苦境にあるM2Mモジュールベンダ

株式会社データリソース 2008年08月28日

米国の調査会社ABIリサーチ社は、M2M市場には成長の阻害要因があるが、モジュールベンダにはいくつかの対抗策があると報告する。

アリゾナ州スコッツデール、2008年8月14日
セルラーM2Mの無線モジュールベンダは、長い間存続を脅かされてきた。短期的にみても、収益の維持が益々困難になってきている。だが、M2M市場全体を阻害している要因が、逆にベンダにとって一時的な防衛手段となっていることから、いくつかの解決策もあるようだ。

「M2Mモジュールベンダは、不安定な状況にある」と米国調査会社ABIリサーチのシニアアナリストSam Lucero氏は言う。「OEMの顧客が、ベンダを介さずに、直接リファレンス設計などのサポートを供給するセルラーベースバンドICのプロバイダと連携すれば、個々のモジュールは必要なくなり、ベンダの存在理由が消えてしまう。」ABIリサーチの調査によれば、この流れの発端はOEMの消費者向けテレマティックスである。多くのアプリケーション開発者はM2Mモジュールを必需品だと考えており、アジア太平洋地域のモジュールベンダは価格を引き下げ、QualcommとNXPは既に市場に参入して、直接リファレンス設計を提供している。

M2M市場には、成長を阻害する状況がいくつかあるものの、実際にはモジュールベンダにとってのいくつかの対抗策がある。この市場は細分化が進んでおり、アプリケーションの複雑さが特徴である。更に、大部分のOEMには「独力で行う」ために必要な無線設計の専門知識がないため、M2M市場全体の大量生産や成長が妨げられている。モジュールベンダにとっての対抗策とは、アプリケーション開発者にとって、無線設計の専門家を雇い、チップを直接調達して保証を自社で行うよりも、既製のモジュールを購入するほうがより経済的なことである。

「モジュールベンダは中間業者の排除という脅威に直面していることを十分認識しており、いくつかの策を講じている」とLucero氏は言う。「一つは、ソフトウェアとサービスの差別化である。二つ目に、より完成度が高い”仕事引き受け役”になることである。つまり、前段階の保証となる研究開発を完全にするために、アプリケーション開発者の仕事を多数引き受けている。例えば、Telitは特定のフォームファクタに対して”将来を保証する”サポートを確保している。最後に、運営効率性の最大化である。SIMCom Wireless Solutionsなどの企業は、効果的に価格競争ができるように、運営の効率を上げようとしている。」

ABIリサーチの調査レポート「セルラー向けMachine-to-Machine(M2M)市場」は、セルラーM2M市場の動向について考察し、セルラーM2Mモジュールベンダの戦略的対応を分析している。また2006-2007年のベンダの市場シェアを記載し、2008―2013年のセルラーM2Mモジュールの成長を予測している。この調査レポートは「M2M年間リサーチサービス」、「消費者向けモビリティ年間リサーチサービス」、「モバイルデバイス年間リサーチサービス」の一環である。


◆調査レポート
セルラー向けMachine-to-Machine(M2M)市場:ビジネスチャンスと組込みモジュールの動向 (リンク »)

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