VxRailの最新版v8.0が登場進化した4つのポイントでさらなる革新とデジタルトランスフォーメーションを促進

デル・テクノロジーズ株式会社
ストレージプラットフォームソリューションズ アドバイザリーシステムズエンジニア 市川 基夫氏
デル・テクノロジーズ株式会社
ストレージプラットフォームソリューションズ
アドバイザリーシステムズエンジニア
市川 基夫氏
デル・テクノロジーズとVMwareが共同で設計・開発するHCI(Hyper Converged Infrastructure)アプライアンスの「VxRail」。デジタル活用の高度化に併せて利用シーンも拡大し、登場初期のデータセンター内の仮想化基盤やVDI領域のみならず、クラウド環境や非データセンターのエッジ環境まで幅広く導入されている。そしてこのほど、VMwareのハイパーバイザーとストレージ仮想化ソフトウェアのメジャーバージョンアップ版である「vSphere 8.0/vSAN 8.0」を搭載した最新版のVxRailがリリースされた。新機能の提供時期を含めた最新VxRailの全貌を、デル・テクノロジーズ株式会社 ストレージプラットフォームソリューションズ アドバイザリーシステムズエンジニアの市川基夫氏が語る。

デル・テクノロジーズとVMwareが共同設計・開発する唯一のHCI

 Dell VxRail(以下、VxRail)は、VMware環境を強化するためにデル・テクノロジーズとVMwareが共同で設計・開発した“唯一”のHCIシステムである。設計段階から連携していることにより、ハードウェアからソフトウェアまでフルスタックのシンプルなアップグレード処理や、VMwareの新しいバージョンが出たタイミングでの「同期リリース」など、共同設計・開発ならではのサービス提供が可能となっている。

 「VxRailは、他のHCIのようにお互いの仮想化ソフトとストレージ製品をただ組み合わせただけの製品ではありません。ロードマップの策定・共有からスタートし、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェアを含めたフルスタックで設計・開発・検証・サポートを行います。VMwareのメジャーリリースの際には80万時間以上を費やして、あらかじめVxRailでのユースケースを意識したテストも実施しています。運用段階でも、ハードからソフト領域までの全ての管理操作を、vSphereクライアントのコンソールから完結して行えるのはVxRailだけです。それができるのは共同開発製品だからこそであり、従来からの連携・サポート体制は、VMware社がデルグループを離脱してからも変わることはありません」(市川氏)

 共同開発製品として仮想化シーンを牽引するVMwareの最新アップデートにいち早く追随できることに加え、VxRailではマルチクラウド環境向けのエコシステム構築や最新の各種コンテナ基盤の対応、ユーザーが求めるユースケースに最適な製品ラインナップやソリューションも発表している。

 「それらのハード、ソフト領域のエンハンスメントが、ユーザー環境における運用管理の自動化、ビジネスのイノベーションやDXを促進する形となり、実際に市場でも高く評価されています。2016年のリリース以来、グローバルで18000以上の顧客に23万ノード以上を提供し、圧倒的なトップシェアを獲得している状況です」(市川氏)

広範なユースケースに対応
広範なユースケースに対応

vSphere/vSAN 8.0の新しいアーキテクチャに対応

 このようにVxRailが唯一無二のHCIとして進化を続ける中で、2022年8月末開催の「VMware Explore 2022」において、最新のvSphere/vSAN 8.0に対応した「VxRail 8.0」がアナウンスされた。同イベントや、その後日本で開催されたVMware ExploreでもVxRailの最新動向が紹介されてきたが、今回の正式リリースに併せて全貌が明らかとなっている。

 「大きなアップデート内容としては(1)vSphere 8で実装された『vSphere Distributed Services Engine (DSE)』への対応、(2)vSAN 8の新しいアーキテクチャである『vSAN Express Storage Architecture (ESA)への対応』、(3)専用のハードウェア モジュールとして組み込む『Witnessを搭載したエッジ向け新プラットフォーム』、(4)外部ストレージを含めた統合管理ソリューションの『Dynamic AppsOn』の4点です。そのうち最初の2つが、vSphere/vSAN 8.0の進化に即応したVxRail 8.0のソフトウェア領域のもので、残りがVxRail独自の進化となります」(市川氏)

VxRail 8.0など、4つの進化ポイント
VxRail 8.0など、4つの進化ポイント

 1つめのDSEは、従来のvSphereでESXが行っているインフラストラクチャサービスの処理を、PCIデバイスとして提供されるDPU(Data Processing Unit)にオフロードするものとなる。つまり、通常ESX側のVMカーネルモジュール側で行っているネットワークやセキュリティ、ストレージ周り(vSAN周り)の処理をDPU側に任せ、ユーザーの仮想マシンにその分のワークロードを割り当てることでシステム全体のリソース利用の効率化およびIO処理の高速化を行うというコンセプトである。

 「VxRail 8.0は、市場で初めてのDSE対応したHCIアプライアンス製品となります。DSEやDPUをVxRail上で動かせるようにするために、1年以上前からVMwareと共同で設計・開発を行ってきました。運用に際してはそれらを単に動かせるという話ではなく、DPUも含めた初期構築時の自動化、ワンクリックアップグレードや管理オペレーションなどVxRailへの統合度が非常に高いです。DSEの初期リリースとなるvSphere 8.0では、ネットワーク機能のオフロードのみ実現した形となりますが、今後DSEがより多様なインフラサービス機能のオフロードの対応が進めば同期リリースという形で追随していきます」(市川氏)

DSE対応により、DPUの導入・運用を効率化
DSE対応により、DPUの導入・運用を効率化

 2つめのESAは、vSANが提供してきたSDSにおける新世代環境向けのアーキテクチャで、「キャッシュ」と「キャパシティ」という2階層(2ティア)から、キャッシュティアを省いた1階層(シングルティア)構成にすることで、高い容量効率とパフォーマンスを実現するものである。ただし高速ストレージの利用が前提で、当初はNVMe仕様のSSDのみの対応となる。現状ではすぐにメジャーになるものではないが、一部の領域やユースケースで望まれていたものであり、今後の普及が見込まれるという。

 「ESAは従来のvSANアーキテクチャに比べると、最大で4倍の性能アップが見込めます。DSEと同様にここでも単にVxRailがESAに対応したということではなく、耐久テストや性能試験もさまざまなパターンで実施してきているので、リリースのタイミングですでに幅広いナレッジやサポートまで提供できる体制を構築しています」(市川氏)

エッジ向け新筐体と外部ストレージを含めた統合管理

 3つめからは、VxRail独自のアップデート情報となる。まず、新しいエッジ特化型のソリューションとして、コンパクトで店舗や支店などの小規模な非データセンター環境でも利用しやすい新しいハードウェアモデルを提供する。同モデルでは、従来2ノードvSANクラスター構成において別建てが必要だったWitnessという監視的役割を担うコンポーネントを専用ハードウェアモジュールとして筐体に組み込むことで、より小規模で低コスト、低難易度でHCIの構築を可能としている。

 「同シリーズは、従来に比べて奥行きは半分、ラックマウントが不要で、僅か2Uの設置スペースで2ノードクラスターが完結できる高堅牢性のVxRailプラットフォームです。筐体のベースは『PowerEdge XRサーバー』で、2Uのマルチノードシャーシ『VD-4000r』、1Uのブレード型ノードでシャーシに最大4台搭載可能な『VD-4510c』および、2Uのノードでシャーシに2台搭載できる『VD-4520c』の2つのノードタイプがあります」(市川氏)

 4つめのDynamic AppsOnは、デル・テクノロジーズが進めてきたVxRailベースのシステム・ライフサイクル管理(LCM)を進化させたソリューションである。VxRailでは、ノードの内蔵ディスクをvSANというSDS機能で仮想化し、ストレージ領域のプール化を行っているが、VxRailでは昨年ラインアップの一環に、vSANを搭載しないディスクレスのコンピュートオンリーノードである「Dynamic Node」を追加している。これにより、従来のHCI製品ではコンピュートとストレージを同時に拡張する必要があるのに対して、VxRailではDynamic Nodeを活用することでコンピュートとストレージリソースを個別に拡張する柔軟な拡張プランを描くことができる。Dynamic Nodeのストレージ領域には、オールフラッシュストレージ「PowerStore」をはじめとする同社ストレージアレイを外部ストレージとして接続する構成や、既存のVxRailクラスターのvSAN領域をマウントする構成が可能だ。

 ただその際に、これまでは、ワンクリックアップグレードを含むVxRailのライフサイクル管理(LCM)機能の範囲は、コンピュートリソースを担うPowerEdgeサーバーのファームウェア、ドライバーやvCenter Server、ESXなどのVMwareのソフトウェアスタックまでだったが、それが今回発表のDynamic AppsOnによって、外部ストレージであるPowerStoreを含めた統合LCMおよびフルスタックの容易なアップグレードが可能になる。

 「VxRailはHCI製品でありながら、ディスクレスのDynamic Nodeと管理ソリューションのDynamic AppsOnにより、シンプルな統合管理を3ティア構成の外付けストレージまで提供できるようになります。さらに、コンピュートリソースとストレージ領域を独立して拡張させる柔軟なシステム構成および運用性も実現します」(市川氏)

ユーザー体験を見据えたアップデートもリリース予定

 VxRailでは従前から、製品を開発するにあたって「ターンキーエクスペリエンス」「シンプルな運用管理」「強力なLCM機能」という3つのユーザー体験を追求している。今回もその流れに則して進化を遂げており、VMware環境あるいは仮想化環境そのものが劇的に進化を遂げる中で、今まで同様な高い操作性をユーザーに提供する。それぞれの市場投入時期に関しては、VxRail 8.0製品はすでにリリースされ、エッジソリューションは2023年の第1四半期、Dynamic AppsOnは2023年前半での提供開始を予定している。

 「これまでもVxRailは、お客様のユースケースを考えたアップデートを続け、データセンターからハイブリッド/マルチクラウド基盤、さらにエッジと幅広い領域で使われるようになりました。最新のコンテナ環境の基盤としてもTanzuに限らず幅広いKubernetes環境で活用されていて、さまざまな局面でお客様のビジネスやDXを支えているという実感があります。今回のアップデートで、それがますます加速するはずです」(市川氏)

VxRailが提供する強力なユーザー体験
VxRailが提供する強力なユーザー体験

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