日本医科大学は学生のアンケート分析にデータ分析基盤を活用している。授業の改善に向けたPDCAサイクルを高速に回せる仕組みを構築した。
同大学では、学生証を兼ねたICカードを使って出欠状況や授業評価などのデータをアンケートシステムに蓄積し、必要に応じてデータを抽出・集計・加工してレポートを作成していた。しかし、従来のシステムでは一部の担当者しかシステムにアクセスできず、データの準備に時間がかかっていたほか、作成したレポートが活用されているかどうかも把握できなかった。
こうした状況を改善するためアンケートシステムを刷新を決め、そのデータ分析基盤に「Dr.Sum」を導入した。文部科学省の補助金を利用した新しい機関研究(IR)システムを構築しており、その一環としてアンケートシステムもIRシステムに移管された。
新システムでは、出欠状況や授業評価といったデータを夜間作業で処理する。約500人の教職員が各自のユーザーIDでシステムにアクセスし、担当する授業の評価データのみを参照できるようにしている。科目責任者は責任科目の評価データ、教育系管理教員は全授業の評価データを参照可能。医学教育センターの担当者は、分析に必要な全授業の明細データを参照できるようになった。
同大学では、今回の取り組みで、授業の改善に向けたPDCAサイクルを高速に回せる仕組みを構築し、その中でも重視しているC(チェック)の作業を速やかに実施可能になったとしている。