Microsoft Connect();

Connect(); Japan 2017レポート--生産性を大幅に改善するMicrosoft AI

阿久津良和

2017-11-27 07:30

 日本マイクロソフトは2017年11月17日、Microsoftが米ニューヨークで開催した「Connect(); 2017」で発表した内容を解説するイベント「Connect(); Japan 2017」を都内で開催した。本稿では、日本マイクロソフト Azureテクノロジスト 佐藤直生氏のセッション「Microsoft AIによるインテリジェントアプリケーションの構築」で語られた内容をご紹介する。

 Microsoftは「AI(人工知能)の民主化」を標榜し、データの意味を解釈する「Understanding(理解)」、結論を導き出す「Reasoning(推測・予測)」、そしてフロントエンドにチャットボットなどを配置して、人から見ると自然なやりとりを実現する「Natural UI(自然なUI)」を注力ポイントに定めている。その1例として佐藤氏は、Microsoft Principal Software Engineer, Corom Thompson氏がConnect(); 2017向けに実施したデモンストレーションを紹介した。

 1963年11月22日に米大統領のJohn F. Kennedy氏がLee Harvey Oswald氏に暗殺されたのは周知のとおりだが、1992年に米議会は暗殺に関するすべての文書を公開することを義務付けている。その文書は6000ページを超え、最終的には2倍以上に及ぶという。人間がすべての文書に目を通すには何十年とかかるため非現実的だ。Thompson氏は膨大な文書をMicrosoft Cognitive Servicesを使用して知識を抽出し、Azure Searchで全文検索を行う検索可能なウェブサイトを構築した。


日本マイクロソフト Azureテクノロジスト 佐藤直生氏

 具体的には、画像として公開された文書をOCRでテキスト化し、Computer Vision APIで画像から情報を抽出して、検索性を高めるためのタグを付与している。その結果、CIA(米中央情報局)がOswald氏の隠語として用いていた「GPFLOOR」が同義語であることをWikipediaの情報から拾い上げ、真犯人と疑われていた元KGB(ソ連国家保安委員会)のYuri Nosenko氏の関係性をグラフで表示していた。また、音声データはSpeech to Text APIでテキスト化し、同列で検索可能にしている。この他にもBlob Storageに蓄積したデータをAzure FunctionからCosmosDBに格納し、Azure Machine Learningで分析といったバックエンド構造があった。


JFK暗殺事件の全文検索を行う「The JFK Files」

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