掲載日時: 2009-12-16 10:21

そして今度は--Linuxが取り入れるべきWindowsの美点10選

Windowsが取り入れるべきLinuxの特長を挙げた先日の記事に続き、本記事では、Linuxにもあればよいと思うWindowsの特長を10個挙げる。

著者 : 文:Jack Wallen(Special to TechRepublic) 翻訳校正:村上雅章・野崎裕子

URL : https://japan.zdnet.com/article/20405410/

 筆者は先日、Linuxの特長のなかから、Windowsにもあれば良いと思うものを採り上げた。そして今回は、Windowsの特長のなかから、Linuxにもあれば良いと思うものを採り上げている。

 筆者は先日、「Windowsが取り入れるべきLinuxの美点10選」という記事を執筆した。このため今回は、Windowsの持っている特長のなかから、Linuxにも取り入れてほしいと思うものを10個採り上げている。なお筆者は本記事において、典型的なLinux信奉者になりきり、Windowsには他のOSに取り入れられれば良いと思えるような特長など何もないというジョークを飛ばすつもりはない。Windowsには素晴らしい特長があるということは皆も分かっているはずだ。とは言うものの、本記事のなかには、OS自体の特長というよりもコミュニティやビジネスモデルの特長というべきものもいくつか含まれている。

 断り書きを述べたところで、さっそくWindowsの世界に分け入ってみることにしよう。

#1:マーケティング

 まず最初に、重要なものを挙げておく必要があるだろう。Microsoftよりも優れたマーケティングを行うIT企業はおそらく1社のみ--すなわちAppleだけだろう。とは言うものの、「おそらく」というところを強調しておく必要がある。そして、Linuxのマーケティングが十分ではなく、効果的でない(あるいは欠けていると言ってもよい)ということは周知の事実である。筆者は、LinuxがWindowsと同等のマーケティングを行えたとすれば、OS戦争の勝者になるだろうと確信している。

#2:ハードウェアに対するサポート

 この項目に関しては、あまり声高に言う気になれない。Linuxのハードウェアサポートは一昔前に比べれば劇的に改善されているからだ。とは言うものの、まだまだ改善の余地が大きく残されている分野もある。具体的に言えば、ワイヤレス分野だ。Linux上でワイヤレス接続を行えない理由はたいていの場合、該当ワイヤレス機器のチップセットがサポートされていないというものである。以前に比べると、サポートされていないチップセットはかなり減ってきているとはいえ、未だに存在している。Linuxの潜在的な新規ユーザーがこういった問題に遭遇すると、該当機器が稼働するとわかっているWindowsを使い続けようという気になってしまうだろう。Windowsの場合、ドライバ探しに1時間(あるいは1日)を費やすこともあるかもしれないが、探せば必ず見つかると分かっているのだ。

#3:スマートフォンとの同期

 あなたの使用しているスマートフォンが何であれ、それを利用する最大のメリットの1つは、PCと同期できるというものであるはずだ。少なくともWindowsでは、そういったことが可能である。しかし、Linuxマシンとスマートフォンを接続した場合、多くの機種で何らかの機能に制限が課されてしまう。OSにAndroidを採用している筆者のHTC Heroでさえも、Linuxとの同期を行うことができない。Android携帯に楽曲を追加することはできる。しかし、連絡先やカレンダー、電子メールをEvolutionやKMailと同期させようとすると、果てしない悪夢に悩まされることになる。一方、Windowsではこういった作業がごく簡単に行えるようになっている。

#4:エンタープライズにおける存在感

 Linuxは、さまざまな観点から見ても小規模企業やエンタープライズでの利用に適している。デスクトップとして利用するか、サーバとして利用するかにかかわらず、Linuxによって従業員の作業効率を向上させることができるわけである。しかし、そういった作業効率の向上は実際のところ、何らかの変革を行って初めて成し得ることであり、それなくしては成し得ないことなのである。ここで言う変革の内容が何であるか、筆者は確たる答えを持っていない。しかしほとんどの場合、業務現場における変革が必要となると考えている--そして、そういった変革は起こらないということも周知の事実である。とは言うものの、Linuxがエンタープライズ分野においてWindowsと同様の存在感を持つことができれば、IT分野全体(企業での使用から家庭での使用まで)の状況が一変することになるはずだ。

#5:ワークグループ設定

 筆者はSambaを比較的短時間のうちに設定できるものの、それはLinuxを長年使用してきたためである。平均的なユーザーであれば、こういった設定に手こずるはずだ。一方、Windowsの場合、Windowsマシンをワークグループに追加する作業は簡単である。Linuxにおいても、設定をほとんど行うことなく(特に、smb.confを編集することなく)Windowsマシンと連携することができるユーザーフレンドリーな機能が必要なのである。

#6:タッチスクリーン

 Windows 7において必ず実現すべきことの1つに、タッチスクリーンサポートの改善というものがあった。Linuxでも、特定のものに限られるがタッチスクリーンはサポートされている(#2を参照)。しかし、たいていの場合はユーザーによるxorg.confファイルの編集が必要となる。また、現在のX11はxorg.confの設定を使用せずに動作するようになっているため、作業はさらに難しいものとなっている。筆者はタッチスクリーンのファンではないものの、タックスクリーン式のコンピュータが将来当たり前のように使われる可能性もある。タッチスクリーンは、iPhoneでも大歓迎されているのだから、デスクトップPCでも使えて当然なのではないだろうか?その場合、Linuxは今後のバージョンにおいて、Windowsで提供されているようなサポートを組み込む方が良いだろう。

#7:プリインストール

 これによって、トップの座に君臨するものを簡単に引き下ろすことができるだろう。いくつかの企業(例えばSystem76)は、Linuxをプリインストールしたソリューションを提供している。プリインストールよりもLinuxの認知度を上げることのできるものがあるとすれば、教えてもらいたいと思うほどだ。プリインストールされたOSは、ユーザーに実際に使ってもらえるようになる。もちろん、他のOSをインストールするということは、意思さえあれば誰にでも可能(そして十分なIQがあれば--しかもそのレベルは、テレビドラマの『Big Bang Theory』に出てくる天才Sheldon Cooperほど高くなくてもよい)であるものの、実際にそういったことを行う人は少ないはずである。

#8:サポート

 これは一筋縄ではいかない。Windowsで問題が発生したのであれば、Microsoftのテックサポートに電話することができる(ただし、時間のかかる場合もあるということを覚悟する必要がある)。Linuxで問題が発生したのであれば、誰に電話をすればよいのだろうか?Ubuntuの場合、サポートパッケージを購入しているのであれば、Canonicalに電話することができる。SUSE Linux Enterpriseの場合、サポートパッケージを購入しているのであれば、Novellに電話することができる。Red Hatの場合、サポートパッケージを購入しているのであれば、Red Hatに電話することができる。しかし、新たなコンピュータを購入し、プリインストールされているWindowsを消去し、Linuxをインストールしたところで問題が発生したらどうなるのだろうか?たいていの場合、保証あるいはサポート契約は無効になったと告げられるはずだ。PCメーカーはLinux OSのサポートを学ぶ必要がある。

#9:ソフトウェアのインストール

 まず最初に、この点はUbuntu Software Center(USC)によって最終的に解決されるだろうということを述べておきたい。しかし今のところ、USCが存在しないものとして話を続ける。Windows上にアプリケーションをインストールするには、インストーラをダウンロードし、そのファイルをダブルクリックするだけでよい。一方、Linux上にアプリケーションをインストールするには、Synapticといったツールでアプリケーションを検索し、インストール対象としてマークし、変更を適用(Apply)することになる。そして、Applyボタンをクリックした後は、すべての依存関係に問題がないことを祈るしかない。また、必要とするソフトウェアをSynaptic(あるいはあなたが使用しているツール)で見つけることができなかった場合、該当ソフトウェアが格納されているリポジトリを追加する必要がある。筆者は、ソフトウェアのインストールという分野におけるLinuxのこれまでの進歩(例えばSynapticやUbuntu Software Centerといったツールの登場)に大いに感心している。ユーザーは将来的に、単独のファイルをダウンロードし、ダブルクリックするだけでインストールできるようになるはずだ。

#10:DirectX

 Linuxに移植されていない機能がまだ数多くあるという問題の原因の1つにDirectXがある。これによってLinuxで何ができるようになるのだろうか?ひとことで言えば、ゲームだ。ゲームこそ、Linuxに移行しようとしない人が多い理由なのである。世の中にはゲーム好きがたくさんいるものの、DirectXがLinuxに移植されるまで、こういったゲームがDirectXをサポートしていないOS上で動作することはないだろう。

他の特長は?

 以上が筆者の考える、Linuxにも欲しいWindowsの特長のリストである。しかし、これは完全なリストなのだろうか?漏れている特長があるという場合、それによってLinuxにもたらされるメリットとともにコメント欄で教えてほしい。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ

ZDNET Japanは、Ziff Davisからのライセンスに基づき株式会社4Xが運営しています。
ZDNET Japan is operated by 4X Corp under license from Ziff Davis.

Copyright © 2026 4X Corp, Inc. All rights reserved. No reproduction or republication without written permission.