10 浸潤がんの病変の画像のうち、本品で正しく浸潤がんと診断された画像の割合。
※11 浸潤がんではない病変の画像のうち、本品で正しく浸潤がんではないと診断された画像の割合。

3.「EndoBRAIN-EYE」「EndoBRAIN」との併用により、AIが大腸内視鏡診断を包括的に支援
本製品は、2020年8月から発売している大腸病変の検出支援ソフトウェア「EndoBRAIN-EYE」、2019年3月から発売している大腸病変の判別支援ソフトウェア「EndoBRAIN」と組み合わせて使用することが可能です。大腸内視鏡検査における病変の検出から治療対象となる病変の判別、治療方法の選択までの一連の工程をAIが包括的に支援することで、内視鏡検査に携わる医療従事者の負担軽減を目指します。

本リリースに掲載されている社名及び製品名は各社の商標または登録商標です。

プレスリリース提供:PR TIMES (リンク »)
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