筆者は先日、Linuxの特長のなかから、Windowsにもあれば良いと思うものを採り上げた。そして今回は、Windowsの特長のなかから、Linuxにもあれば良いと思うものを採り上げている。
筆者は先日、「Windowsが取り入れるべきLinuxの美点10選」という記事を執筆した。このため今回は、Windowsの持っている特長のなかから、Linuxにも取り入れてほしいと思うものを10個採り上げている。なお筆者は本記事において、典型的なLinux信奉者になりきり、Windowsには他のOSに取り入れられれば良いと思えるような特長など何もないというジョークを飛ばすつもりはない。Windowsには素晴らしい特長があるということは皆も分かっているはずだ。とは言うものの、本記事のなかには、OS自体の特長というよりもコミュニティやビジネスモデルの特長というべきものもいくつか含まれている。
断り書きを述べたところで、さっそくWindowsの世界に分け入ってみることにしよう。
#1:マーケティング
まず最初に、重要なものを挙げておく必要があるだろう。Microsoftよりも優れたマーケティングを行うIT企業はおそらく1社のみ--すなわちAppleだけだろう。とは言うものの、「おそらく」というところを強調しておく必要がある。そして、Linuxのマーケティングが十分ではなく、効果的でない(あるいは欠けていると言ってもよい)ということは周知の事実である。筆者は、LinuxがWindowsと同等のマーケティングを行えたとすれば、OS戦争の勝者になるだろうと確信している。
#2:ハードウェアに対するサポート
この項目に関しては、あまり声高に言う気になれない。Linuxのハードウェアサポートは一昔前に比べれば劇的に改善されているからだ。とは言うものの、まだまだ改善の余地が大きく残されている分野もある。具体的に言えば、ワイヤレス分野だ。Linux上でワイヤレス接続を行えない理由はたいていの場合、該当ワイヤレス機器のチップセットがサポートされていないというものである。以前に比べると、サポートされていないチップセットはかなり減ってきているとはいえ、未だに存在している。Linuxの潜在的な新規ユーザーがこういった問題に遭遇すると、該当機器が稼働するとわかっているWindowsを使い続けようという気になってしまうだろう。Windowsの場合、ドライバ探しに1時間(あるいは1日)を費やすこともあるかもしれないが、探せば必ず見つかると分かっているのだ。
#3:スマートフォンとの同期
あなたの使用しているスマートフォンが何であれ、それを利用する最大のメリットの1つは、PCと同期できるというものであるはずだ。少なくともWindowsでは、そういったことが可能である。しかし、Linuxマシンとスマートフォンを接続した場合、多くの機種で何らかの機能に制限が課されてしまう。OSにAndroidを採用している筆者のHTC Heroでさえも、Linuxとの同期を行うことができない。Android携帯に楽曲を追加することはできる。しかし、連絡先やカレンダー、電子メールをEvolutionやKMailと同期させようとすると、果てしない悪夢に悩まされることになる。一方、Windowsではこういった作業がごく簡単に行えるようになっている。