サーバー仮想化が進む中、ハードウェアのパフォーマンスや信頼性がネックとなり手つかずのままに先送りされているデータベースサーバーの統合。最新のインテル® Xeon® プロセッサー E7ファミリーを搭載する「HP ProLiant DL580 G7」の登場は、その実現性を大きく広げる。
2012年に解決すべきテーマはITコスト削減とBC/DRへの対応
日本企業のCIOが解決すべきITの課題として挙げられる項目として、第1にコストの削減などIT投資の最適化、第2に事業継続(BC)と災害復旧(DR)などリスク管理の強化への対応があるといわれる。経済状況は依然として不安定であり、世界景気の低迷や円高などのマクロ要因に加え、国内では東日本大震災の影響も根深い。政府は2011年の実質国内総生産(GDP)成長率の見通しを当初のプラス0.5%からマイナス0.1%に下方修正しており、2012年に至っても回復はプラス2.2%にとどまる見通しである。
まず求められるITコストの削減策として、仮想化によるサーバー統合が有効であることに異論はないだろう。複数の旧型サーバーを1台の高機能サーバーに集約することで運用・管理の労力やコスト、消費電力、設置スペースの全てが削減できるほか、最新技術によって今まで実現できなかった信頼性の向上や効率的なIT配置、将来に向けた拡張性などさまざまなメリットを担保できるようになる。
次の課題であるBC/DRでキーワードとなるのは、HA(高可用性)とクラスター化だ。しかし、ここで問題となるのが企業活動を支えるデータベース(DB)サーバーの統合である。ここまでDBサーバーの統合は、サーバー仮想化の次のステップとして意識されながら、実際は手つかずのままに放置されていた側面が大きい。多くの企業でサーバー統合が進みつつある昨今、取り残されたDBサーバーの統合にどう取り組むべきかは、2012年の大きな課題といえるだろう。
> > 乱立したデータベースサーバーを統合し、管理工数、ハードウェア障害を大胆に削減!
最新のインテル® Xeon® プロセッサー E7ファミリーによってハードウェア障害を最小限に抑制
一般のサーバーほどDBサーバーの仮想化が進展していない背景として、DBサーバーは信頼性がより高く求められる上に、CPUほかI/Oやメモリーにも大きな負担がかかるため、そこがパフォーマンスのボトルネックとなってクラスター化やレプリケーションを困難にしている現実があった。
これを可能にするサーバー製品として注目したいのが、日本ヒューレット・パッカード(日本HP)が同社のHP ProLiantサーバーシリーズの機能強化モデルとして2011年5月にリリースした「HP ProLiant DL580 G7インテル® Xeon® プロセッサー E7ファミリー搭載サーバー」(以下、DL580)だ。DBサーバーの集約を可能にするHAや高信頼性を実現したモデルとなっているのが特長である。
プロセッサーには最新のインテル® Xeon® プロセッサーE7ファミリーを搭載。従来のインテル® Xeon® プロセッサー7500番台(1CPUあたり最大8コア、16GBメモリー)に比べ、コア数を1CPUあたり最大10コアまで増強。DL580は4ソケットを搭載するため、40コア/80スレッドの処理を可能としている。
「最新のインテル® Xeon® プロセッサーE7ファミリーの登場によって、x86サーバーでもミッションクリティカルな用途にも利用できるようになった」と語る日本HPの富田浩次氏
「これまで、インテル® Itanium® プロセッサーやRISCプロセッサーなどにしか搭載されていなかった『マシン・チェック・アーキテクチャー(MCA)リカバリー』機能がインテル® Xeon® プロセッサー E7ファミリーでも有効となり、プロセッサーやメモリー、I/Oなどのエラーを検出し、OSと連携して修正することでハードウェア障害を最小限に抑えることができる」と語るのは、日本HP インダストリスタンダードサーバー製品本部 担当部長の富田浩次氏だ。
また富田氏はメモリー管理機能にも触れる。インテル® Xeon® プロセッサー E7ファミリーではDRAMが2つ同時に破損してもシステムメモリークラッシュを回避する「DDDC」(Double Device Data Correction)を実装している。1個のDRAMのエラー訂正にしか対応していない「SDDC」(Single Device Data Correction)に比べてシステム障害を大幅に削減し、DIMMの交換頻度も電源やファンなどと同位程度に管理できるようになったという。
OSと連携して修正するMCAリカバリー機能をx86サーバーとして初めて搭載
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