米ZDNet編集長Larryの独り言

「Microsoft Build 2017」で新たに見えたWindows、Azure、Dynamicsの可能性

Larry Dignan (ZDNET.com) 翻訳校正: 石橋啓一郎

2017-05-18 06:30

 Microsoftの年次イベント「Build 2017」では、企業のIT担当者が考慮すべき多くのテーマが取り上げられた。

 このイベントで、何が明らかになったのだろうか。ここでは、Buildで浮かび上がってきた6つのテーマを振り返る。

 Microsoftは、「Windows」をAppleの「iPhone」や「Android」、モノのインターネット(IoT)などと結びつけることによって、その競争力を維持することを目指している。同社の最高経営責任者(CEO)Satya Nadella氏は、アナリストに対するブリーフィングの冒頭のあいさつで、一度もスマートフォンに言及しなかった。ただしNadella氏は、モビリティについては何度も言及している。

 同氏の見方はこうだ。

 今後重要なのがマルチデバイス体験であるとすれば、論理的に言って、次に重要になるのはデータであり、その体験を豊かにしているAIは、分散化が進んでいる。実際、このことは誰の目にも明らかだろう。例えば、クラウドでGPUなどを使ってトレーニングを行って、そのモデルをエッジに導入し、人や、場所や、ものを認識できるようなっており、これに普通のカメラまでが利用できるという例が出てきている。

 あるスライドでは、モバイルやクラウドファーストが次のように説明されていた。

Microsoft Build

 この中にスマートフォンを見つけるには、よく目を凝らす必要がある。

 「Windows 10」を搭載する端末は5億人を突破しているが、当面の間はWindowsの話題が議論になり続けるだろう。市場の状況や利用法が変わっていくにつれて、今後もMicrosoftは、中核製品であるWindowsを手直ししていく可能性がある。つまり、今後Windowsは、単なるOS以上のものに変化していくかもしれない。

 Microsoftの「Azure Cosmos DB」は、企業が検討する価値がある製品である。世界中に分散しているマルチモデルデータベースサービスであるAzure Cosmos DBには、高い可用性を保証するSLAが設定されている。大企業はこのSLAを歓迎するだろうが、Cosmos DBがOracleの脅威となり得る製品かどうかはまだ見通せない。Azure Cosmos DBは、Oracleを手こずらせている「Amazon Web Services」(AWS)の豊富なデータベースのラインアップとも、互角に戦える可能性がある。いずれにせよ、大企業はSLA付きのデータベースを好意的に見る可能性が高い。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    「デジタル・フォレンジック」から始まるセキュリティ災禍論--活用したいIT業界の防災マニュアル

  2. 運用管理

    「無線LANがつながらない」という問い合わせにAIで対応、トラブル解決の切り札とは

  3. 運用管理

    Oracle DatabaseのAzure移行時におけるポイント、移行前に確認しておきたい障害対策

  4. 運用管理

    Google Chrome ブラウザ がセキュリティを強化、ゼロトラスト移行で高まるブラウザの重要性

  5. ビジネスアプリケーション

    技術進化でさらに発展するデータサイエンス/アナリティクス、最新の6大トレンドを解説

ZDNET Japan クイックポール

自社にとって最大のセキュリティ脅威は何ですか

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]