掲載日時: 2010-03-02 16:41

「メール」と「カレンダー」は便利だけれど--TPOに合わせたツール選択と組み合わせでさらに効率アップ

この連載では、主にこの春から仕事に就く人を対象に、「仕事でのコミュニケーション」に使われるITツールの選択や使い方について分かりやすく説明していく。今回は、実際の仕事の流れを想定しながら、そこで利用するツールの効率的な選択と組み合わせについて考えてみよう。

著者 : 後藤康成

URL : https://japan.zdnet.com/article/20409603/

(編集部より:この連載では、主に新社会人に向け「仕事」としてメールやウェブサービスを使っていく際の心構え、ツールの紹介などを7回にわたって掲載する。筆者の後藤康成氏は、3月1日にスタートした「feedpath Rooms」などのウェブサービスを提供するフィードパスのCTOである。前回の記事はこちら

アプリケーションは「パッケージ」から「クラウド」へ

 100MbpsのFTTHによるブロードバンド化が進んでから、ここ数年の間に、企業向けアプリケーションの世界では「パッケージソフトウェア」から「クラウドアプリケーション(SaaS)」への移行が進みつつある。

 企業にとって、クラウドアプリケーションを利用するメリットの大きなものは、これまでのようなサーバをはじめとする物理的な資産の調達や各アプリケーションごとのインストール作業などが不要となる点だ。これにより利用開始までのリードタイムが大幅に短縮できる。また、運用面においてもアカウント管理、サーバ、ネットワークの運用管理コストが削減できるのである。

 利用者のメリットとしては、インターネット接続環境さえあれば、クラウドにある情報に対して時間や場所の制限を受けずにアクセス可能になる点が挙げられる。またデバイスについてもPCに限定されず、携帯電話やiPhoneなどのモバイルデバイスからもアクセスできる。ブラウザ上ですべてが完結するアプリケーションであれば、データがローカルのPC上に残ったり、気軽にデータが持ち出されたりといったこともなく、セキュリティ面でもメリットがある。

 前回は、情報伝達の「早さ」と「範囲」という観点から、仕事で使われるITツールの特徴と使い分けについて考えてみたが、今回はそれらを実際の仕事の中でどのように組み合わせて使うべきかについて考えてみよう。

「カレンダー」と「メール」だけでも仕事は進むけど

 まずは、最も多くの人が日常的に利用するアプリケーションとして「グループカレンダー」と「メール」の組み合わせを見てみる。

 ここでは一例として、あるプロジェクトにおける企業内外のコミュニケーションツールとして「メール」を利用し、企業内のスケジュール共有ツールとして「グループカレンダー」を利用している場合のミーティング開催までの流れを考えてみよう。

  1. グループカレンダーでミーティング参加者の空き時間を調整する。(グループカレンダー)
  2. メールでアポイント先にミーティング候補日を提案する。(メール)
  3. アポイント先からミーティング日程調整のメールが届く。(メール)
  4. グループスケジューラーにアポイントを登録する。(グループカレンダー)
  5. 会議室予約をする。(グループカレンダー)
  6. スケジュール登録とともに会議出席者にはスケジュール確定のアラートメールが配送される。(グループカレンダー+メール)
  7. アポイント先にミーティング日程確定のメールを送る。(メール)
  8. アジェンダや資料を添付ファイルとして送る。(メール)
  9. 実際のミーティング
  10. 打ち合わせ後、アポイント先に議事録をメール添付で送る。(メール)
  11. 数週間後、新たなミーティングに先駆けて、前回のアジェンダ、資料、議事録をメールの中から検索し次回のアジェンダを作成する。(メール)

 グループカレンダーとメールによりミーティングの設定が行われ、ミーティング開催、次回のミーティングの準備まで行える。実際に、このような仕事の進め方をしている人も多いのではないだろうか。

適材適所で別のツールを導入してみると……

 さて、この例では、多くのプロセスが「メール」というツールに依存していることが分かる。

 メールでのコミュニケーションは極めて手軽な一方で、メールメッセージは次々と蓄積されていくために、大量のメールの中から数日前に受信したメールを探し出すには、検索やフォルダ振り分けなどの工夫が必要となる。添付ファイルの中から最新、かつ必要な情報を探し出すのは、さらに面倒な作業になる。

 こうした問題を回避するために、情報のやり取りのプロセスの中に他のツールを組み入れてみるという方法もある。例えば、アジェンダや資料、議事録については、社外のセキュリティが確保された「ファイル共有ストレージ」サービスに保存し、常に最新版を社内外の関係者が参照できるようにしておく。そのサービスで検索機能が提供されていれば、特定のキーワードに基づく情報を多くの資料の中から探し出すこともできる。これにより、メールメッセージのはんらんによる情報の見落としや、添付ファイルの紛失も避けることができる。

 フィードパスでは、こうしたプロジェクトでのコミュニケーション向けに「feedpath Rooms」というツールの提供を開始した。「メールに代わる次世代企業間コラボレーションツール」と銘打っており、社内外をまたいで進んでいくプロジェクトにおいて、テーマごとの「メッセージ機能」と「共有ストレージ機能」を提供する。必要な情報を必要なメンバーと共有することが可能で、メッセージはアーカイブされ検索可能である。

 グループカレンダーとメールだけでなく、他のツールを利用シーンによってうまく組み合わせ、使い分けることで、仕事はより効率化される。

 次回以降は、主にクラウドで提供されているさまざまなコミュニケーションツールを、機能別に紹介していく。

Yasunori Goto
筆者紹介

後藤康成(ごとう やすなり)
フィードパスCTO。2005年、クラウドからビジネスアプリケーションを提供するフィードパスを設立。「Zimbra」の日本市場展開、ビジネススケジューラの「feedpath Calendar」事業統括を担当するとともに、メールに代わる次世代企業間コラボレーションツールとして開発中の「feedpath Rooms」のエバンジェリストでもある。著書として「Web2.0 BOOK」など。Twitterアカウントは「feedpath」。

feedpath Roomsについて
フィードパスがクラウドアプリケーションとして提供する、企業間コラボレーションツール。メールに変わるコミュニケーションプラットフォームとして、メッセージ機能と共有ストレージ機能を提供する。

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