スパムメール対策を中心にしたe-mailセキュリティはますます重要に！新コンセプト「In the cloud」で脅威に対抗するトレンドマイクロ

かつては愉快犯が大半であったインターネットの脅威は、現在ではより危険で悪質なものへと変貌してきている。その攻撃の手法はより一層複雑化しており、スパムメール、フィッシングメールというものが「撒き餌」として大量にばら撒かれ、そこからより危険な脅威への誘導が謀られている。つまり、e-mailのセキュリティ対策は従来以上に重要な位置づけとなっている。トレンドマイクロは、こうした事態を踏まえ、”In the cloud”と呼ばれるコンセプトに基づいた、e-mailセキュリティ対策製品を取り揃えている。本稿では、同社の代表的なe-mailセキュリティ対策製品をとりあげ、それぞれの特徴を紹介しよう。

マルウェアの急増により高まるセキュリティリスク

　ウイルスやスパイウェアといったマルウェアの種類がここ数年で爆発的に増加している。過去約20年間の平均的な推移と比較して、2006年には約100万件、2007年には一気に約550万件(*)に達するほどになった。( * 2008年1月AV-Test調べ)

出典：2008年1月AV-Test
2007年以降、ウイルスやスパイウェアといったマルウェア（悪意のあるプログラム）は爆発的な勢いでその種類を増やしている。
（※クリックすると拡大します）

　従来、マルウェアの対策は、トレンドマイクロのようなセキュリティベンダーが検体を解析、そのワクチンであるパターンファイルを作成し、顧客に配布するという、いわゆるパターンマッチング方式にて実施されてきた。しかし、ここまでマルウェアの数が激増すると、パターンマッチング方式だけでは、セキュリティ対策も万全とは言えなくなってきている。いつ何時に、自身のPCにマルウェアが舞い込んでくるか、パターンアップデートが本当に間に合うのかといった懸念が当然大きくなってくるわけである。

　トレンドマイクロのプロダクトマーケティングマネージャーである岡本元央氏は、「従来は、パターンアップデートの前に運悪く自分が感染してしまう確率というのは、理論上は極めて低く、きちんとアップデートさえしていればほぼ安全でした。ところが、ここまでマルウェアの数が増えてくると、計算上は被害に遭う確率も徐々に高くなってきます。結果的に、パターンファイルだけに頼った対策を見直すことが不可欠となってきています」と警鐘を鳴らす。

これからの時代のセキュリティ対策、「In the cloud」ソリューション

　では、こうしたマルウェアの増加に起因するリスクの増大に対して、果たしていかなる対策を講じるべきなのか。その“解”としてトレンドマイクロが打ち出した新コンセプトが、「In the cloud」だ。

トレンドマイクロが提案するIn the cloud方式は従来のパターン配信だけには頼らないソリューションだ。
（※クリックすると拡大します）

　In the cloudの語義は、クラウドコンピューティングやSaaSと同様で、インターネットを介してソリューションを提供するというものである。トレンドマイクロではすでに具体的なソリューションを提供している。Webサイトの危険性評価を行い、リスクの高いサイトへの接続を制御する「Webレピュテ−ションサービス（WRS）」やメール送信サーバの信頼性を評価し、スパムメールをブロックする「Emailレピュテ−ションサービス（以下ERS)」といったものが、In the cloud のソリューションである。つまり、マルウェアが舞い込んできてからパターンマッチングで駆除を行う対策の前段階に、そもそも、マルウェアが舞い込んでくる可能性のあるサーバとのアクセスを行わないようにするという発想である。

　常に先進的なセキュリティソリューションを展開しているトレンドマイクロならではの、新しいサービスと言えるだろう。2008年9月時点では、こうした形態のサービスを展開しているのは同社だけである。今回は、スパムメール対策に焦点を絞り、ERSを標準で搭載しているトレンドマイクロ製品をご紹介しよう。企業規模や環境に応じて、いくつかのソリューションが用意されているので、本稿では特にその特徴や主な対象規模を紹介する。下記リンクから自社に適切なソリューションを選んで欲しい。