株式会社フジクラ(取締役社長CEO岡田直樹)は、km級の長距離到達性能を実現する60GHz帯ミリ波無線通信モジュール高感度版(以下、高感度版モジュール)を開発し、実験試験局免許※1を取得して実フィールドで各種通信実験を開始しました。
開発した高感度版モジュールは、アンテナ利得向上のためにアンテナ素子数を従来の2倍に大型化した上、周波数を酸素吸収※2による減衰の小さい61GHz~71GHzに限定し、アンテナを最適設計することで、長距離到達性能を実現しました。また、通信信号帯域幅を1/2や1/4に狭めることで、単位周波数あたりの送信電力密度を高め、さらなる長距離伝送を可能とする機能も実装しています。
欧米では高感度版モジュールが対応する周波数帯は免許不要※3で利用できるため、この長距離性能を活かし、バックホール※4用途や移動体通信などの長距離伝送を必要とするアプリケーションに向け、主に欧米での拡販を推進していきます。
【ポイント】
・ミリ波で、km級の長距離到達性能を実現した高感度無線モジュールを開発
・実フィールドでの通信実験を開始
・欧米での販売数の拡大を推進
高感度版モジュールは、2023年2月27日から3月2日スペインで開催される展示会 “MWCバルセロナ2023”の“Hall 5 #5J56ブース”で展示します。会場にお越しの際は、ぜひ当社ブースにお立ち寄りください。
世界中の広帯域ネットワークの構築に向けて、ミリ波を利用した無線通信が注目されています。
世界中で通信の超高速化、低遅延化、大容量化が期待される中、当社は高速大容量通信の実現に向けた機器の開発に貢献してまいります。
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60GHz帯ミリ波無線通信モジュール高感度版
60GHz帯ミリ波無線通信モジュール高感度版 諸元
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※国内向けには61-66 GHzまで対応
本件に関するお問合せは、下記Webサイトよりお願いいたします。
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※1 実験試験局免許:
科学若しくは技術の発達のための実験、電波の利用の効率性に関する試験又は電波の利用の需要に関する調査を行うために開設する無線局であって、実用に供しないもの」と定義されており、こうした目的のために開設し、実験や試験、調査を行うことが可能。
※2 酸素吸収:
60GHz近傍の電磁波が空気中の酸素分子により吸収され、大きな減衰が生じる現象。
※3免許不要
欧米では57~71GHzが免許不要で利用可能な周波数帯として認可されている。一方、日本国内では57~66GHzは免許不要で利用できるが、66~71GHzは免許取得が必要。
※4バックホール(Backhaul):
通信事業者の基幹ネットワークと基地局を結ぶ中継回線
【これまでのミリ波開発の経緯】
「60GHzミリ波無線通信モジュール評価品提供の開始」(2020年1月27日 プレス)
「5G向け新周波数帯(66~71GHz)での実験試験局免許の取得およびフィールド実験の開始」(2020年8月5日 プレス)
「路線バスを使った安全運転支援実証において60GHz帯での高速通信実験に成功」(2021年3月29日 プレス)
「60GHz帯無線通信で高画質・超低遅延動画伝送実験に成功~エンドポイントAI機器・JPEG-XSコーデックと60GHz帯無線通信を組み合わせ高品質なリアルタイム映像伝送を実現~」(2022年1月18日 プレス)
「兵庫県三田市における安全運転支援実証へ参画 ~60GHzミリ波による電柱間無線接続に成功~」(2022年5月17日 プレス)
「国内電波法・技適証明取得済みの60GHz帯ミリ波無線通信モジュールのサンプル提供を開始 ~短期間・低コストでのギガビット級通信ネットワーク機器開発に貢献~」(2022年9月5日 プレス)
プレスリリース提供:PR TIMES (リンク »)
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