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農産物流通DXによる流通コストやフードロス、温室効果ガス削減へ貢献

西日本電信電話株式会社

From: PR TIMES

2021-11-05 16:48

~最先端の情報通信技術の活用によるフードバリューチェーン最適化~

 株式会社神明ホールディングス(本社:神戸市中央区、代表取締役社長:藤尾益雄、以下「神明HD」)、東果大阪株式会社(本社:大阪市東住吉区、代表取締役社長:吉川和男、以下「東果大阪」)、日本電信電話株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:澤田純、以下「NTT」)、西日本電信電話株式会社(本社:大阪市中央区、代表取締役社長:小林充佳、以下「NTT西日本」)、株式会社NTTアグリテクノロジー(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:酒井大雅、以下「アグリテクノロジー」)は、サイバー空間上に仮想市場を構築し、NTTが提唱するIOWN構想※1関連技術のデジタルツインコンピューティング※2を用いて未来予測を行い、農産物が市場に運び込まれる前に取引を行うことで農産物流通にデジタルトランスフォーメーション(DX)をおこし、流通コストやフードロス、温室効果ガス削減など地球環境問題の抑制に貢献することに合意し、その実現に向けた共同実験を開始しました。本成果は、2021年11月16日~19日に開催するNTT R&Dフォーラム※3に出展します。



1. 背景
 農産物流通は卸売市場を通過する市場流通と生産者などが購入者と直接取引を行う市場外流通に分類されます。国産青果の約86%が市場流通で売買されることから、市場流通は日本の農産物流通において重要な役割を果たしています※4。
 一方で、市場流通にかかわるステークホルダーが情報を相互に共有できていないために、生産者は、まず農産物を都市部の大市場に輸送します。その結果、農産物が集まりすぎた場合は価格が低下し、余った農産物は周辺の市場へ転送されます。追加の輸送コストがかかることや鮮度低下に加え、昨今の個人宅配の激増や働き方改革、ホワイト物流※5などの影響によるドライバー不足のため配送自体が難しくなる状況も起こっています。また、非効率な輸送による地球環境への影響、さらに、新型コロナウイルスの感染拡大が状況の悪化に拍車をかけており、変革の必要性が高まっています。そのため、ウイズコロナ、アフターコロナを見据え、情報を軸にした「極力農産物(モノ)を動かさない」新しい形の物流の仕組みが必要です。

2.取り組み概要
 農産物流通DXは、以下の(1)~(3)で構成されます
(1)仮想世界(サイバー空間)
 サイバー空間上に仮想市場を構築し、デジタルツインコンピューティングを用いた予測技術により仮想相対取引※6、仮想競り※7を行います。
 仮想相対取引では、卸売市場に集まる取引データや気象情報等による一般的な生産予測に加え、突発的なイベントや市場間の価格変動、コロナ禍における消費動向の変化等、複雑に絡み合った要素から特徴をとらえ、少ないインプット情報からでも瞬時にクラスタリングする未来予測を活用して、仮想空間上で売り手と買い手を結び付け、実際の取引希望日の数日から1週間程度前に売買を成立させます。
 仮想競りでは、農産物の価値を決めるのに必要な品質の把握、例えば、色や形・艶、糖度・酸度、リコピン・GABAなどの機能性成分をできるだけ正確に測定・数値化し、バイヤーが現地にその都度訪問して仕入れることなく、遠隔地から買い手が農産物の良し悪しを判断し、高付加価値商品の取引を行います。
(2)現実世界(リアル空間)
 ライフスタイルの変化によりニーズが急激している農産物の加工(カット・包装等)を一元的に行う加工工場を市場近隣に整備するとともに、デジタルツインコンピューティングを用いた予測情報により事前に労働者確保するなどの労働面での効率化を図ります(物流拠点整備)。
(3)フードバリューチェーンエクスチェンジ
 リアル空間で集めた情報をサイバー空間にある仮想市場に渡し、そこで行われた予測や解析の結果を再びリアル空間にフィードバックします。
 上記(1)(2)を融合させ、関係するプレーヤーに様々な恩恵をもたらします。
 例えば、生産者は需要に応じた農産物の生産(マーケットイン型農業)を行い、収益安定化を図りつつ物流コストを低減させ、卸売事業者は計画的な人員配置や他業務への人員の有効活用を行い、小売・消費者は生産情報をもとに販売計画を立てて安定した収入を得られ、鮮度の高い農産物を手に入れるなど、フードバリューチェーンに関わる人々が恩恵を受けられるしくみを実現します。
 上記の取り組みに合わせて、自宅での食事の需要が高まる中、市場連動型の食材宅配サービスやdポイントを活用した消費者への新たな価値提供も検討します。

図1.農産物流通DXの全体概要

[画像1: (リンク ») ]

カーボンニュートラル、フードロス削減等にも貢献

3.具体的な取り組み
 本実証では、生産者、卸・仲卸、小売など、フードバリューチェーンに関わるプレーヤーが参画し、農産物流通DXに向けて取り組むとともに、以下の内容について検証・評価します。
(1)仮想世界(サイバー空間)
・未来予測技術の検証:実際の農産物流通量と予測流通量の比較、分析・検証、予測精度向上に向けた改善
(2)現実世界(リアル空間)
・加工人員手配効率化:予測技術の活用による市場内の加工人員の削減率
・配車効率化:同技術活用によるトラック積載率向上と台数削減率
(3)フードバリューチェーンエクスチェンジ
・品質評価技術の検証:おいしさ要素(甘味、塩味、酸味等)や機能性の測定、測定結果のサイバー空間上への伝達、仮想セリへの活用可否評価

図2.予測技術の概要

[画像2: (リンク ») ]


4.地球環境問題の解決に貢献
 農産物流通DXはフードバリューチェーン全体の最適化を通じて、温室効果ガス削減や廃棄物の削減等、地球環境問題の解決に貢献します。
 温室効果ガス削減については、農産物流通DXサービス商用化を2024年頃に開始し、輸送トラックの積載率向上、流通ルート最適化、廃棄物の再利用により従来焼却で発生していた温室効果ガスの削減、輸送トラックの電動化、再生可能エネルギーの活用など他の施策も組み合わせることにより、日本の2050年のカーボンニュートラルの実現に貢献するために、全体の輸送量の約35%の削減などをめざします。
 廃棄物の削減については、本来廃棄される余った農産物や規格外品を需要・ニーズを持つ消費者に対してマッチングするとともに、市場や加工工場で余った食品残渣を回収して堆肥をつくり、農家に提供して安心安全な野菜づくりを支援するNTT西日本の地域食品資源循環ソリューション※8も活用して堆肥化し、農産物の再生産につなげます。

5.参画企業
 神明グループは、「私たちはお米を通じて素晴らしい日本の水田、文化を守り、おいしさと幸せを創造して、人々の明るい食生活に貢献します」という企業理念のもと、1902年の創業当初から米穀卸売業を営み、現在は無菌包装米飯・炊飯米等の加工食品の製造販売、外食事業の展開等、お米の消費拡大に向けて国内外で事業領域を伸長させております。また近年では農業従事者を取り巻く環境に対する直接的なアプローチとして、デジタルアグリの推進や種子開発を行う他、青果物、水産品等あらゆる食の分野で事業展開し、川上から川下までの『アグリフードバリューチェーン』の構築を目指すことで日本の食料自給率向上、グローバルでの食糧危機対応に貢献しています。
 東果大阪は、「日本の農業を守り、育て、未来にわたる安定供給を実現する」という基本理念のもと、大阪市中央卸売市場の1つである東部市場の青果物卸売業者として50年にわたり生産者と消費者を結びつけ、日本の食卓に農産物を届け続けてきました。一方、昨今のライフスタイルの変化による消費者ニーズの多様化やドライバー不足、新型コロナウイルス感染拡大など、激変する環境変化においても安定的な青果調達ルートの確保に向けた取り組みも進めています。
 NTTグループは、 “Your Value Partner”として、事業活動を通じて、研究開発やICT基盤、人材等様々な経営資源や能力を活用しながら、パートナーの皆さまとコラボレーション(協業)しながら、デジタルトランスフォーメーションの推進により、社会的課題の解決をめざしています。
 農業も重点分野の1つとして位置づけ、NTT研究所やグループ会社、農業や流通・販売、消費・食に関する象徴的なパートナーと地域に根付いた取り組みを進めています。
(詳細な役割分担は別紙1)

6.今後の展開
 今後は、神明HD、東果大阪、NTTグループが連携して本取り組みを深化させるとともに、連携パートナーを拡大し、全国およびグローバルにも展開しながら、人類の食料問題やフードセキュリティ確保、地球環境問題、生物多様性などSDGsも視野に入れた社会課題の解決に貢献します。


[用語の解説]
※1 IOWN(アイオン)構想:Innovative Optical & Wireless Network
 光ベースの革新的なネットワークの構想
  (リンク »)

※2 デジタルツインコンピューティング
 従来のデジタルツインの概念を発展させて、多様な産業やモノとヒトのデジタルツインを自在に掛け合わせて演算を行うことにより、都市におけるヒトと自動車など、これまで総合的に扱うことができなかった組合せを高精度に再現し、さらに未来の予測する技術。本技術を活用した未来予測や最適化はNTTスマートデータサイエンスセンタを中心に検討を進める予定です。
  (リンク »)

※3 NTT R&Dフォーラム - Road to IOWN 2021
  (リンク »)

※4 農林水産省:卸売市場を含めた流通構造について
  (リンク »)

※5 商品を生産者から消費者へ運ぶ人たちの労働環境を改善すること

※6 卸売業者と買い手が、販売価格及び数量について交渉のうえ、販売する方法

※7 売主(卸売業者)のセリ人が卸売場で、公開の方法により多くの買い手(仲卸業者や売買参加者)に競争で値をつけさせ、最高の値をつけた人に売る取引方法

※8 地域食品資源循環ソリューション
  (リンク »)

NTTグループでは2021年9月28 日に環境ビジョン「NTT Green Innovation toward 2040」を策定し、2030年度までに温室効果ガス排出量の80%削減(モバイル、データセンターはカーボンニュートラル)、2040年度までにカーボンニュートラルを実現することをめざしています。また、NTTグループでは、自らのカーボンニュートラル実現に向けた取り組みを社会へ拡大し、日本政府がめざす2030年に2013年度比で温室効果ガスを46%削減するという目標、および2050年までのカーボンニュートラルの実現に貢献します。
(リンク »)


別紙1.
[画像3: (リンク ») ]


プレスリリース提供:PR TIMES (リンク »)
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