「アプリケーション開発の選択肢を広げるのがツールの役割」 - RAD Studio XEが広げる世界とは
「RAD Studio XE」の狙い
エンバカデロ・テクノロジーズ
カントリーマネージャー
藤井 等
RAD Studio XEは、「Delphi XE」、「C++Builder XE」、「Delphi Prism XE」、そして「RadPHP XE」(旧名称:Delphi for PHP)の4製品から構成される開発環境Suiteである。藤井氏によれば、この新バージョンのリリースは、エンバカデロがXEシリーズとして進めている「ツール供給およびライセンス管理の効率化」という取り組みを達成するものだという。
同社が今年2月に発表した「Embarcadero ToolCloud」は、クラウド環境を活用することで、エンバカデロのツールの利用や導入、ライセンス管理を効率的に行えるようにするソリューションである。RAD Studio XEを含む「XE」シリーズは、このToolCloudの枠組みの中で、ローカルマシンへのインストールを必要としないオンデマンドでの利用や、複数バージョンの同時利用、ライセンスの集中管理などといったツール供給機能をサポートしている。
「ToolCloudは開発現場におけるツール供給に関する多くの問題を解決します。たとえばライセンス管理が一元化できることによって、多数のツールを利用している現場でも個別のライセンスを気にする必要が無くなります。ライセンスの発行や停止も細かく制御可能なので、開発メンバーの頻繁な入れ替わりにも対応できます。同じツールの複数バージョンの同時利用も可能になるため、幅広いプラットフォームを対象にしたシステムを、一人の開発者が効率よく開発できるようになります」(藤井氏)
幅広い環境に対応し、アプリケーション開発の可能性を広げる
マルチプラットフォームへの対応という点でもRAD Studio XEは注目すべきリリースである。従来より、データベース接続に関しては複数のRDBMSをサポートしており、これによって幅広い環境をターゲットとした開発が可能だった。RAD Studio XEはこの特徴をより前面に押し出したものになっているという。さらに、作成したアプリケーションをソースコードに変更を加えることなく複数のプラットフォームで提供できるといった方向性も打ち出している。これについては段階的な実現を目指すとのことで、今回のリリースでは、ひとつのソースコードから複数のバージョンのWindowsで実行可能なアプリケーションを生成できるようになっている。将来的にはWindows以外のOSにまでサポート範囲を広げていきたいとのことである。
マルチ言語サポートも、従来よりRAD Studioが持つ大きな特徴であった。今回はそこにRadPHP XEが加わったことによって、その強みがさらに増したことになる。RadPHP XEの前身はDelphi for PHPだが、RAD Studioの一員に加わるにあたってDelphiと共通の操作性が実現しており、Delphi同様にドラッグ&ドロップでのアプリケーション開発が可能になっているばかりでなく、様々な開発支援機能を共通して使えるようになったという。「ここまで徹底してGUI操作だけで完結できるPHP開発環境は他に見当たらない」と、高橋氏は自信を覗かせる。
マルチプラットフォームおよびマルチ言語への対応は、マルチティアなアプリケーション開発も重要な効果を及ぼす。システムを構成するプラットフォームやデータベースシステム、プログラム言語の選択肢が広がることで、マルチティア環境をより柔軟に構築できるようになるからだ。RAD Studio XEではそれに加えて、ウィザードや新しいプロトコルのサポートなどによってマルチティア開発を強力にバックアップしている。
さらに、クラウドテクノロジーを利用した開発をサポートする機能も追加されている点も見逃せない。Windows Azureサービスへのアクセスや、Amazon EC2へのデプロイメントなどに加え、各種Webサービスの連携をサポートする機能が備えられているという。
「昨今のアプリケーション開発の現場では、ひとつのシステムが単体で完結するわけではなく、複数のサービスを連携させてより柔軟なシステムを構築するという傾向が強くなっています。クラウドテクノロジーというのはそのような潮流の中で、Webアプリケーション開発の選択肢を広げるものだと考えています。RAD StudioがPHPをサポートしたのも、この言語がWebテクノロジーを有効活用するための非常に強力な機能を備えていると判断したからです。従来の離れ小島なシステムを、どのようにしてWeb上の様々なサービスと連携させていくかを考えなくてはいけません。RAD Studio XEがその手助けになるでしょう」(藤井氏)
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