好機到来!? Windows Server 2003サポート切れ間近の今こそITインフラ全面リプレースのチャンス…かも!?
「じゃ、来週の月曜午前中には出しておいて」 - 昼食から戻ってきたばかりのカワシマにナカタニ部長はそうつっけんどんに言い置いて外出してしまった。部長のムチャぶり自体はいつものことだからあまり驚かないのだが、言い渡されたその内容にカワシマは軽い驚きを禁じ得なかった。「…へえ、ウチの会社もやっとこういうことが必要だと思うようになったのか」。
まだ1年? いいや、たったの1年! 突然舞い降りてきた"WS2003全面リプレース"指令
ナカタニ部長が一方的に振ってきた"こういうこと"、それは社内のWindows Server 2003のリプレースであった。現在、数十台は稼働していると思われるWindows Server 2003を、2015年7月のサポート切れまでには使っていない状態にしろと言う。言い換えれば、Windows Server 2003の代替手段を完璧に用意しておけという命令とイコールの通達でもある。いまは2014年5月だからあと1年以上も先のことじゃないかって? いやいや、現役でバリバリ動いているファイルサーバの全面リプレースとなるとそう簡単には済まない。遅くとも年内には移行計画のほとんどを立て、検証までに終えていなければ、とうてい間に合わないことは容易に想像できる。
中堅どころの製造業にしてはめずらしく専門のIT部門を置いているここモリヤマ製作所だが、実質はナカタニ部長(総務部長と兼任)とカワシマ、それに3カ月前に中途入社で入ってきたものの、営業では使えないからと1週間前に回されてきた(押し付けられた)オオクボだけである。同じ部署だがあんまり喋ったことはなく、ITのナレッジも不明である。つまりWindows Server 2003のリプレース作業は実質、カワシマひとりでやらなければならない状況といっていい。だが、今回はいつものムチャぶりとは違う感慨をカワシマは抱いていた。「OSの保守切れを気にするようになるなんて、ウチの経営陣もけっこうまともなリテラシをもつようになったんだなー。やっぱり今年のWindows XP騒動が大きかったんだろうか?」 - いやいや、そんな感慨にふけっているヒマはない。とにかく作戦を練らなければ!