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Second Life 新世界的ものづくりのススメ--その18:余剰スペースで遊ぶパート5--オフィスで動画再生を可能に |
お知らせ:シーネットネットワークスジャパンのSecond LifeオフィスがあるSIMで、名称が変更されました。オフィスの新しい場所は、Cyber Adventure 118, 30, 31となります。
(前回よりつづく)
私のファーストライフの仕事、それは、中堅メーカーの新規事業部の仕事だ。「我が社のコアコンピタンスを活かして新しい事業を創出する……」と言葉はかっこいいが、実質は利益の出そうな分野を探し出し、地道に新しいビジネスを作り出さなければいけない。私はそのためにこの会社に呼ばれたのだ。
私は、朝のやりとりを再度思い出していた。
このSecond Lifeの世界にはウェブとは違う「新しい考え方が必要だということ」だった。そして,そこには「新しい指標」が存在するということだった。その新しい考え方を基にした企業SIMの展開方法を聞こうとしたとたん、「続きはランチタイムでね」となった。それまですこし頭の整理をしておこう。確か彼女が言っていたことはこういうことだった……。
まず、ウェブでの効果を表す指標には、アクセス数、PV数、滞在時間、コンバージョン率がある。これらをSecond Lifeにあてはめた場合、アクセス数についてはSecond Life内では限界があるため、ターゲティング施策がより必要になる。また、PV数よりも、滞在時間がより重要になる。さらに、そこでどんなサービスを展開するかによるが、コンバージョン率は、サイトページ単位での確率ではなく、もっと別の計算方法が必要になる、ということだった。
こうしてみると、やはりウェブとは違う。ウェブではページ構成だったため、ある意味ページを単純に振り分けて確率を算出してその数値をもとに次の施策が練られた。しかし……。
新しい世界には新しい考え方と新しい指標が必要だ。そして、それをもとにした企業SIMの評価、施策、改善の流れに落とし込む必要がある。
さて今日のランチタイムは今までにない、ランチタイムになりそうだ!
前回はカフェを作成した後の「整合性の調整」、そして、プールの作成における「土地の編集」を紹介した。プールの水を表現するためには、画像のアニメーション(テクスチャアニメーション)を使う方法と、現実世界同様に土地を掘り下げたときに現れる水を使う方法の2通りあったが、前回は後者を選択した。それによりリアルな水の表現が可能になった。
それでは今回は、Second Life内で動画を流す方法を解説しよう。Second Life内で動画を流すのはそんなに難しいことではない。動画として「MOV」(QucikTime形式)データと自分の土地を用意できれば、誰でも流すことができる。
ただし、動画は、どこかのサーバにアップロードしておく必要がある。また、動画を流すための設定は、その土地のオーナーでないとできない。そのため、土地をあらかじめ購入、または、一時的にでもオーナーなれるレンタルしておく必要がある。
また、動画を見ることができるよう、ビューワを設定しておく必要もある。ビューワの「編集」メニューにある「好み」をクリックし、「嗜好」ダイアログボックスを開く。下図にあるタブをクリックし、「ストリーミングビデオが有効な場合を再生」にチェックを付ける。これで、動画を見ることが可能となる。この設定を完了しておくことで、動画を流しているエリアに入った時にムービーコントローラの表示が可能となる(詳細は後述)。
それではまず、動画を流すエリアを設定する。前回解説した「土地を編集」を使って土地を選択し、エリアを指定する。下図は見やすいように建物などを一時的に消しているのだが、黄色い枠で示されている部分を、動画を流すエリアとして設定する。
建物が立っている状態だと下図のようになる。動画を流すエリアは赤枠部分となる。この赤枠にアバターが入ると動画再生モードが有効になり、ビューワ画面下中央に右図のようなムービーコントローラが表示される。逆に、この赤枠よりも外からでは動画を見ることはできない。これでエリア分けは完了だ。ここは少し面倒な部分だ。
次に土地の設定だ。まず、土地の情報を表示する。先ほど設定した動画を流したいエリア内にいる状態で、右図の赤枠で示したビューワ画面上の部分をクリックすると、下図のようなダイアログボックスが現れる(このダイアログボックスは、地面を右クリックして表示させたパイメニューで、「土地情報」を選択しても表示される)。
この中の「メディア」タブを開くと、「音楽URL」の下に「メディアテクスチャー」という項目がある。ここの「このURLからのコンテンツつき」に、サーバにアップロードされている動画ファイルのURLを入力しよう。
ちなみにその土地のオーナーでない人がこのタブを見ると、下図のようにURLはわからないようになっている。
ここまでで、動画を流す土地の設定が完了した。次に、動画を映し出すスクリーンを用意する必要がある。プリムを使って作成したスクリーンに、動画再生スクリプトを埋め込むという作業になる(スクリーンの作成自体は、この連載をここまで読んでいれば難しくないはずだ。なので、今回は省略する)。
動画再生スクリプトにはいろいろな種類ある。再生が終わったら止まるものや、アバター制限をすることでクリックをしたアバターのみ視聴が可能になるものなど、機能をつけようと思えばいろいろと追加することができる。
しかし、ここではわかりやすいように、ほとんど1行で動作する動画スクリプトを紹介しよう。下図がそのスクリプトになる。赤枠で示したように、実質2行くらいのスクリプトだ。では、この赤枠の中を説明しよう。理解を深めるためにも、第16回を参照してもらいたい。
「touch_start()」部分は、オブジェクトがタッチされた時にどのような処理を実行するかが記述され、「イベントハンドラ」と呼ばれている。オブジェクトに対して何らかのアクションが発生した時、「touch_start()」のような、スクリプト内で水色で記述されている処理(イベント)が実行される。
今回のスクリプトの動作は、次のようになる(括弧内はスクリプト上の表記)。
以上のようなスクリプトを記述し、作成しておいたスクリーンに埋め込む。すると、動画を流すための設定をした土地にアバターが来ると、ムービーコントローラが出現する。コントローラで再生ボタンを押せば、動画の再生が開始される。あるいは、「タッチスタート」イベントを埋め込んでいるので、スクリーンをクリックすれば動画の再生が開始される。再生を停止したい場合には、ムービーコントローラのストップボタンを押せばよい。
今回紹介したスクリプトを使う場合、ひとつ注意点がある。スクリーンを作成する時に、スクリーンのテクスチャ設定を「デフォルト」にしておいてほしい。今回のスクリプトは、記述をわかりやすくするため、最小限の内容にとどめている。そのため、スクリーンのテクスチャは、下図のようにデフォルトで設定した。デフォルト以外のテクスチャを使って動画を再生できるようにも設定できるが、スクリプトは複雑になる。それはまた別の機会にでも紹介したいと思う。
カフェの中から再生するとこのように表示される。座る場所によって2種類の動画が再生されるので、是非試してみてほしい。
動画については以上だ。余剰スペースの活用も終了し、オフィスもついに完成だ。
さて、シーネットネットワークスジャパンのSecond Lifeオフィスが完成したことで、同オフィスを題材にした連載もひとまず今回で終了となる。いわばシーズン1の終了だ。連載は、7月26日から少し趣向を変えて再開することとなる。
それまでの1カ月間、実は皆さんにやってもらいたいことがある。
第11回で少し紹介した「Second Lifeものづくりセンター」がオープンする!これまでの連載で紹介した内容を立体的に学習でき、テクスチャやスクリプトが無料で入手できるセンターがオープンするのだ。
次回の連載が開始されるまでに、ウェブを使った2次元的な学習だけでなく、3次元的な学習にもより「Second Lifeでのものづくり」をマスターしておいてほしい。場所は、シーネットネットワークスジャパンのSecond Lifeオフィスのすぐ隣、Cyber Adventure 197, 79, 31だ。それでは、それまで……Good Luck!
お知らせ:シーネットネットワークスジャパンのSecond LifeオフィスがあるSIMで、名称が変更されました。オフィスの新しい場所は、Cyber Adventure 118, 30, 31となります。
(編集部注:この記事に登場するオフィスおよび「ものづくりセンター」について、シーネットネットワークスジャパン株式会社による運営は2009年8月31日で終了しました。2009年9月1日以降は、サイバーアドベンチャー株式会社により運営が継続されます)
東北大学心理学専攻卒業。1年間のLA留学を経て、ソリッドレイ研究所でバーチャルリアリティのシステムインテグレーション、立体映像システム構築、HMDシステム構築などを経験。IT系コンサルティング会社を経て、デジタルハリウッド大学大学院コンテンツマネジメント修士課程修了(MCA)。その後、Linden Lab本社にてSecond Lifeカリキュラムのトレーニングを受ける。現在デジタルハリウッドにて「Second Life」セミナーを開催。また、バーチャルリアリティ、メタバース関連のシステム開発/プロデュースを行うサイバーアドベンチャー(株)を設立し、そのCEO職に就いている。
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