ビジネスに貢献するBPM製品の選定ポイントとは? 包括的なプロセス管理を支えるIBM BPMソリューション

アジャイル開発、ソーシャル連携、動的な分析機能で迅速な改善を可能に

 それでは、IBM BPMの特徴を見てみよう。もともとBPMには、PDCAサイクル(計画・実行・検証・改善)に基づいて業務プロセスを改善するという考え方が根底にあるが、プロセス開発のオーバーヘッドが大きいと、サイクルのスパンが長くなって改善が滞ってしまう。

 IBM BPMでは、アジャイル型開発を可能にする開発ツール「Process Designer」を採用して、短期間での開発を可能にしている。Process Designerでは、GUI画面上で各ステップの画面を設計しながらプロセスを定義することができ、開発の各段階で稼働確認が行える。「いちいちパッケージ化してテストサーバー上にデプロイしないとテストできないようでは、テストの準備だけで余計な手間がかかってしまいます。必要に応じて実行・確認することで、業務ユーザーからタイムリーにフィードバックを得ることができ、結果的に開発期間を短くすることが可能です」(有衛氏)

Process Designerによる稼働確認の様子 Process Designerによる稼働確認の様子
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 さらに、IBM BPMでは、プロセスのスムーズな進行を促進するソーシャル機能や、進捗状況を確認するためのダッシュボードを標準で用意されている。

 ソーシャル機能のポータルからは、プロセスに紐付いたメッセージをやりとりできるストリーム機能や、プロセスの一部の処理を他の人に依頼するコラボレーション機能が利用可能だ。「プロセスの引き継ぎの連絡は電話やメールで行われることが多かったのですが、ソーシャル機能でメッセージを残しておけば、どういった判断でプロセスが現在の状態にあるのかを後続の人も確認できます。また、コラボレーション機能は、金額の調整など一部の入力を経験者に判断してもらいたいようなときに便利です」(有衛氏)

プロセスに紐付いたメッセージを残せるソーシャル機能 プロセスに紐付いたメッセージを残せるソーシャル機能
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 一方、ダッシュボードでは、プロセスオーナーやマネジャー、チーム・リーダー、業務担当者などそれぞれの視点に応じてプロセスの進捗状況を確認することが可能。例えば、チーム・リーダーであれば、メンバーのワークロードを確認して負荷の平準化を図るといったことができる。また、特定のプロセスについて、どのステップでどれくらいの時間がかかっているのかを確認することも可能だ。

 ダッシュボードでは、プロセスインスタンスごとのパフォーマンスが確認できるが、ある程度プロセスの実行履歴が貯まれば、分析機能の「Process Optimizer」を利用して、プロセスの定義自体に問題ないか調べることができる。Process Optimizerでは、待機時間や処理時間、通過したパスなど、さまざまなビューでプロセスを分析することができ、プロセス改善のヒントを得ることが可能だ。

 「例えば、ある入力業務でやり直しの頻度が高いような場合は、正しい情報が入力されるように、入力画面にバリデーション機能を追加するなどの対策が考えられます。また、Process Optimizerは、過去のプロセス実行履歴のパターンを分析して、一定金額以下の案件ではマネジャーの承認を省くといった、プロセスのパスを最適化するためのヒントも提示します。そうした情報を基にProcess Designerでプロセスを修正することで、速やかな業務改善が達成できます」(有衛氏)

Process Optimizerによるプロセス分析の様子 Process Optimizerによるプロセス分析の様子
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クラウド対応とモバイル開発にも完全対応

 最後に、IBM BPMのクラウドとモバイルの対応について説明しよう。

 インテグレーションなしで迅速な展開を図るためにはクラウド対応が欠かせないが、IBMのBPMソリューションは次の3つの形態でクラウドを利用することができる。1つは、BPMのモデリング・ツールをSaaSで提供する「IBM Blueworks Live」、2つ目は、IBM BPMの全機能がクラウド上で利用できる「IBM BPM on Cloud」、そして3つ目は、プライベート・クラウド用のPaaS基盤「IBM PureApplication System」に利用可能な「IBM BPM Application Pattern」および「IBM ODM Application Pattern」だ。

 モバイル対応についても、2つのアプローチが利用できる。1つは、AppleのApp Storeから無償でダウンロードできるiOS版のクライアント・アプリ「IBM Business Process Manager Mobile」を利用する方法。この方法では、既存のアプリケーションを改修することなく、モバイル・デバイスに合わせたユーザー・インタフェースで利用することが可能だ。

 もう1つはモバイル・アプリケーション・プラットフォームの「IBM MobileFirst Platform (旧名称 Worklight)」を利用してアプリを開発する方法だ。複数のOSやバージョンに対応させたい、GPS機能などモバイル・デバイスの端末機能を使いたいという場合はこちらを選択することになる。IBM BPMの画面開発ではUIパーツのプロパティを、大・中・小の画面サイズに合わせて設定するだけで、モバイル・デバイス向けの画面を作成することが可能だ。

 以上、本稿ではBPM市場の動向と、IBM BPMの概要についてお伝えした。ビジネス・ルールとの連携、非定形業務への対応といった適用領域の拡大に加え、ソーシャル、クラウド、モバイルといったITの潮流を取り込んだIBM BPMは、今後のビジネス変化を見据えてBPM製品を選択する際の、最有力候補となるだろう。

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