株式会社コンテンツデータマーケティングが実現する 「コンテンツ業界のDX」 吉羽社長が語るその打ち手

 総務省が2023年7月に公開した「令和5年版情報通信白書(※1)」では、2021年のコンテンツ市場規模は12兆4719億円で、映像系ソフトが全体の約60%、テキスト系ソフトが約35%、音声系ソフトが約5%と報告されている。コンテンツ市場の規模は2020年には減少したものの、2021年は大幅に拡大している。コンテンツ市場のうち、インターネットを経由したデジタルコンテンツ市場は5兆4184億円で、デジタルコンテンツ市場は増加傾向が続いているという。

 コンテンツ別にみると、映画、ネットオリジナル、ゲームソフトなどの拡大により映像系ソフトが増加しているほか、ネットオリジナルなどの拡大によりテキスト系ソフトも増加しており、これらがデジタルコンテンツ市場の拡大に貢献している。このようにデジタルコンテンツ市場が急速に拡大している中で、コンテンツ業界向けにIDを中心としたDXを推進しようと設立されたのがコンテンツデータマーケティング(以下CDM)である。

※1 https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r05/pdf/index.html

 CDMが提供するコンテンツビジネス特化型のSaaS「Uniikeyz(ユニーキーズ)」は、IDサービス「Uniikey(ユニーキー)」とマーケティングDXソリューション「Uniikey Experience Cloud(ユニーキーエクスペリエンスクラウド)」で構成されている。

Uniikeyzで新たなビジネス展開を創出しコンテンツ業界のDXを推進

 「自社でデジタルコンテンツを販売している大手出版社もありますが、多くの中堅・中小規模の出版社は、書店や電子書店などを経由してコンテンツビジネス、課金ビジネスを展開しています。このビジネスモデルでは、出版社と読者の接点が近くないという課題がありました。顧客との接点を持たなければ、ビジネスが立ち行かなくなるという不安もあり、パーソナライズされたマーケティングの必要性が高まっています。そこで開発したのがIDを中心としたサービスであるUniikeyzです」と話すのはCDMの代表取締役社長である吉羽治氏である。

株式会社コンテンツデータマーケティング 代表取締役社長 吉羽 治氏
株式会社コンテンツデータマーケティング
代表取締役社長
吉羽 治氏

 CDMは、「コンテンツビジネスのDX(デジタル変革)推進」をサポートすることを目的に2020年2月に設立された。出版社をはじめとするコンテンツ業界向けに、コンテンツビジネス特化型のサービスであるUniikeyzを提供している。吉羽氏は、「Uniikeyzは、コンテンツ業界全体の課題を解決できるサービスとして展開しています。個人情報を安心、安全に管理することで、新たなビジネス展開を創出することも目的の1つです」と話す。

 近年、個人情報の取り扱いのルールが厳しくなっている背景があるが、Uniikeyは、日本の個人情報保護法はもちろん、世界各国のプライバシーデータ保護規制にも対応。吉羽氏は、「出版社を含む、コンテンツ事業者が顧客と直接向かい合い、サービスを提供するためには、IDを中心とする基盤が不可欠です。CDMは、それをSaaSサービスとしてコンテンツ事業者に提供することで業界のDXを推進したいと考えています」と話している。

すでに30サービス以上に導入され、効果を上げた実績のあるUniikey

 Uniikeyzでは、個人情報を安全に管理できるほか、メール配信やアンケートの実施、マーケティングデータの可視化などの機能も提供されている。またUniikeyというIDサービスの名称は、ユニークでユニバーサルな会員認証サービスを意味しており、利用者1人ひとりが持っている1つのカギにより、さまざまなサービスを利用することが可能となる。

 当初は講談社用の個人情報安全管理の仕組みとしてスタートしたが、現在は同じ課題を持つコンテンツ業界全体に向けてのサービスとして展開。複数のコンテンツやサービスを横断的、かつ包括的に利用できるIDを目指している。

 また新たにペイウォールを実現する仕組みを開発、リリースしたことで、コンテンツサービスによる収益化も容易に実現できるようになった。この機能は主に、コンテンツ課金や有料メルマガ、オンラインイベントのチケット販売といったシーンでの利用を想定している。吉羽氏は、「ペイウォール機能は「Uniikey Experience Cloud」の機能の1つ。有料サービスを始める場合、何から手をつければよいかわからないことも多いため、まずは単品の記事やコンテンツの販売から始めて、後に月額制のサブスクリプションビジネスに移行するなど、さまざまなケースに対応できることが他社のサービスにはない特徴です」と話す。競合になりうる製品は国内外にいくつかあるが、サブスクリプションができるだけのものやアナリティクス、マーケティングオートメーションに注力しているものなどが一般的で、Uniikeyzのペイウォールのように、IDサービスを中核とし設計している製品、サービスはほかには見当たらない。吉羽氏は、「基本的には、現在使っているWebサイトにタグを埋め込み、いくつか簡単な設定をするだけで利用でき、短期間で容易な導入、複数のコンテンツやサービスの一元管理、部分最適と全体最適を組み合わせた管理などを実現しています」と話す。

 Uniikeyzは、すでに30サービス以上に導入された実績がある。例えば、光文社では、「光文社K-POPメンバーズ」のプラットフォームとしてUniikeyzを採用。「光文社K-POPメンバーズ」はグローバルK-POPフェスティバル「D’FESTA」の企画・運営・情報発信やチケット販売、アーティストグッズの販売、各種キャンペーンの実施を軸にしたメディアで、主にイベントに来場したK-POPファンを中心に構成されている。この会員のライフスタイルをより理解するため大規模アンケートを行い、ファッション、ビューティ、グルメなど幅広い嗜好を知ることで今後の新企画に役立てている。

 また、世界文化社の運営するオンラインメディア「家庭画報ドットコム」ではWebサイトのリニューアルに合わせて、読者の会員ID管理に「Uniikey」が採用され、それと同時に「家庭画報ドットコム」内のECサイトにも「Uniikey」が導入されたことで、読者の会員情報やログイン状態を同期して運用することが可能になり、ユーザー体験の向上を図っている。

 講談社の発行する女性誌「ViVi」のオンラインメディア「NET ViVi」では、既に導入済みの「Uniikey Experience Cloud」にコンテンツをマネタイズするペイウォール機能(課金や登録をしたユーザーがコンテンツを利用できる仕組み)を追加し、有料コンテンツ記事の運用を開始し、記事、写真、動画などのコンテンツのマネタイズを実現した。

自社での製品開発とパートナープログラムで新たな価値を創出

 今後CDMでは、Uniikeyzの開発を強化し、IDやペイウォールといった機能群の収益への貢献性を高めていく計画をしている。Uniikey利用企業の既存のサービスや基幹システムなどとの連携を拡充し、IDを中核に連携するための機能を強化する。またIDとして分析のしやすさを追求。複数のサービスのデータを統合し、よりセキュアに分析することで、新たな価値を創出できる機能の提供を検討していく。

 製品開発においては、今後さらにエンジニア採用を拡大していく予定。吉羽氏は、「出版社をベースとする会社なので、IT企業らしくないイメージがあると思いますが、出版社から独立した企業としてサービス開発を進めています。そこでアプリケーション、バックエンド、データ分析系など、すべての分野のエンジニアを募集していまして、開発を通じてサービスをともに作りあげていきたい方を求めています」と話す。

 一方、ビジネス面では、出版社やコンテンツ事業者と、他業種の事業者を共通IDで接続することで、新たなビジネスの創出を支援していく計画。将来的には、グローバルな市場を見据えたサービスの展開も目指している。その一環として、2023年4月に「Uniikeyzパートナープログラム」を発表。すでにパートナー経由でサービスを導入した実績もある。

 今後、Uniikeyzパートナープログラムでは、製品の販売を取り扱うエージェントパートナー、および製品の再販売を行う販売パートナーの2つの協業により、Uniikey製品群の販売やマーケティング、およびデリバリーを強化していく計画である。

 吉羽氏は、「出版社では、制作したコンテンツを読者に届けることが必要ですが、これまでは制作して終わりで、コンテンツのデジタル化により届ける方法が変化していることを十分に意識していませんでした。コンテンツは、すでにデジタル化されていましたが、制作側は取次や書店に依頼して終わりだったので、自分たちのコンテンツが誰に届いているかを知る由がありませんでした。こうした課題を解決することが必要だと思ったのがCDM設立の背景にありました。紙のコンテンツをデジタル化するとコンテンツは文字だけでなく、映像や音声、さらにeコマースなどに広がっていきます。こうした価値を、いかに共通IDを中心に創出するかが、CDMの目指す世界なのです」と話している。

提供:株式会社コンテンツデータマーケティング
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