日立JP1 Version 10が目ざす、これからの運用管理--その3

【リレー連載】「語らせて!運用管理のやさしい/やさしくない」 その3 今回のコラムはITジャーナリストの松岡功氏だ。

私はITジャーナリストとして30年余り活動してきましたが、IT分野の中でもシステム運用管理の世界は非常に重要だと認識しながらも、最も理解しづらい印象がありました。そこで私がかねてから採ってきた方法は、常にJP1の進化をウォッチしておくことでした。長年にわたってその時々に求められる運用管理のコンセプトやそれを実現する技術を生み出し、競合製品の追随を許さぬ確固たる実績を上げてきたJP1は、私にとって運用管理のスタンダードともいえます。
さらに、今回の最新版が「複雑化するITシステムの運用を自動化し、運用管理負担を軽減する」ことに重点を置いていると知り、思わず「なるほど」と唸ってしまいました。それというのも、ここ最近、この分野に詳しい有識者やエンジニアから「仮想化の次は自動化。複雑なワークフローをどこまで自動化できるかが、運用管理の最先端を競う決め手になる」と聞いていたからです。自動化はユーザーからすると、まさに「やさしい」を実現してくれるものです。しかも「誰にでも簡単にできる」ことをコンセプトに掲げるJP1の最新版は、さらに進化した運用管理の在り方を明示したものといえるでしょう

 こう語る松岡氏。JP1 Version 10で実装された新機能については、どのような感想を持ったのだろうか!?コラムの後半は製品解説に続いて読めます。お楽しみに!

システム監視とスマートフォン管理をサービスで提供

 JP1 Version 10は機能を強化しただけにとどまらない。新たな提供形態として「サービス」が加わることになった。まずは日立の高度な知見を盛り込み障害の予兆も検知するシステム監視「JP1 システム監視サービス」と、企業内のスマートデバイスの資産管理とセキュリティ管理機能をSaaS型で提供する「JP1 スマートデバイス管理サービス」の2種類が提供開始となる。

JP1 システム監視サービス

 日立のセンターからお客様のシステムを24時間リモート監視する。日立が培った高度な運用ノウハウをサービスとして利用できるのが特長だ。サービスは導入が早く、初期コストを抑えることができるので、お客様は自社のシステムの特長に合わせて、ソフトウェアとサービスの両方からメリットの出せる選択を取ることが出来る。

 本サービスはシステム障害が発生すれば通報するだけにとどまらない。運用状況の推移から異常の予兆をいち早く検知して通報する。障害対策が後手に回ることなく、影響を最小限に食い止められる。日立だからこそ可能となるサービスだ。

 万が一の事態になったときは、日立の製品サポートと連携し、障害発生から原因究明、対策案の提示までワンストップでご提供することで、お客様システムの安定稼働を支える。また、障害時の復旧手順を分かりやすくナビゲーションするサービスメニューも取り揃えており、経験の浅い担当者でも慌てず、確実に対処可能となる。また障害が発生していない平時でも、監視データから障害リスクを予測するなど定期的に診断を行う。診断結果から今後の予防策とシステム計画が提示されるため、さらなる安定稼働とシステムの最適化に活かすことができる。

JP1 スマートデバイス管理サービス

 企業内システムで利用されるスマートフォンやタブレットなど、スマートデバイスの資産管理機能を提供する。SaaS型で提供されるのが特長だ。日立のクラウドを用いているため、小規模から数万台の大規模までスケーラブルに対応可能。またJP1/IT Desktop Managementと連携できるため、管理者はパソコンとスマートデバイスを一元的に管理できる。

 本サービスはスマートデバイスのライフサイクルに合わせて必要な管理サービスを提供する。例えば新規手配では端末の登録、ポリシーの一括設定、アプリ配布、盗難や紛失ではリモートロックやリモートワイプなどを適正かつ円滑に行う。管理項目や設定などセキュリティポリシーのあり方は企業により様々。例えば「カメラは稼働させない」「OSやセキュリティパッチは常に最新のものを適用する」など。こうした各社のポリシーに合わせて柔軟に設定できる。

 スマートデバイスが有効活用されているか把握することも可能となる。利用状況レポートから各ユーザーの利用頻度を把握できるため、使用率の低いユーザーからはデバイスを回収し、必要性が高い部署に回すなど、効率よく資産を運用することも可能だ。

記事を読んでのコメント~ITジャーナリスト 松岡功氏

まず、注目すべきは、JP1ブランドでサービス商品が初めて登場してきたことです。これは取りも直さず、クラウド時代の運用管理の在り方を見据えての展開でしょう。JP1の技術やノウハウが礎になっているのは当然でしょうが、今後どのようなサービスが拡充されるのか。さらには運用管理基盤も含めて、JP1がどのような構造になっていくのか、非常に興味深いところです。
今回提供される「JP1システム監視サービス」および「JP1スマートデバイス管理サービス」については、「クラウド」および「スマートデバイス」をキーワードにいずれもユーザーニーズが非常に高まってきているサービスだといえます。とりわけ、スマートデバイス管理サービスについてはSaaS型で提供されるうえ、従来のPC資産管理の延長でPCとスマートデバイスを一元管理することもできると。MDMもこうした形で運用管理基盤と連携していくのが望ましい姿のように思います。ぜひともユーザーの活用事例を取材してみたいものです

ここまで3回連載でお送りした運用管理コラムと、日立JP1 version 10の機能紹介。
「やさしい運用管理」の実現は、今後の運用管理ソフトウェア市場で、大きな差別化のポイントとなるはずである。

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