コストダウン、既存資産活用、仮想化は進めるほどにメリット増加
「利便性は理解できるけれど、このシステム構築や運用にコストがかかりそう…」と思われるかもしれない。確かに、この技術はサーバ上にクライアントのデスクトップ環境を一括搭載して仮想化して運用するため、数年前であれば、100台分程度のデスクトップ環境を統合するのに、最上位クラスのサーバを選択する必要があった。しかし今なら、サン・マイクロシステムズでいえば、X4450という中クラスの2Uサーバ1台でPC120台分のソフトウェア環境を収納することができる。また、専用端末もコモディティ化が進んでいる上、故障しにくく陳腐化しないため、ビジネスリソースとしての端末のライフサイクル長期化が実現できる。さらに、Webtop方式を利用するなら、クライアント環境に関しては新たな投資は必要ない。
実は、この仮想化という技術にはリモートオフィスを実現する以外にも大きなメリットがある。企業で運用する業務システムの中には、過去OSで構築したものを最新環境に移植することを考えると、大きな開発コストを伴うものがある。単純に新しいハードウェアに載せかえるだけでも、その進化がめまぐるしいため、もとのOSは現在の機材にはインストールすることができない。しかし仮想化を利用すれば、最新のハードウェアを利用して古いマシンをエミュレーションすることができるため、わざわざ再開発を行わなくても、従来のシステム利用をそのまま継続することができる。
結果的にワークライフバランスを考慮した働き方が可能に
このように、Sun VDI 仮想デスクトップ・ソリューションを利用すれば、たとえ会社に行けないという事態が生じても、用意したインフラを活用して、ビジネスを中断させることなく進めることが可能だ。

これにより結果として実現するのが、会社に行かなくても仕事ができる“どこでもオフィス”だ。会社へ行かなければ仕事ができないという制約がなくなることは、これまでのワーキングスタイルを本当に一新させる。在宅勤務やワークライフバランスの尊重といった柔軟性の高い働き方が可能になり、それはそのまま社員のモチベーションや生産性の向上につながる。
サン・マイクロシステムズでは、Sun VDI 仮想デスクトップ・ソリューションの導入に合わせてフリーアドレス制を導入、東京都内にある3つのオフィスのどこに出勤しても構わない体制を整備した。その結果、約1000台の端末管理及び情報システムの運用スタッフは12人から2人ですむようになり、オフィススペースを従来に比べて3割も削減。例えば公共交通機関のトラブルなど突発的な事故が発生しても、個人の判断で俊敏に対応できるようになっている。社員の間では「もう、この環境なしで働くことは考えにくい」という声が上がるほど、なくてはならないビジネスインフラとして定着した。
次回は、仮想デスクトップソリューションに並んで可用性の高い情報システムにはかかせないアクセス管理、ID管理ソリューション最前線をご紹介する。
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