ニフティ×クララオンライン 中国ビジネスセミナーレポート

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2015-11-06 13:00

[PR]ニフティとクララオンラインは10月15日、中国ビジネスにおけるクラウド活用をテーマにしたセミナー「成功の鍵はITにあり!中国ビジネスクラウド活用セミナー」を開催。ビジネス環境が激しく変化する中国において、クラウド活用にどんなメリットがあるかを解説した。

ニフティとクララオンラインは10月15日、中国ビジネスにおけるクラウド活用をテーマにしたセミナー「成功の鍵はITにあり!中国ビジネスクラウド活用セミナー」を開催。ビジネス環境が激しく変化する中国において、クラウド活用にどんなメリットがあるかを解説した。

中国ビジネス向けパブリックIaaS「鴻図雲(ホンツーユン)」が人気

 企業がグローバル展開を進めるうえで無視することができない中国。世界経済における巨大な市場として今も有望だが、法規制やビジネス状況が激しく変わることから、手を焼いている企業も少なくない。そんななか、企業の大きな力となるのがクラウドだ。環境の変化に合わせて、ビジネスを柔軟に展開できるシステム基盤を提供することができる。

 これまで、中国では独自のIT規制などもあり、日本と同じようにクラウドを利用することができなかった。この状況を打開すべく、ニフティとクララオンラインは今年、中国国内でクラウドサービス「鴻図雲(ホンツーユン)」の共同提供を開始。以来、中国で初となる日本企業による日本品質のクラウドサービスとして利用が拡大している状況だ。

 セミナーではまず、ニフティで中国クラウドを推進するクラウドインテグレーション部 課長の渡邊太郎氏が「成功の鍵はクラウドにあり!中国ビジネス向けパブリックIaaS "鴻図雲"のご紹介」と題して、中国のクラウド事情と鴻図雲のメリットを紹介した。


ニフティ
クラウドインテグレーション部
課長 渡邊太郎氏

 渡邊氏によると、中国のクラウドは今まさに"爆発期"に入ったところだ。IaaS/PaaS市場は2018年に2014年の3.9倍に拡大する見込みという調査結果も出ており、中国政府は5年以内に行政システムをすべてクラウド化することを宣言した。民間における技術進化も速く、現在は、IaaSの提供が一気に進み、PaaS領域での競争が激化している状況だ。阿里巴巴(アリババ)、微博(ウェイボー)、微信(ウェイシン、WeChat)といった現地企業はサービス展開の一方で、みずからクラウド基盤も提供している。

 「中国の人口は日本の10倍で、サービスの当たり外れの振れ幅も大きい。流行の動きも速く、特にコンシューマ向けビジネスではクラウド利用が必須という状況です。日系企業の間でも、中国進出の目的がオフショアからマーケットへと明確に変化し、"元を稼ぐ"というマインドが高まっています。機器のサービス化やソフトウェアのSaaS化など、中国での新しい事業展開に踏み出す企業も増えています」(渡邊氏)

 そんな状況下で、ビジネス展開に拍車をかける要となるのが鴻図雲だ。日本国内で4000件の導入実績を持つ「ニフティクラウド」と、中国ビジネスの経験が豊富なクララオンラインが連携することで、中国でのビジネスに最適なクラウドサービスに仕上げた。

 特徴としては、まず「南北問題」と呼ばれる、大陸内での通信の課題(遅延や障害)を解決したことがある。主要ISP(中国電信、中国聯通、中国移動、科技網、教育網)とBGP接続を行うことで、中国全土へのスムーズな情報配信を可能にした。

 また、クラウドだけでなく、物理環境とのハイブリッド構成ができることもポイントの一つだ。拠点の複数のオンプレミス環境や、既存の物理ホスティング環境を鴻図雲と接続できる。このことで、企業はより効率的なIT活用が可能になるのだ。

 さらに、パートナーと連携して、IaaS周辺サービスもワンストップで提供する。たとえば、ネットワーク/データ送受信では、ファイル転送高速化の「SilverBullet」、VPNサービス、中国内のCDNサービス、通信環境改善コンサルティングサービスなどを鴻図雲と一緒に利用できる。

 渡邊氏は「利用シーンとしては、負荷が読めない/繁閑の波があるサービス、複数の拠点から利用するシステム、企業間コラボレーションが重要なプロジェクト、バックアップなどがあります。移行のしやすさや、クラウドとしての柔軟性をご評価いただいています」と人気の理由を説明した。

クラウドで解決! 実際に起こった3つのトラブル事例とは

 続いて、クララオンライン中国で副総経理を務める中戸川浩氏が登壇。「最新事例から学ぶ、中国インフラまるわかり講座」と題して、中国現地でのビジネス実態やクラウドの活用事例を紹介した。

 クララオンラインは2008年から、中国進出した日系企業に対してITシステムのホスティングやコンサルティングを展開してきた。鴻図雲の提供にあたっても、2013年から先行してサービスの導入を支援し、実際の課題に直面しながら中国ビジネスのノウハウを蓄積してきた実績がある。


クララオンライン中国
副総経理 中戸川 浩氏

 中戸川氏は、まず、中国IT事情とクラウドサービスの現状を伝えるために、クララオンラインの北京オフィスから北京データセンターまでの道のりを仮想的に案内してみせた。中国では、スマートフォンアプリを使ったコンシューマ向けサービスが急速に発達している。位置情報を使った割引クーポンの配布やタクシー配車サービスは日本以上に利用されている現状がある。タクシー移動の際には配車アプリを利用し、さらにはその決済にSNSと連動している決済アプリが利用可能であるという。実際、地図を見ながら、データセンターへもタクシーを呼んで簡単に移動できると説明した。

 「データセンターは、北京空港から20分、北京市内から30分の距離です。万一の際に駆けつけやすく、耐震構造、冗長化電源・バッテリー設備、消火設備を備えます。セキュリティゲートやラックルームへの制限といったセキュリティは日本と同等レベルです」(中戸川氏)

 中国ではこうしたデータセンター拠点へのニーズが高まっており、数千ラックのデータセンターが2年で完売したケースもあるという。クラウドプレーヤーも百花繚乱と呼べる状況だ。実際、セミナー会場で配布された資料には100以上のサービス名が記載されていた。なかでも、中国最大のサービスとして知られるのが阿里巴巴グループによって提供されている「阿里雲」だ。ECサイト淘宝(タオバオ)、天猫(テンマオ)の基盤として利用され、シリコンバレー、ドイツ、ドバイにもリージョンを展開する。ちなみに、淘宝・天猫で年1回開かれる「双十一」と呼ばれる特売セールは、1日で売上1兆円(2014年に571億元)、流通発送数2.78億件という規模だった。

 そのうえで、中戸川氏は、中国ビジネスや中国クラウド利用の注意点として、日系企業が直面した、3つの実例を挙げて説明した。

 1つめは「取得したはずのICP番号が使えない」というケース。ICP番号とは、中国でWebサイトを開設するときに必要となる番号だ。事前に申請手続きを行って許可を得る必要があり、拠点のある省のISP/IDC事業者から申請する必要がある。問題になったのは、青島(山東省)の企業がWebサイトを北京市のDCを使って開設する際、既存のICP番号が利用できなかったこと。そこで、クララでは、バックエンドのデータベースなどを鴻図雲に構築し、フロント側だけを、省外のICP番号を利用できるクラウドで受け持つ構成を提案。既存のICP番号を生かしながら、データを安全に管理できるようにした。

 2つめは、「メールが送れない」というケース。あるマーケティングリサーチの企業が月10万通のメルマガを配信しようとしたが、規制のために送れなかったという。中国ではスパム対策のためにメールプロバイダーの送受信量が厳しく制限されている。この問題を解決するため、中国企業が提供しているメール配信用SaaSサービスをメールのフロントリレーサーバとして利用し、そのバックエンドに鴻図雲を配置する構成とし、送信量をコントロールする案を提案。このサービスからのメール送信は規制対象外となるはずなので、要望通りのメール数が配信できるか確認している段階だという。

 3つめは、「通信が遅い」というケースだ。中国全土向けにオンラインゲームを配信しようとしたが、システムの都合上、上海に配置しているサーバと連携する必要があり、北京と上海間の通信が不安定なため、期待しているレスポンスが得られないことが課題となった。そのため、最短となる経路をを見つけ出し、個別に指定することで速度を改善することができた。これは、データセンターとの強いパイプがあったから実現できたことだという。

 中戸川氏は「これらは特にトラブルになりやすいケースです。中国のインターネットを熟知したクララオンラインと日本で実績があるニフティクラウドが共同で取り組むことで、こうした課題を解決できるようにしています」と強調。そのほかにも、パートナーのソフトウェアをSaaSソリューションとして提供していることを紹介した。

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