LinuxとWindowsの戦いは、今後も長い間続くことだろう。私の予想では、あらゆるものがクラウドに移行した時代になっても、両陣営のユーザーは自分の好きなOSの美点を叫び続けているだろうと思う。そしてもちろん、その時には私も一方の陣営の一員でいるだろう(私がどちらの陣営かは、お察しいただきたい)。しかし、私がその陣営に属しているからと言って、Windowsの利点と強みが分からないわけではない。
私の次の2つの記事では、それぞれのOSの部品を取り上げて、もう一方のOSに載せるということを考えてみたい。第1のこの記事では、Windowsが持っているべきLinuxの特長を10点挙げてみることにする。次の記事では、逆のことを試みたい(逆のことを試みた記事「そして今度は--Linuxが取り入れるべきWindowsの美点10選」はこちら)。
当然ながら、特長には表面的な機能だけでなく、システムや、背後にある思想も含まれる。私は、そのどれも見逃したくはない。この試みがうまくいけば、(少なくとも理論的には)ずっと理想的なオペレーティングシステム像が得られるはずだ。もちろん、この試みがうまくいっているかどうかは読者に判断して欲しい。では、Linuxの特長をWindowsに追加してみよう。
1.Compiz
Aeroがどんなにきれいになったと言っても、私は平面的で作業スペースが1つしかないWindows 7のデスクトップは好きになれない。Aeroは確かに大きな進化だが、Compizが提供してくれる最新のデスクトップ環境には遠く及ばない。もちろん、Compizは単なる装飾以上のものではないという人も多い。その一方で私は、Compizが提供している機能の多くは、目の保養になると同時に使いやすさも提供してくれていると考えている。3Dデスクトップを使って複数の作業スペースに(キー入力の組み合わせで)素早くアクセスできるのは便利だし、ウィンドウスイッチャーの使いやすさは随一だ。見た目の良さはおまけに過ぎない。Windows上にCompizを載せれば、Windowsユーザーがこれまでに体験したことのない体験を提供してくれるようになるだろう。
2.マルチユーザー
Windows 7で複数のアカウントを使用できることはもちろんわかっているが、だからと言ってこのOSが本物のマルチユーザー機能を持っていることにはならない。デフォルトでは、Windows 7に同時に複数のユーザーがログオンすることはできない。Windows 7で複数のユーザーセッションを同時に利用できるようにするためには、サードパーティが用意したツールをダウンロードする必要がある。Linuxでは、デフォルトで可能だ。この機能は、Windows 7でもデフォルトで有効になっているべきだ。
3.ログファイル
Windowsには、管理者がログファイルを読むことを可能にするための多くのツールがある。しかしシステムや管理、セキュリティ問題のためにログファイルを見るには、管理者がツールを起動する必要がある。Linuxではシステムのすべてのログファイルが/var/logに置かれており、(適切な権限を持つ)ユーザーは、それらのログファイルを単純なテキストエディタで読むことができる。しかも、Linuxのログファイルは多くの点で柔軟だ。例えば、もしシステムログを継続的に追いたければ、ターミナルウィンドウでtail -fコマンドからログファイルを開いておけば、イベントが起きるごとにログが表示されるようにすることが可能だ。